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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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月下美人

☆藤ルル「藤堂とルル♀のラブラブ話」ということで、ラブラブさせてみました。
パラレルになってしまいましたが、もし本編沿いの話の方が良いというのであれば、また別の話を書きます。





月下美人




 道場の中からパンパンという竹刀のぶつかりあう音。
 ここ藤堂道場は、県内でも有名な道場だ。
 ここの名物は、師範代の藤堂鏡志朗の強さと、その恋人の可愛らしさだ。
「藤堂様」
 今日もルルーシュは差し入れを片手に、藤堂道場へと入って行く。
「ルルーシュ君」
 ルルーシュが来れば、そのままおやつタイムへと突入だ。
 勝手知ったる門弟達は、藤堂の言葉を待たずに寛ぎだした。
「全くお前達は」
 呆れながらもルルーシュを中へと促し、定位置になりつつある自分の隣へと座らせた。
「お邪魔でしたか?」
 毎日のように押しかけているので、ルルーシュとしても邪魔してしまったかと心配だ。
「まさか。着てくれて嬉しいと思うが、邪魔だと思うことはない」
「良かった」
 ホッと慎ましく笑う姿は藤堂のツボだ。
 初めて見掛けた時から、惹かれた少女。


 初めてルルーシュを見たのは半年前。
 交差点で困っている老女を助けていた。
 最近の若者に有りがちな見ない振りではなく、自分の手で助けている少女に興味が沸いたのが初め。
 その次に見かけたのは、やはり同じ交差点で小さな子供と共に手を上げて交差点を渡っていた。
 優しい子なのだと思った。
 それからも何度か見かけたが、その度に誰かを助けていた。
 その優しさに惹かれた。
 名前すら知らない少女に惹かれていく気持ちを止める事はできなかった。
 その少女を運命的な出会いは予想外の事だった。
 道場に通うスザク君の忘れ物を届けに現れたのだ。
 スザク君と楽しそうに話している姿に、生まれて初めて嫉妬した。
 だから玉砕覚悟で自分の想いを伝えた。
「君の事が好きだ」
 何も飾らない。
 ただ純粋に気持ちを伝えただけ。
「あ、あの。私も好きです」
 その言葉に、初めて神様の存在を信じたくなった。
 その時は舞い上がって気にならなかったが、後になりどうしてルルーシュが承諾してくれたのか不思議で聞いたのだが「内緒です」そう言ってはぐらかされてしまう。
 だが、承諾を得たからには両想いだ。
 道場が忙しいのを気遣って、ルルーシュがいつも来てくれる。


「藤堂様?」
 過去に意識を飛ばしていると、
「ルルーシュ君」
「どうかなさいました?」
 心配げに見詰める瞳に、またしても惹かれてしまう。
 毎日のように会いながらも、毎日惹かれていく。
「いや、なんでもない。それよりも今日は何を作ってきたんだ?」
 ルルーシュは道場に来るたびに何かを作ってくる。
 簡単なものから手の込んだものまで、その粋は多彩だ。
「今日は時間が無かったのでサンドイッチしか作れませんでした。ゴメンなさい」
 シュンとしてしまったルルーシュに藤堂は慌てる。
「ルルーシュ君が作るものは何でも美味しいから問題ない。それよりも時間が無いのなら無理に作ってこなくても」
「でも・・・・」
「俺はルルーシュ君に会えるだけで嬉しいんだ」
「私も藤堂様に会えるだけで嬉しい」
「ルルーシュ君」
「藤堂様」
 見詰め合う2人はココがどこだか忘れているようだ。
「あ~。その~。藤堂さん」
 コホンとわざとらしい咳をしながらも、遠慮がちな朝比奈の声に2人はハッとしてしまう。
「すまない」
「ご、ごめんなさい」
「いや、良いんですけどね。その~」
 言い辛そうな朝比奈の言葉に、周りを見渡せば色んなところに視線を漂わせている門下生達。
 気を使わせてしまったのだろう。
「あの、これ良かったら皆さんで食べてください」
 ルルーシュは持ってきた包みの大きいほうを朝比奈に渡すと、小さいほうの包みを持って藤堂の方をジッと見詰めた。
「ありがとうね。遠慮なく頂くから、そっちは藤堂さんとイチャついて食べててよ」
「///////はい/////////」
「うむ、頂こう」
 照れながらも藤堂しか見ていないルルーシュと、そんなルルーシュに釘付けの藤堂。
 朝比奈の心情としては、勝手にしろの世界だった。
 独り身には寂しバカップルのオーラに当てられながらも、目的物を(ルルーシュの差し入れ)ゲットした朝比奈は皆で食べるべくラブラブな二人の傍から離れていった。
 時間が無かったという割には、サンドイッチの種類は豊富だ。
 バランスや彩りも良い。
「どうですか?」
 もぐもぐと食べる藤堂に、ルルーシュは遠慮がちに声を掛けた。
「ああ、美味しい」
 ルルーシュの作るものならば何でも美味しいのだが、この少女は気が付いてくれない。
 たとえ砂糖と塩が間違えて入っていたとしても美味しく思えるだろう。
 もっとも、この完璧な少女にそれは有り得ないが。
 実際に、今までの差し入れはどれも完璧なものだった。
 門下生の多くがお裾分けで貰えるルルーシュの手料理の虜になっている。
「良かった」
 ホッとする姿も藤堂から見れば可愛らしくて仕方が無い。
 料理を初め、家事一般を完璧にこなす少女は藤堂の理想そのものだった。
 日本人ではないが、完璧なまでの大和撫子ともいえる。
 初めこそ内面の優しさに惹かれた藤堂だが、ルルーシュという人間を知っていくうちに、全てが理想そのもので絶対に手放せないと思うのだ。
「幸せだ」
「/////そんな/////はい。お茶もどうぞ」
 食後には暖かい緑茶という藤堂の習慣を知ってから、ポットに入れて緑茶も持参してきている。
「頂こう」
「はい」
 優しい時間だ。
 これからも、こんな時間が続けば良い。 
「ルルーシュ君」
「はい?」
「幸せな家庭を築こう」
「///////はい///////」
 顔を真っ赤にしながらも、ルルーシュはシッカリ頷いた。
「幸せにする」
 誰よりも幸せにしてみせよう。


 周りで密かに見守っていた門下生達からも小さな拍手。
 皆に祝福されて、2人は照れながらも嬉しそうだった。






☆タイトルはルルーシュのイメージから付けてみました。
 

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