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諦めが肝心

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揺れ動く心

☆藤ルル  「藤堂とディートによるルルの争奪戦を!!」





揺れ動く心





 最近、目線が2人の人物を追ってしまう。
 1人は藤堂鏡志朗。
 もう1人はディートハルト・リート。
 全くタイプの違う2人に、目線が追いかけてしまう。
 なぜ?


「ゼロ。この件なのですが」
 前々からディートハルトに頼んでおいた件だ。
 渡された書類には、細部に至るまで事細かに書かれている。
「完璧だ」
 他人に完璧を求めることなど無意味だと思っていた自分が認める数少ない人間。
 その中にディートハルトは入る。
「ありがとうございます。ゼロ」
 ここまで完璧な人間が自分なんかに絶対の忠誠心を捧げてくれる。
 これは凄いことだ。
「ああ、これからも頼む」
 ディートハルトが居てくれれるだけで心強い。
「ゼロ。月下事で話があるのだが」
 そう声を掛けてきたのは藤堂だった。
 その声にドキリとするのはなぜだろう。
「藤堂か」
 声で分かっていたが、どうしても素っ気無いものになってしまう。
 なぜだ?
「ラクシャータに相談していたのだが、ゼロの意見も聞きたいとの事だ」
「ラクシャータと・・・」
 ラクシャータと藤堂が話をしている場面を思い浮かべると、なぜだかツキリと胸が痛い。
 なんだ?
「それでゼロの意見が聞きたいのだが、どうかしたのか?」
 どうもゼロの様子がおかしい。
「どうもしない」
 そうだ、どうもない。
 自分の気の迷いに決まっている。
「それより、ゼロ」
「なんだ、ディートハルト」
 ディートハルトが声を掛けてくれたことにホッとする。
 空気の読み方も上手い。
 やはり逸材だ。
「私の件を優先して頂きたいのですが」
 控えめだが、キッパリとした言い方。
「分かった。という訳だ、悪いが先にディートハルトの件を優先する。後で連絡する、それまでは部屋で待機していてくれ」
 本当ならばラクシャータの所で待っていろと言うべきなのだが、なぜだか嫌だった。
「分かった」
 短い返事と共に去って行く藤堂の後姿。
 真っ直ぐな姿勢。
 よどみない歩み。
 どれもが惹きつけられる。
 だが、
「それでは、この件の続きを話しましょう」
「ああ」
 目の前のディートハルトの言動も気になるのだ。


 コンコンという控えめなノックの音。
「藤堂?」
 次に聞こえてきたのはゼロの声。
「開いている」
「失礼する」
 ゼロが控えめに部屋の中に入ってきた。
「わざわざ来たのだな」
 各部屋には緊急用の内線が引かれている。
 部屋まで来なくても、電話で呼び出せば良いだけの事だった。
 だがゼロは、あえて藤堂の部屋に赴いたのだ。
「ああ。何となく」
 それなのに来てしまった。
「俺は、ずっと待っていた」
「何を?」
「君が自分から正体を言ってくれるのをだ」
「それは・・・。それは藤堂に限らず、誰にも言うつもりは無い」
「ルルーシュ君」
「なっ!」
 なぜ?
 どうして?
「そうなんだろう?」
 確信しているかのような藤堂の言葉に、誤魔化すのは無理だろうと悟った。
「ああ」
 肯定の言葉と共に、ゼロの象徴たる仮面を脱ぎ捨てた。
 仮面の下から出てきたのは、想像よりも美しい姿。
「ああ、綺麗だ」
「それは、男に対しての言葉ではないぞ」
 嬉しくない。
「それより、いつから気が付いた?」
「初めは、考え方や頭の良さが似ていると思っていた。だが、それだけでなくてスザク君の事で確信した」
「そうか」
 辛そうに歪めるルルーシュの顔に、守ってやりたいという気持ちが溢れてくる。
「好きだ」
 仮面を付けた姿ですら惹かれていた。
 そして、仮面の下には予想以上の美貌。
 守ってあげたい。
 自分の気持ちを偽ることは止めよう。
「なっ!と、藤堂?」
 何を言っているんだ。
「もう一度言う。君の事が好きだ」
「本気か?」
「本気だ。嫌か?」
 本来ならば嫌だと言われてもおかしくない。
「嫌ではない。ただ、戸惑う」
 不思議なことに、嫌だと言う思いは沸かない。
 ただ・・・・・・
「そうか」
「藤堂」
「なんだ?」
「私・・・いや、俺は藤堂の事が気になっていた」
 惹かれていたのかも知れない。
「そうか」
「だが、藤堂以外にも同じような気持ちになる者がいる」
 ディートハルトにも惹かれている。
「・・・・・・・・」
 もう1人とは、多分ディートハルトだろう。
「自分が分からない」
「そうか。ルルーシュ君」
 藤堂はいきなりルルーシュを抱きしめた。
「ほわぁ」
 その行動に、ただ驚きの声しか出ない。
「今の心境はどうだ」
「//////ど、どうだといわれても、ドキドキするとしか//////」
 心臓がドキドキする。
 でも、それ以上に安心する。
「もう1人の人物にも同じようなことをされたら、どう思う?」
「//////えっと//////」
 ディートハルトに抱きしめられる。
 想像しても何もない。
 あれ?
「何もない?」
 どうしてだ?
「君がもう1人の人物に固執しているのは、絶対の忠誠心を確信しているからではないのか?」
「そうかも知れない」
 ディートハルトに抱きしめられる姿を想像してもドキドキしないのだから。
「俺は君の事が好きだ。勿論、恋愛感情としてだ」
「///////嬉しいかも//////」
 藤堂に言われて、ハッキリと違いが分かった。
 ディートハルトに求めていたのは信頼。
 藤堂に求めているのは愛情。
「絶対にルルーシュ君は俺が守る」
「藤堂さん」
 2人の顔が自然と近付く。
 それは触れるだけの優しいキス。
 それでも、今の2人には満足だった。





☆ディートの出番が少なかった。というか、多くするとディルルになりそうだったので。
今回はスマートなディートを目指したので、カオス度が低いです。
あくまでメインは藤ルルだから。
 

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