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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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小鳥達のペット【前編】

☆60万HIT部屋にある「箱庭の小鳥達」の続編です。
ゼロとルルーシュは双子です。ルルーシュは足が悪いので、車椅子の生活です。
双子ラブなシャルルパパに記憶を改竄されて皇族に復帰しております。
日本の記憶も、テロリストとしての記憶もありません。多分……
ロロは、ゼロとルルーシュが飼っている犬(小型犬)です。






 初めて目にするエリア11は、とても綺麗な国だった。
「綺麗だ」
「そうだな」
 ルルーシュとゼロが感動していると、
「政庁にご案内いたします」
 完璧なエスコートするように促したのは、自分達の補佐を勤めるという枢木スザクだ。
 無表情な顔からは何も窺えない。
「ありがとう」
「頼む」
「イエス、ユア ハイネス」
 補佐として自分たちに付いているスザクだが、必要最低限しか傍に居ないし、ゼロに対する批判もあるように思える。
 何か誤解があるのだろうと思い、親睦を深めようと試みたこともあるが、激しい拒絶が返ってきた。
 それ以来、必要以上に話しかけることはしない。 
 そんなスザクだが、ルルーシュに対しては困ったことがあれば助けたりはしてくれる。
 そして今も、
「自分が押します」
 ゼロが押そうとしていた車椅子を、スザクが押そうとしている。
 普段ならゼロが居るときには手出ししないのだが、この先には段差があった。ゼロも腕力では躓いてしまうかもしれないのだ。
 ゼロが転ぶ分にはスザクとて構わなかったが、ルルーシュが巻き込まれるとなれば話は別だった。
 未だにルルーシュに対する恋心は失われていない。
 だからこその言葉なのだが。
「結構だ」
 にべもなくゼロに断られてしまった。
 自分を嫌っているらしいスザクの事を、ゼロもまた気に入らない存在として認識していた。
「ですが、この先には段差や階段があります」
 本来ならば、今日使う総ての道をバリアフリーにする予定だったのだが、書類のミスで未だになされていなかった。
「そうか」
 その言葉に納得したのか、ゼロが車椅子の背後からどいた。
「では、自分が車椅子を・・・・・・」
 そこまで言ったとき、ゼロはルルーシュの方へかがみ込むと自分と同じ体格のルルーシュを抱き上げた。
「車椅子は頼むぞ」
 それだけ言うと、お姫様抱っこで抱き上げたルルーシュを丁寧に運び出した。
「/////ゼロ!//////」
 そんなゼロにルルーシュが抗議の声を上げるが、ゼロには届かない。
 いや、わざと無視しているのだが。
「何をしているんですか!」
 そんな二人の間を引き裂くのは、車椅子を押そうとしていたスザクだ。
 ルルーシュが乗っているから車椅子を押したかったのだ。
 ゼロに取られてしまっては、意味がなくなってしまう。
「気にするな」
 シレッとゼロは言い放つと、スタスタと淀みない足取りで歩いていく。
「落としたら大変です」
 ゼロが怪我する分には構わないが、万が一ルルーシュが怪我をしたら大変だ。
「落とさない」
 自分がルルーシュを落とすはずがない。
「えっと、心配してもらって申し訳ないが、ゼロは絶対に落とさないよ」
 ルルーシュを落とさないようにと、ゼロが鍛えているのを知っているし、何より落としそうな危機感を覚えたことなど一度もなかった。
 尚も何かを言い募ろうとしたスザクだが、肝心のルルーシュにまで言われてしまえば何も言えなくなってしまう。
「分かりました」
 苦虫を噛み締めたような顔になりながらも、残された無人の車椅子を押していく。
「ルルーシュ、もう少し近付いてくれないか?」
 ルルーシュは腕にロロを抱いていたために、何時も抱き上げるときよりも体が離れているのだ。
「分かった」
 本当なら、ロロを下ろした方が良いのだろうが、リードを忘れてきてしまったので(持ってはいるのだが、使う機会が限られていた)ずっと抱いていたのだ。
 ゼロの言葉に頷きながら、片手はロロをしっかりと抱いたまま、残りの片方の手をゼロの首に回した。
「ああ、それで大丈夫だ」
 先ほどよりも安定感が増したことに安堵しながら、ゼロは優しくルルーシュに微笑みかけた。
「良かった」
 微笑まれたルルーシュもまた、ゼロに向かって笑顔を返す。
 そんな二人の間で、ロロは嬉しそうに尻尾を振っている。
 大好きな主人に挟まれてご満悦な様子だ。
 
 
 そんな二人と一匹を憎々しげに見つめる男。
 ゼロは故意に無視し、ルルーシュは全く気が付いていない。
 だが、獣の本能で異変を感じたロロは、この瞬間からスザクの事は主人の敵(つまり、自分の敵)とインプットされた。
 こうして、スザクVSロロの対決の日々の幕開けとなった。





☆オフラインのペーパーの裏にロロ犬VSスザクな話を書いたので、その前の話です。
次に初ガブをする予定。

 
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