諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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漆黒の闇【中編】
ルルーシュを迎えに行く。
それは、ギネヴィアには簡単な事だ。
だが、
「その前にやる事があるわね」
迎えに行く事は簡単なのだが、自分の手を取るかと言えば否である。
「忌々しいラウンズが」
かの裏切りの騎士の存在はルルーシュにとって大きい。
その裏切りの騎士は、事もあろうに愛しいルルーシュを皇帝に売ったのだ。
「あの子の皇族嫌いに拍車が掛かっていると考えて良いはず。ならば・・・」
自分の取るべき行動など分かり切っている。
ギネヴィアにとって、世界の中心はルルーシュなのだ。
「もう少しだけ待っていて、世界をあげるから」
ウフフフと微笑みながら、軽快な足取りで向かう先は本国。
自分の成すべき事を遣り遂げてからルルーシュに会うために。
シュナイゼルの失踪。
それは、極限られた人間にしか知らされていない。
ある日、突然と姿を消したシュナイゼル。
執務室には、致死量に匹敵する血痕が残されていた。
途方にくれる側近達の元に、メールでシュナイゼルの指示が届いた。
それは、中華連邦の天子とオデュッセウスとの婚姻までの準備が事細かに記されていた。
そこに付け加えられている最後に、自分の失踪は伏せるようにと記されており、余計な不安を回りに与えるわけにはいかないと、側近達はシュナイゼルの失踪を隠す事にした。
余りにも完璧な内容に、そのメールが何処から送られてきたかを詳しく調べる事無く。
「これで良いかしら?」
優秀だと言われていた弟を真似して内容を考えたのだが、ギネヴィアにしてた詰まらない。
自分なら、もっと狡猾な内容を考えられる。
だが、今回はあくまでもシュナイェルを真似ただけなのだ。
狡猾過ぎるとバレる恐れがあった。
「仕方がないわ」
妥協も必要だろう。
「これで、残す問題は一つだけ」
それを片付けたら行こう。
愛しいルルーシュの元へ。
「あと少し。愛しているわ、ルルーシュ。だから待っていてね」
ウフフフと微笑みながら、最後の仕上げの場所へ向かう。
天子とオデュッセウスとの婚姻の日。
今日こそはシュナイゼルも現れるだろうと思っていたのだが、婚儀が始まっても現れる気配はない。
取り仕切るはずのブリタニア帝国宰相の姿がない事に会場はざわめきながらも、式は進んでいく。
だがそんな中、反乱軍を率いて会場に乗り込んできた星刻。それを見越したようにゼロも現れ、会場のざわめきがピークに達した時、会場に第3の陣営が現れた。
その存在は、滅多に表に出てこないという事で有名な、第一皇女ギネヴィア。
「皇女殿下?」
シュナイゼル殿下が来られない事に戸惑っていたラウンズの3人は、一斉に頭を垂れた。
だが、そんな3人を無視すると、ギネヴィアは真っ直ぐにゼロの元へと歩いて行く。
「お待ちください」
このままでは、ゼロに捕まるかもしれないという危機感からスザクがギネヴィアの腕を掴んだのだが、信じられない程の強さで引き剥がされた。
「下種が、私に触れる事は許さない」
事もあろうに、自分に触れてきたのが枢木スザクだと知って、ギネヴィアの怒りが頂点に達した。
「申し訳ございません」
いかにランズトいえども、皇族の方が上だ。
スザクが咄嗟に謝るものの、ギネヴィアがスザクを見詰める目は憎悪に満ちている。
「お前達は、何があっても手を出すな」
スザクではなく、後ろに控えていたジノとアーニャに向けての言葉。
スザクの事は、視界にもいれない。
「ですが・・・」
その命令に意義を唱えようとしたのだが、
「命令です」
こう言われてしまえば、何も言えない。
「イエス、ユア ハイネス」
自分達に許されているのは、この言葉だけだ。
「良い子ね。でも、本当は違うのよ」
瞬時に返された返事に気を良くしたのだろう、先ほどまでの鋭さはない。
だが、疑問は残る。
『違う』の意味を知りたいのだが、これ以上の詮索はできない。すれば不敬罪に問われるだろう。
従順になったラウンズに、ギネヴィアは満足すると、今度こそゼロの元へ向かう。
「これは、これは。第一皇女殿下自らのお越しとは、珍しいですね」
大げさなゼロの言葉に、女性の正体が会場中に知れ渡った。
表に出ることが少なかったために、名前は知っていても、顔まで知っている者は少なかったのだ。
「迎えに来たの」
「ほお、誰をですか?」
それまでラウンズ達に見せていた顔から一変して、ゼロに優しい笑みを向ける。
「貴方よ。私の愛しい子」
笑顔と共に差し出される手。
その言葉に、会場がざわめいた。
ブリタニアの第一皇女が、テロリストに手を差し出したのだから。
「なんの真似ですか?」
仮面の下で動揺しながらも、ルルーシュは懸命に考えた。
だが、どれほど考えようとも、この姉の考えが自分に分かるはずがない。
昔からそうだった。
身分を何よりも大切にして、母の事を嫌っていた姉なのだが、なぜだかルルーシュの事だけは可愛がっていた。
ルルーシュの方も、母の事を嫌っているという面では気に入らなかったが、それ以外は全面的に慕っていた。
それは、この姉は何でもルルーシュに教えてくれるからだ。
他の者達が幼いという理由で教えてくれないような事も、この姉だけは教えてくれる。
科学や文学に留まらず、政治・経済・軍事。
あらゆる面に精通していて、聞けば何でも答えてくれる姉。
今思えば、表に出ることのない姉が持つにしては矛盾がありすぎるほどの知識。
☆ここで区切ります。
姉が益々黒くなりそう。タイトルを「黒い姉」にでもすれば良かったかも。
☆ここで区切ります。
姉が益々黒くなりそう。タイトルを「黒い姉」にでもすれば良かったかも。
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伊月 優
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女性
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