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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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幸せの序曲

☆ロロルル(22話ロロ生存IF。本当の兄弟に)
スザクさんの代わりにロロが居るという設定です。




幸せの序曲




 通信が切れると、ルルーシュは力なくグッタリとしてしまった。
 それも仕方がない。
 最愛の妹に敵だと言われたのだ。
「兄さん」
「・・・・・・・・・」
 深く俯いてしまったルルーシュに遠慮がちに声を掛けるものの、ルルーシュからの反応はない。
「兄さん」
 再度呼びかけたところで、ゆっくりとルルーシュが頭を上げた。
「ロロ」
 空ろな目。
 ロロを見ていながらも、その奥を見ている。
 ロロを通してナナリーの事を考えているのだろう。
 ギリッとした痛みがロロの胸に走った。
 分かっていたはずだ。
 この兄にとって一番大切な存在がナナリーだという事くらい。
 それでも、
「兄さん」
 僕には兄さんしか居ないのに。
「・・・・・・・」
 そっとロロに伸ばされる手。
 それは、ナナリーに向かって伸ばされたものかもしれない。
 だが、ロロはナナリーにルルーシュを渡すつもりなどない。
「兄さん」
 力なく伸ばされた手を、ギュッと掴んだ。
「!?」
 力強く握り締められる手。
 その痛みに、意識がハッキリとする。
 目の前には、最愛の妹のナナリーではなく、偽りの弟のロロ。
「兄さん。僕を見て」
 悲痛な叫び。
 ルルーシュに向けられた真摯な瞳。
「ああ、そうか」
 なぜ気が付かなかったのだろう。
 命懸けで黒の騎士団から自分を救ってくれたロロ。
 今までのルルーシュにとって、愛情とは与えるだけのモノだった。
 見返りを求めた事はない。
 ナナリーにすら見返りを求めた事はない、それでも家族の情は存在すると思っていた。
 心のどこかで、ナナリーだけは敵にならないと思っていた。
 その事に高を括っていたのだ。


 だが、ナナリーは敵になった。
 自分をルルーシュを否定したのだ。
 唯一の存在に否定された絶望。
 もう希望は無いと思っていたのに。


「兄さん?」
 心配そうに自分を見詰める弟。
「お前は・・・・」
「え?」
「お前は俺を裏切らないのか?」
 ボロ雑巾のように棄てるつもりだった。
 現に、黒の騎士団から助けられる直前にはロロに八つ当たりをしていた。
「僕が?何で?兄さんを裏切るんだよ」
 僕は兄さんの弟なのに。
 やっと自分の事を見てくれた事に喜びながら微笑めば。
「ロロ」
 ルルーシュの瞳から一粒の涙が零れ落ちた。
「に、兄さん!」
 今まで、この気丈な兄が泣く所など見たことが無かった。
 初めて見せた涙。
「ゴメン」
 自分は何時だって気が付くのが遅い。
 いや、この手の温もりは失っていない。
「どうしたの?どこか痛いの?」
 痛がっている訳ではないのは分かる。
 だが、今まで人間らしい感情を持っていなかったロロには、どうしてルルーシュが涙を見せたのか分からない。
「ありがとう」
 オロオロと心配する弟。
 ああ、まだ自分には守るべきモノがあった。
「兄さん?」
 儚く微笑んでいる兄。
 そんな顔をして欲しくないのに。
 どうすることもできない自分が悔しくて仕方がない。
「ロロ。俺の弟」
 初めは偽りの弟だった。
 なのに、自分に向ける想いは、誰よりも真剣だ。
「え?あ!」
 弟と言ってくれた。
 ただそれだけなのに、凄く嬉しい。
「付いて来てくれるか?」
 このままずっと。
 想いを乗せて言葉にすれば、
「うん」
 嬉しそうに頷く弟の姿。
「俺が必要か?」
 ナナリーには俺の手は必要ないのだろう。
 だが、この弟には必要だ。
 いや、必要だと思いたい。
「当たり前じゃないか。僕には兄さんしか居ないのに」
 ずっと兄さんだけ。
「そっか」
 その言葉が、ルルーシュの心の中に染み渡った。
 

 ルルーシュは一度瞳を閉じると、ゆっくりと目を開けた。
 自分の目に映るのは、嬉しそうな弟の姿。
 もう間違えない。
「ロロ、一緒に世界を手に入れよう」
 優しい世界を造るために。


 儚い様子だったルルーシュが、目を閉じて瞳を開けた。
 その姿はどこか神聖な儀式のようにも見えた。
 そして、開いた瞳は自分を見詰めている。
『ロロ、一緒に世界を手に入れよう』
 力強い言葉。
 自分に向けられた言葉だ。
「うん」
 自分を頼りにしている兄の言葉。
 この兄を守るのは僕の仕事だ。
 これからは、ずっと僕が守るんだ。


 ルルーシュはロロに手を差し伸べ、
 ロロはルルーシュの手を取った。
 兄弟は世界に反逆する。




☆本編を見直す事無く書いているので、矛盾しているかもしれませんがスルーして下さい。
長々とお待たせしました。
 

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