諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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うつぎ
☆藤ルル子「月下美人」のルルーシュ視点です。
「うつぎ」の花言葉は「秘密」。なのでタイトルにしてみました。
翡翠様のみお持ち帰りOKです。
うつぎ
ルルーシュの日課は、家から少し離れたところにある藤堂道場へ通うことだ。
剣道を習っている訳ではなく、恋人に会うために。
初めてルルーシュが藤堂の事を見たのは剣道の大会だった。
剣道に興味の無かったルルーシュなのだが、隣に住むスザクに無理やり連れて行かれたのだ。
「もう帰りたい」
会場に着いて間もないのだが、既に帰りたくなった。
「仕方ないな。藤堂師範の試合だけ見たら帰ろう」
本来ならば全ての試合を見たかったスザクだが、これ以上幼馴染の機嫌を損ねるのは得策でないとメインの試合だけで帰ることにした。
「藤堂師範て?」
初めて聞く名前だ。
「僕が通っている道場の師範なんだ。凄く強くて、真っ直ぐで憧れの人なんだ」
「ふ~ん」
剣道に興味の無いルーシュだが、スザク目が輝いているのをみて少しだけ藤堂という人が見たくなった。
「ほら、あの人だよ」
スザクが指を指した先には1人の男性。
ピンと伸ばされた背筋が印象的な人。
対戦相手を見詰める瞳は厳しいが、傍らに居る人物と話しているときは若干柔らかい雰囲気になる。
「あの人が藤堂さん」
目が離せない。
胸がドキドキしてきた。
「藤堂さんは本当に強いんだよ」
自分の事のように褒めるスザクの声すらルルーシュにはどうでも良かった。
目の前の試合の方が大事なのだ。
『一本。それまで』
試合は呆気なく藤堂の勝利で幕を閉ざした。
「ねぇ、強いだろう」
藤堂が勝った事が嬉しいのだろう、なぜかスガクが得意げになっている。
「凄い」
綺麗に決まった。
流れるような動作で、相手の隙を突いた一本勝ち。
「藤堂師範だからね。目的の試合を見れたことだし、ルルーシュはどこに行きたい。今度はルルーシュの希望を聞くよ」
「えっと、その」
急に言われても思いつかない。
それよりも、もっと藤堂さんを見ていたかった。
家に帰ってきても、思い出すのは藤堂さんの試合。
そして、試合前後の表情。
思い出すだけでドキドキする。
「藤堂さんか」
言葉にしただけでドキドキがましてしまう。
「ん~。でも、何か違うかも」
何だろうと考えてみれば、
「ああ、呼び方」
古き良き日本男子と呼ぶに相応しい人だった。
だから、
「藤堂様」
さんで呼ぶよりも、様付けの方が似合っている。
「うん。藤堂様の方が良い」
////////////////
自分で言っておいてなんだが、恥ずかしい。
「でも、やっぱり藤堂様です」
うん。似合っている。
「はぁー。もう一度お会いしたい」
今のままでは二度と会えない。
それは嫌だが、会いに行くだけの理由もない。
だがその機会は直ぐに遣って来た。
「スザクの忘れ物ですか?」
「そうなの、悪いけどおばさんこれから用事があるのよ。もしルルちゃんに用事が無かったら届けて欲しいんだけど」
「えっと、藤堂道場ですよね?」
藤堂様の道場だったはず。
「そう。ダメかしら?」
「行きます。行かせて下さい」
「本当?ありがとう」
スザクの母親に渡された忘れ物を片手に、目指すは藤堂様の道場。
着いた道場は、とても活気に溢れていた。
ぶつかり合う竹刀の音。
その中に目当ての藤堂様の姿も見える。
「/////やっぱり素敵/////」
門弟達1人1人に声を掛けて指導している姿は、凛々しくて素敵だ。
スザクに忘れ物を渡すと目的は達してしまった。
だが、まだ帰りたくないのでスザクと取り留めない話をしていたら、
「え?」
近付いて来る藤堂の姿。
内心ドキドキしながら見詰めていると、藤堂が止まったのはルルーシュの前。
真剣な藤堂の表情に目が吸い寄せられる。
やっぱり藤堂様は素敵だ。
ルルーシュがボーっと見とれていると、
「君の事が好きだ」
・・・・・・・・え?
うそ。
夢?
そう思って回りを見渡せば、驚いているスザクの姿。
夢じゃないらしい。
なら、
「//////あ、あの。私も好きです///////」
好きな人からの告白を断る女性はいない。
ルルーシュは真っ赤になりながらも綺麗に微笑んだ。
これが2人のスタートライン。
☆ルルーシュが藤堂の告白をアッサリとOKした背景を書いてみました。
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