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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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害虫駆除

☆初のモニカ×ルルーシュです。そして、騎士皇子です
ルルーシュは皇族のままで、モニカさんはラウンズではなくてルルーシュの騎士です。





 戦いは好きではなかった。
 戦えば戦うだけ多くの血が流れるから。
 それでも、戦わなくてはならない理由がモニカにはある。
 平民の出であるモニカが、皇族に仕えるには力が必要だから。
 その為にナイトメアを駆る。
 戦場でのモニカの動きは、普段とは違い、機敏で大胆だ。
 決して隙を見せない戦い方は、戦略の上でも重要だった。
 だから今日もモニカは戦場を駆ける。
 ただ1人、褒めてもらいたい主の為に。


「よくやった」
 作戦に成功したときに掛けられる言葉。
 ルルーシュは笑顔でモニカを出迎えた。
「はい。ルルーシュ殿下」
 ニッコリと心からの笑みが浮かぶ。
 この一言を言って貰いたいために、モニカは戦場へ出るのだ。
「だが、余り無理はするな」
 モニカの働きは勝利の上で大きい。
 そのせいで負担が増えるのも分かっている。
 それでも、ルルーシュにとって優秀な駒はモニカしかいないのだ。
「大丈夫ですわ」
 フワリと花が綻ぶような笑みを見せる女性が、先ほどまでナイトメアを果敢に駆っていた物だとは誰も思わないだろう。
「ありがとう」
 ルルーシュも、そんなモニカに親愛の情を込めて微笑み返す。
 二人の間には花が飛んでいるようにすら見える。
 

 実は密かにこの光景を見て和んでいる兵士達も多数居る。
 外見上は、二人とも綺麗や可愛いらしいという言葉が当て嵌まる。
 そんな二人がニコニコと笑いあっているのだ。
 たまに内容が血生臭い事もあるが、音声さえシャットアウトすれば問題ない。
 現に今だとて、モニカが熱くルルーシュに語っているのは、どれだけの数のナイトメアを破壊しただとか、敵将を再起不能にしたとかの報告だ。
 そして、ルルーシュ殿下がいかに綺麗で、美人で、可愛らしくって、その他諸々の一部ピー(放送禁止用語的)な内容もあったのだが、音声を無意識にシャットアウトしている兵士達には聞こえない。
 ルルーシュの方も聞き慣れているせいで、普通に受け答えしている。(というか、天然過ぎて話の内容がおかしい事に気が付いていない)
「良いよなモニカちゃん」
 そんな兵士の言葉に、
「うんうん。戦場に舞い降りた天使ちゃんって感じだよな」
 同意している兵士も多い。
 だが、
「えー。俺は、やっぱり殿下の方が」
 そう言いながら熱い眼差しの向こうにはルルーシュの姿。
「お前もか!俺もなんだよ。ルルーシュ殿下って、綺麗で美人で女王様って呼びたいくらいだよな」
「や、それは・・・・そうかも」
 それまでモニカの話に花を咲かせていた兵士達すらも同意している。
 そして、見詰める先にはルルーシュの姿。
 熱い溜息が漏れる。
 

 だが、それを目敏く見つけたのはモニカだからだろう。
 自分の守るべき主に向かう、不埒な視線。
「殿下」
 これは由々しき事態だ。
「どうした?」
 急にキリリとしたモニカに、ルルーシュはキョトンと首を傾げている。
 そんな姿も可愛らしいと内心で悶えているモニカだが、ここは先にしなくてはならない事がある。
「急用ができました」
「そうなのか?」
 今まで普通に話していたのに?
 目をパチクリしている姿も、凶悪に可愛らしい。
 ああ、そんな可愛らしい顔を、無粋な兵士達にまで見せないで欲しいのに。
 モニカの心の叫びは、残念な事に鈍感なルルーシュには届かない。
「ええ。ですから殿下は先にお部屋にお戻り下さい」
 ね。
 微笑みながらモニカが言うのだが、
「だが」
 1人だけ先に部屋に戻るのが不満なのだろう、ルルーシュは素直に頷かない。
 真面目な人なので仕方がないかもしれないが、この先の光景をルルーシュ殿下に見せるわけにはいかない。
「お部屋に美味しいプリンが用意してありますが」
 何かあった時の為に、事前に仕込んであった切り札。
「え!そうか。悪いが、先に戻らさせてもらう」
 ウキウキと嬉しそうに部屋に戻るルルーシュに、モニカは笑みを深めるのだが、その姿が見えなくなった途端に般若と化した。
「うふふふふ。さあ、お仕置きの時間ですわ」
 クルリと振り返った先には、先ほど自分達の噂をしていた兵士達。
 その兵士達も、モニカの般若のような表情に『『『『『ひぃぃぃ』』』』』と怯えるしかできない。
 長年モニカやルルーシュの傍に居る者達の間では暗黙の了解なのが、絶対にルルーシュ殿下を邪な目で見ないというものだった。
 理由は、邪な目で見ようものならばモニカの制裁に遭うからだ。
 だが残念なことに、先ほどまで噂していた集団は新人達だったのだ。
 暗黙の了解を知らないが為の悲劇。
 翌日から、その新人達を見掛けた者は居ない。


「ねえ、ルルーシュ殿下」
「なんだ?」
「殿下のことは、このモニカがお守りしますわ」
 ニッコリと囁けば、
「期待している」
 ルルーシュも嬉しそうに微笑んだ。
「はい。お任せ下さい」
 こうしてモニカの害虫駆除の日々は続くのだった。





☆捧げ物のつもりで書いたモニルル。初めは白いモニカさんでユリカップル(ルルは男だけど)にしようと思っていましたが『黒い気かします』との事でしたので、黒くしました(笑)
次はナナルルを書きますねv
 

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