諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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別れたら好きな人 3
勢いのままクラスを飛び出して行ったジノが帰ってきた。
クラスメイト達の視線は、好奇心で溢れている。
「で、どうなったんだよ」
隣でジノを睨み付けているロロを隠しつつ、司会をしていた少年が聞いてきた。
「振られた」
「あ。やっぱり」
司会をしていた少年が安堵している中、他のクラスメイト達も「やっぱり」などと言っている。
どうも、誰もが振られてくる事を予測していたようだ。
その事にムッとしながら、
「でも、チャンスは貰えた」
嬉しそうなジノの言葉に、目の前の少年の体が傾いた。
「うわぁ!危ないって」
正確には、傾いた訳ではなくロロが押し退けたのだ。
「それって、どういう事なのさ!」
「ロロ?」
「だから、チャンスって何?」
何だか嫌な予感がするんだけど。
ロロの兄妹に関する勘は外れる事は少ない。
「ああ、放課後の生徒会室に行く許可を貰ったんだ。これからは、毎日ルルーシュ先輩を口説く」
「・・・・・・・本気なの?」
胡散臭そうなロロの表情に、男を口説こうとしていると、こんな顔をされてしまうのだと思う。
思うのだが、止める事はできない。
なぜなら、
「本気だ。初めて私から好きになった人なんだ」
「へぇ、顔に惚れたの?」
顔だけだと言うのなら、絶対に邪魔してやる!
「初めは、そうだと思った」
「(ムカ)」
「だが、この一週間、時間があればルルーシュ先輩を見ていた。初めは一目惚れだったけど、今はルルーシュ先輩自身が愛しい」
「本当に、本気なんだね」
ロロの真剣な表情に、ジノの真面目な顔で頷いた。
「勿論だ。ヴァインベルグ家の名前に誓って、ルルーシュ先輩には本気だ」
ここまで人を好きになれるなんて思ってもいなかった。
世界はルルーシュ先輩中心に回っている。
この時は、本気でそう思っていた。
後から考えれば、自分は何て子供だったのだろうと思う。
それでも、この時は本当にルルーシュ先輩に夢中だったんだ。
「仕方ないな」
「ロロ?」
「何でもないよ。明日から日参するんだろ?」
「勿論だ」
そう言い切れば、ロロの表情はどこか複雑そうだ。
「僕は応援はしないから」
「そうだろうな」
普通なら応援して貰えないだろう。
「だけど、反対もしないから」
「え?」
それって?
「それだけだよ」
諦めたような表情で帰って行くロロ。
「ど、どういう意味で受け止めれば良いんだ?」
ジノが頭を悩ませていると、司会をしていた少年が、ポンとジノの肩を叩いた。
「アイツも、色々と複雑なんだよ」
「はぁ」
「ま、俺も反対はしないよ。精々頑張ってみれば」
「あ?ああ」
そい言いながら去って行く。
他のクラスメイト達も、興味を失ったのか次々と教室から出て行った。
「よ、良く分からないが、明日から頑張るか」
全ては、明日から始まるのだ。
☆今まで書いていませんでしたが、ロロは高校1年生で、ルルーシュとは年子です。
そして、兄(ルルーシュ)と妹(ナナリー)を大切にしてます。
ナナリーは出てこない予定ですけどね。
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