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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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運命の再会

 ランスロットを完成させるために訪れたエリア11。
 珍しく出歩いたときに、それは起こった。


 すれ違ったのは黒髪の少年。
「・・・・・え!」
 ロイドは驚きと共に振り返ったが、その姿を見つけることができなかた。
「ルルーシュ様?」
 マリアンヌ様に良く似た風貌。
 サラサラの黒髪。
 ロイヤルパープルの瞳。
 その特徴が示す人物が他に居るはずない。
「生きていらしたんだ」
 アハハと笑いながら、一粒の涙がロイドの頬を伝った。



 ルルーシュとの一瞬の会合の時から一週間。
 ロイドの中に大きな変化が現れた。
 だが、表面上には現れていなかった為、残念ながらそのことに気が付くものは居ない。
 長年傍に居たセシルですら、最近妙に機嫌が良いとしか認識されていなかった。
「何か良いことがあったんですか?」
 喜怒哀楽の激しいロイドが、一週間も機嫌が良い。
 流石にセシルも気になってきた。
「実はねぇ~。内緒で~す」
 妙にハイテンションのロイドは、それだけ言うとランスロットの方に向き直ってしまった。
「え~。そんな言い方されたら余計に気になるじゃないですか」
 もう、ロイドさんたら。
 プリプリとセシルが怒っていても、今のロイドには気にならなかった。
「ずっと前に、失くしたと思っていたものが見つかったんだ」
 ランスロットを見つめたままロイドが言った。
 今までセシルが見たことが無い優しい目で見ているのは、ランスロットではなくその先だろう。
 そこに何があるのかセシルには分からない。
 ロイドだけの領域。
「良かったですね」
 ロイドが離れていってしまう不安に駆られたセシルには、その一言だけしか言えなかった。
「でも大丈夫だよ」
「ロイドさん?」
「僕はまだココにいる」
「当たり前です。ロイドさんあっての特派なんですよ」
 どこにも行かせない。
 セシルが固く心に誓っていると、
「違うよ」
 そう、違う。
「え?」
 何が?
「僕は特派のモノじゃない」
 僕は殿下のモノ。
「ロイドさん」
「ゴメンね」
 ゴメンね裏切るであろう僕を許して。
 怨むのなら僕一人を怨んで。
「やだ、謝らないで下さいよ」
 嫌だ、それ以上聞きたくない。
「僕は卑怯だから先に謝っておくよ」
「ダメですよ。聞きたくないです」
 聞きたくない。
 聞いちゃダメだ。
 受け入れたら、ロイドを失うことになる。
「ゴメンね。セシル君」
 だって、見つけてしまったのだ。


 至高の存在を。


 あぁ、体中がルルーシュ様の傍に行きたいと叫んでいる。


「酷いですね」
「そうだよ、僕は酷い人間だ。だから、迷わず見捨ててくれて良いから」
「ロイドさん・・・・・」
「我が侭言ってゴメンね」
 でも、僕が居るべき場所はルルーシュ様の隣。


 7年間止まっていた時間が漸く動き出したのだ。 
 もう誰にも止められない。


「ゴメンね」
 もう自分は決めてしまったのだ。


 

後日談
「ルルーシュ様」
 念願叶ってロイドはルルーシュの傍に居る。
「鬱陶しい」
 どんなに邪険に扱われても、ロイドがルルーシュの傍を離れる事は無い。
「ダメです」
 もう離れません。
 七年間の溝を埋めるにはどんなに傍に居ても足りない。
「はぁ、勝手にしろ」
 どんなに言っても離れないのだろう。
 なら、二度と話すものか。
 7年前日本へ来る事で唯一後悔したことは、ロイドの手を離した事だ。
 傍に居て欲しかったが、ロイドの未来を考えて手を離した。
 だが、7年振りに会ったとき、それが間違いだったと気が付いた。
 だから、もう離さない。
「はい。勝手にくっ付いていきます」
 ルルーシュ様の傍に居ることが自分の生きる意味だから。





☆お題の第2弾です。
 初めはバラバラにしようかと思ったのですが、繋げるというか一つの話にします。
 つまり、設定が繋がっています。

 

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