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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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片翼の天使18

「俺の名前は、ルルーシュ・ランペルージじゃない。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ」
「え?」
 ブリタニア?
 名前にブリタニアの姓が付くのは・・・・
「第11皇子。17皇位継承権を持つ皇族だよ」
 それが俺の立場だ。
「皇族?」
 確かに立ち振る舞いは綺麗で洗練されていた。だけど皇族。
 ブリタニアの皇族と言うことは、思っていた以上にスザクにショックを与えた。
「そうだ。そして、宰相補佐と言う役目も担っている。いや、担っていただな」
 悲しそうに浮かべる笑みは皮肉げだ。
「えっと、どう言う事?」
 過去形だよね。
「今日からは皇帝補佐になる予定だからな」
「こ、皇帝補佐って、立場が上がっているじゃないか!」
 ますます遠い人になってしまう。
 あれ?でも今日からって?
 そうして?
 スザクが不思議そうにしていると、激しいノックの音と共に藤堂が入ってきた。
「ルルーシュ君!」
 冷静沈着を地で行くような藤堂が慌てている姿は始めて見たかもしれない。
 スザクは頭の中がパニックのままボーっと考えていると。
「その様子では上手くいったようですね」
「君は知っていたのか」
「勿論です。今度の作戦が成功すると共に、動くように頼んでありましたから」
 早くても遅くても駄目なのだ。
 日本と言う形を壊さないためのタイミングを考えたら、今しかなかった。
「これが君の願いか?」
「そうです。これで日本は、貴方達のものです」
 日本と言う国をモノ扱いしたのは例えが悪いかもしれないが、今は構ってはいられなかった。
 一刻も早く本国へ戻らなくてはならない。
 仕事は山済みのように待っているだろう。
「ちょっと待って下さい。何が何だか、僕にも分かるように説明して下さい」
 一人だけ蚊帳の外に居たスザクには、二人の会話についていけない。
「ああ、すまなかった。実は、ブリタニアで革命が起こったらしい」
「え?それって大丈夫なのルルーシュ」
 革命。
 テロと同じなら、多くの血が流れている。
 先程聞いた話では、ルルーシュは皇族だ。聞いた事はないがルルーシュの家族が真っ先に狙われるだろう。
「大丈夫だ。革命の中心人物は、シュナイゼル・エル・ブリタニア。二番目の兄にして、宰相だった人物だ」
「宰相って、どこかで聞いたような」
 あれ?
 なんだったっけ?
「俺が最も尊敬して、信じている人物だ。そして、革命といっても王宮内の事で、一切血は流れていないさ。無条件で皇帝陛下に皇位を譲らせたにすぎないからな」
「そう・・・なんだ」
 血が流れていないことにホッとするものの、ルルーシュの言い方に相手に対して嫉妬してしまいそうだ。
「あの人は、争いを好まない。時間が掛かるが、今まで支配してきたエリアも順に元の国に戻るだろう」
 だからこそ、日本に対するブリタニアの武力行使はない。
 スザクに日本を返してあげられるのだ。
 自分ができる、ただ一つの事だ。
「ブリタニアに戻るんだね」
「ああ、帰る」
 お互いに惹かれながらも、立場が邪魔をする。
 ブリタニアの新皇帝の補佐官お、日本を取り戻した英雄。
 どちらも国に縛られるのだ。
「もう、会えないの?」
 二度と会えないのだろうか?
「会わないほうが良い」
 会えば辛くなるだけだから。
「でも、僕は会いたいよ」
 何時だって君に会いたいよ。
「スザク・・・・ゴメン」
「ルルーシュ!」
「今までお前は日本の為に頑張ってきた。だから今度からは自分の為に『生きろ』」
 それは、心からの願い。
 自分の感情というモノを取り戻してくれたスザクには幸せになってもらいたかった。
「ルルーシュ」
「好きだ。スザクの事が好き」
 初めて自分から言った。
 これが最後だと分かっているから言えたのかもしれない。
「嫌だ。離れたくない。僕だってルルーシュの事が好きだ。愛しているんだ」
 離れたくなどない。
「それでも、お前は日本にとって大切な存在なんだ」
 日本最後の首相の息子。そして、日本を取り戻した英雄。
 その肩書きがある限り、スザクが日本から出る事はできないだろう。
 そしてルルーシュもまたブリタニアから出る事はできない。
「それでも、ルルーシュと離れたくないんだ」
 こんなに好きなのに。
 こんなに愛しているのに。
 離れるなんてできない!
「ゴメン。それだけはできないんだ。さよならスザク」
 それだけ言うと、ルルーシュは走って去ってしまった。
 一度も振り返る事無く。

「ルルーシュのバカ」
 諦められるはずがない。
 立場など関係ない。ルルーシュだけが欲しいのだから。
 だから、
「話があります」
 一度目を瞑ると、スザクは決意を胸に藤堂を見据えた。
 揺るぎない意思を秘めた瞳。
「分かった」
 スザクが何を言い出すのか分からない。
 だが、男が一度決めた事ならば、どんな事だろうと応援しよう。
 愛弟子の成長した姿に、藤堂は心の中で喜んでいた。





☆あと2話で終わり。でも、オフ化の為にココで一旦止めようか考え中。
でも、最後まで書いた方が良いのかな?
 

 

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