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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 1

 それは、入学して一週間経った放課後の事。
「じゃあ、今からバツゲーム付ゲーム大会を始めたいと思います」
 司会として仕切っている少年の言葉に、周りから「うぉぉ」という野太い歓声が上がった。
「よっしゃ!そして、今日のバツゲームは好きな相手に告白だ!」
 その言葉に、またしても「うぉぉ」と響き渡る歓声。
 そんな集団を見ていたのは、どこか一般人とは違う感性を持つジノだ。
「これが庶民の娯楽か」
 元々貴族の一員として、中学までは貴族御用達の学校に通っていた。
 だが、庶民への憧れが強く、高校からは1人暮らしをしながら庶民の学校であるアッシュフォード学園に通う事になったのだ。
 もっとも、ジノは知らないだけで、このアッシュフォード学園には多くの貴族の子弟も通っている。
 この学園の創設者が貴族という事もあるが、レベルの高さや、最先端の授業内容。
 将来を見据えている者には、この学園へ子供を通わせたほうが将来的に有意義なのだ。
「庶民て事はないと思うけど、一般的なゲームだよ」
 司会をしていた少年。
 ジノにとってはクラスメイトなのだが、まったく名前に覚えがない。
 高校へ入学して一週間。
 クラスの女生徒の名前は覚えたジノだが、男子生徒の名前は殆ど覚えていないのが現状であった。
「ほう」
 面白そうだ。
 女性徒の方は向こうから勝手に言い寄ってくるが、男子生徒はそうはいかない。
 こちらから話しかけなければお近付きになれないのだ。
 幸いジノは話すのは好きなのだし、もうそろそろ男子の中に入りたいと思っていた。
 今までは女生徒が群がってきて身動きが取れなかったのだ。
「君も参加する?」
「ああ。参加させてもらおう」
 ニッコリと人好きのする笑顔で答えれば、司会をしていた少年も笑顔で手招きしてくれた。


 そして始まったゲームは、クラスメイトの手作りだという。
「え?これは君の手作りなのか?」
「うん」
 となりでハニカミながら笑う少年。
「凄いな」
 単純なシュミレーションゲームだが、随所に手が込んでいる。
 これを、この少年(同い年なのだから少年かは疑問だが、体格の良いジノからしたらクラスメイトは殆どが少年としか見えない)が作ったと思えば感嘆に値する。
「ありがとう。でも、殆ど兄さんと、リヴァルさ・・先輩に手伝ってもらったから」
「だが、君も一緒に作ったのだろう?」
 なら君も凄い。
 そう言い切るジノに、少年は照れたように笑っている。
「ありがとう。でも、できれば「君」じゃなくてロロって呼んで欲しいな」
「了解。私はジノで良い」
「じゃあ、ジノ。次は君の番だよ」
 ゲームの順番がジノにまで回ってきた。
「そうだな。ロロは遣らないのか?」
 先ほどから見ているだけで、ロロは参加しようとしない。
「僕が参加したら不公平になるからね。今日は見学者に徹するよ」
「そうか。分かった」
 確かにゲームを作った本人なら有利だろう。
 そう納得したジノは、ロロが作ったというゲームを開始した。
 反射神経や動体視力の良いジノだが、初めてのゲームという事で散々な結果だった。
「クソー。次に遣ったら勝てる」
 負け惜しみかもしれないが、次があれば勝てるような気がする。
 だが、今回は惨敗だ。
「仕方がないよ。このゲームは皆遣りこんでいるからね。今日のメンバーで初心者なのはジノだけだから」
 あはははと笑うロロ。
「だったら、私が負けるのは分かっていたじゃないのか?」
「分からないよ。ジノって、運動神経も良かったじゃない。もしかしたらがあるかもって皆思っていたんだよ」
 それでも、と言い募ろうとしたジノに、司会をしていた少年がストップをかけた。
「はい、そこまで。でも、結果は結果だから告ってもらいます!」
 これは決定事項だ!
 そう叫ぶ少年に、クラスメイトの中からパチパチと拍手が響いた。
「分かった、私も男だ。約束は違えない」
「男らしいです。で、ジノ君の意中の相手は誰ですか?」
 興味津々で聞いてくる言葉。
 クラスの女生徒達も固唾を呑んで聞き耳を立てている。
「私が好きなのは、ルルーシュ・ランペルージ先輩です」
「え?」
 隣に居たロロの目が見開かれ、クラスメイトが黙り込んでしまった。
「というわけで、ルルーシュ先輩に告白して来ます」
 それが、バツゲームなのだから。
 颯爽と教室から出て行くジノ。
 クラスの女生徒達から「キャー」という悲鳴が沸き起こっている。
 そして、
「なあ、ロロ。ルルーシュ先輩って。その・・・・」
 言い辛そうにロロに寄って来たのは、司会をしていた少年だ。
「多分、兄さんだろうね」
「そっか」
 ロロの、兄に対するブラコンと妹に対するシスコンはクラスメイトなら有名だと思っていたのに。
「知らないやつが居たんだ」
「そうみたいだね」
「で、良いのか?」
 知らなかったとはいえ、行かせてしまった責任がある。
「大丈夫だよ。兄さんはノーマルだからね。もっとも、行き先がナナリーの所なら全力で止めたけどね」
 それこそ、どんな手段を使ってもだよ。
 ニッコリと笑いながらも、ロロの背後がドス黒くなっている。
「あははは。ほ、程々にな」
 見た目とは裏腹なロロの性格を知っている少年の顔が引き攣っている。
「さてと、振られて来たジノを慰めないとね」
「お手柔らかにな」
「そうだね」
 ロロの中では、ジノが振られる事は決定していた。






☆当初ロロ君の出番はありませんでした。が、無名のオリキャラは作りたくなかったので出てもらいました。
そんでもって、ルルの出番がない。次回は出る予定ですけどね。
ロロ君は、まだまだ出そうな雰囲気です。ジノのクラスメイトで名前が付いているのはロロだけ。後は出しません。
次回はルルーシュに告白です。
 

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