諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
[100] [188] [187] [186] [185] [184] [183] [182] [181] [180] [179]
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ノスタルジア
☆パラレル 現代物の学園物のラブコメです。
幼馴染というのは、近くて遠い。
ルルーシュの幼馴染のスザクは、スポーツ万能でクラスの人気者だ。
明るくて気さくな雰囲気が魅力なのだろう。
いつだってクラスメイトに囲まれている。
それに引き換えルルーシュの方は、いつも1人で本を読んでいる事の方が多い。
寡黙で近寄りがたいと誰かが噂していたのを聞いた事がある。
それを聞いたときは、仕方がないと溜息が出たものだが、もう慣れてしまった。
そんな対照的なスザクとルルーシュだが、仲は良い。
「ルルーシュ」
今日もルルーシュが自分の席で本を読んでいると、いつの間にか人も輪から出てきたスザクがニコニコと目の前に立っている。
見上げれは嬉しそうなスザク。
だが、その後ろでは複雑な表情をしているクラスメイトの姿も見えた。
こんな時は、嫌な予感がするのだ。
「なに?」
素っ気ないくらい短い一言で終わったのだが、スザクは気にしてないようだ。
「今から皆でカラオケに行くことになったんだけど、ルルーシュも一緒に行かない?」
スザクは事あるごとにルルーシュを誘う。
だが、
「行かない」
ルルーシュが頷いた事は一度もない。
「そっか。分かったよ。読書の邪魔をしてゴメンね」
手を合わせて謝る姿に、一瞬だけ胸が痛んだ。
「構わない」
「そっか。あ!でも、日曜日は付き合ってよね」
忘れてないよね?
スザクの目が物語っている。
「忘れてない。映画だろ?」
ルルーシュが僅かに目を細めて言えば。
「そうそう。前から見たかったんだ。一緒に行こうね」
「分かってる」
ルルーシュが覚えていてくれた事が嬉しいのか、スザクはニコニコとクラスメイトの輪の中に戻って行った。
それを寂しいと思うのは間違っているのだろう。
なぜなら、スザクが来ない限りルルーシュからは動かない。
いつだってスザクが来てくれる事を願うだけだ。
「それを寂しいと思うなんて」
スザクに悪い。
それでも、日曜日の予定はルルーシュには嬉しかった。
最近では部活が忙しいのか、スザクと出掛ける回数が減っている。
もっとも、クラスメイト達と遊びに行くときは毎回のように声が掛かる。
だが、ルルーシュはスザク以外に人間が苦手な為に、クラスメイト達付きで出掛ける誘いに頷いた事がない。
スザクと二人っきりだったら頷くのに。
『ふぅ』悩ましげなルルーシュの溜息。
それにクラスメイト達の視線が釘付けになった事をルルーシュは気が付かなかった。
そして、そんなクラスメイト達を睨んでいるスザクの姿も、残念な事に見ていない。
そして日曜日。
「待った?」
ルルーシュが待ち合わせ時間よりも早く来ることに対して、スザクはピッタリに着く事が多い。
「いや、大丈夫だ」
常に文庫本を持ち歩いているルルーシュは、待つ事も苦痛ではない。
それに、待っている相手はスザクだ。
心持ワクワクしているのだが、それをスザクに知られる訳にはいかい。
「良かった。今日の映画だけど、本当に僕が見たかったヤツで良いの?」
ルルーシュが見たいものがあれば、それに変えるけど?
そうスザクが言うのだが、特に映画に拘りがないルルーシュにはどれでも良かった。
一番重要なことは、スザクと二人っきりで居る時間が増える事なのだ。
高校に入ってから、スザクとの距離が開いた。
それまで、当たり前のように自分の隣に居たスザク。
距離が開いたことでルルーシュが思い知ったのは、スザクへの恋心だ。
離れたことで思い知らされた気持ち。
スザクの事が好きだ。
だが、一般的でない想いを、スザクに告げるつもりはない。
こうして一緒に出掛けられるだけで嬉しいのだ。
「スザクが見たいヤツで良い」
ルルーシュが言えば、
「ありがとう」
返される笑顔が眩しい。
「あ、ああ」
自分だけに向けられた笑顔。
それを嬉しく感じていると、差し出される手。
「行こう」
スザクは一種強引ともとれる勢いでルルーシュの手を掴むと、映画館のある方へ歩き出した。
「//////スザク、その、手を//////」
/////離して欲しい。/////
そう言いながらも自分から振りほどく事ができない。
恥ずかしさで真っ赤になりながらも繋いだ手が嬉しくて、そっとスザクを見上げれば、
自分と同じように真っ赤になっているスザクの姿。
「//////ルルーシュは迷子になりやすいから。このまま行くよ//////」
言葉は偉そうなのだが、真っ赤になった顔が裏切っている。
「う、うん」
恥ずかしいと思いつつも、ルルーシュは一方的に繋がれた手を自分の方からも握り返した。
「え?ルルーシュ?」
「//////ま、迷子になったら困るから。その//////」
だからだと、上目使いに言えば。
「//////そうだね//////」
真っ赤になりながらもスザクは嬉しそうに笑った。
自分の気持ちを告げるつもりはなかった。
でも、もしかしたら告げても良いのかもしれない。
翌日から、ルルーシュの傍から離れないスザクが学園の話題となった。
嬉しそうに笑い合う二人の姿に、多くの学生達が涙を流したのだった。
☆スザルルのリハビリ第一弾です。ラブコメを目指してみました。
これはルルーシュサイドの話なので、比較的にスザクに優しいはず。
ネタとしてあるスザクサイドの話は・・・・
要望があれば、スザクサイドの話も書きたいかも。
裏設定!ルルーシュサイドの話では出ませんが、ルルーシュは学園のアイドルです。
カウンター
プロフィール
検索避け