諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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小鳥達のペット【中編】
ルルーシュにとって、ロロは大人しくて賢い犬だった。
自分とゼロの命令には絶対に服従で、ダメだと言い聞かせたことは絶対に守る。
だからこそ、新しい住まいとなった政庁の中を自由に放し飼いにしていた。
初めこそ、ロロが大勢の人間に吠えたり噛み付いたりしないかと心配だったのだが、その心配も杞憂だったらしい。放し飼いにして一週間、未だにロロによる被害届けは一件も届いていない。
「良かった」
これで被害届出が出ていようものならば、ロロの行動は制限しなくてはいけない所だった。
「どうかしたのか?」
ルルーシュの溜息を聞きとがめたゼロが優しく問いかけてきた。
「いや、ロロの事なんだが。このままで良いよな?」
勿論、放し飼いのままという意味だ。
「ああ、大丈夫だろう」
正確に意味を捉えたゼロも肯定する。
この一週間ばかり、新しい改革に忙しすぎて、まともに遊んでやる事ができなかった。
せめてもの罪滅ぼし?として、政庁の中を自由にさせてストレス発散をさせていた。
元から頭の良い犬だという事は分かっていたので、それほど心配はしていなかった。
「じゃあ、これからも放し飼いで良いよな?」
まだ数週間は忙しい日々が続くだろう。
その間は、ロロに構ってあげられる時間も限られている。
「そうだな。その方が良いだろう。改革さえ終われば、後は比較的楽になるはずだから、そうなったら今までの分まで遊んであげよう」
「賛成だ」
今から改革が終わる日のことが待ち遠しい。
それさえ終われば、この国はもっと良くなる。
そして、もっとロロとも遊んであげられる。
「その為に、頑張ろうルルーシュ」
「ゼロ」
二人はお互いに見詰め合うと、同時に頷いた。
そんな二人の決意を、物陰からロロは聞いていた。
ご主人達と遊べないのは悲しいが、ご主人の邪魔はしたくないのだ。
そんな二人のお手伝いをしたいが、犬であるロロにできることは限られている。
今はまだ、政庁の中を散歩しているように見せかけたパトロールくらいしかできなかった。
それでも、二人の役に立つならと頑張っているのだ。
本当なら、このまま二人の前に出て行きたかったが、せっかくの休みらしい二人の邪魔をしたくなくて、ロロはソット離れていった。
いつものパトロールだ。
不審人物が居れば即座に応戦できるように気合十分だ。
そして、とうとう不審人物に出くわした。
枢木スザク。
大好きなご主人であるゼロを嫌っていて、なおかつルルーシュに邪な想いを持っているらしいロロにとっては、排除しなくてはならない人間だった。
「ガルルル」
本能が呼び覚まされる。
自分は、戦うための犬なのだ。
それを思い出せ。
軽い威嚇と共に背後に回りこむと、硬そうなお尻に向かって飛び掛った。
ガブ。
「ウッ。痛っ。って、何事!」
背後と言うか、お尻に感じる衝撃と壮絶なまでの痛み。
何が起こったと見てみれば、ルルーシュが大事そうに抱えていた犬が噛み付いている。
「ガヴヴヴ」
噛み付いたままの威嚇は、見事と言って良い。それが自分と関係ないならばだ。
だが!今噛み付いているのはスザクのお尻なのだ。
「この駄犬が」
初日にゼロとルルーシュを政庁に案内した直後に、本国の方に用事があり今までエリア11に戻って来れなかった。
だから、この犬がなぜ徘徊しているか分からないが、だが人に噛み付くような犬など駄犬でしかない。
「ガヴヴヴ」
お尻を振って引き剥がそうとするのだが、深く食い付いている為に離れない。
「この!」
頭に血の上ったスザクは、力任せにロロを弾いた。
「キャン」
小さな体は見事に吹っ飛び、ドンと壁に激突した。
「駄犬が」
噛まれたお尻を摩りながら、憎々しげにロロを踏みつけようとしたとき。
「何をやっているんだ!」
「ロロ!」
タイミング良くというか、スザクにとっては最悪のタイミングでゼロとルルーシュが現れた。
☆終わらなかった。次で終わります。
そして、これが初ガブです。
スザクの受難はココから始まるのだ。
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プロフィール
HN:
伊月 優
性別:
女性
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