諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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紅月カレン
☆カレンがゼロの騎士になるまでの話です。
カレンにとって、黒の騎士団は兄との唯一の接点だった。
父親に引き取られることになっても、カレンは母親の方が好きだし、兄はもっと好きだった。
そんな兄がテロリストになると決めたときは、何も聞かずに付いて行こうと心に決めたほどだ。
初めは小さなテロ組織だった。
テロ組織というよりは、同士の集まりのようなものだった。
それが、ゼロという正体不明の(常に仮面を被り怪しさ抜群)指導者を得て、名前を変え急成長してきた。
「ゼロが嫌いなわけじゃない」
そう、カリスマ的な指導者たるゼロのことは嫌いではない。
元々ゼロが居なければブリタニアに直ぐに潰されてしまうような弱小組織だったのだ。
だから、カレンが拘っているのは、そんな事ではなかった。
「兄さんに会えない」
カレンにとって、兄であるナオトは絶対だった。
テロ組織を立ち上げた当初は、命の重たさに落ち込んでいるのを慰めるのはカレンの役目だった。
その兄が、黒の組織と名前を変えてからは今までの重圧から抜け出たように嬉々として日本中を飛び回っている。
兄が日本中を飛び回るようになって、カレンを取り巻く環境が大きく変わった。
黒の組織には自分の居場所がないのだ。
今まではナオトが居たから、カレンの存在を認められていた。
人より優れた身体能力を持っていたが、兄の反対で戦場に出たことが無かった。
戦場に出なくても、ナオトの妹として居場所があったのに。
それが、なくなった。
自分の居場所がないと分かっているのに、黒の組織に行くのがバカバカしくて、ここ最近は行ってない。
それでも久しぶりに扇に会いにでも行こうかと、ゲットーにある黒の組織のアジトに向かっているときに其れは起こった。
「一人」
視界の端に映ったブリタニアの軍服に、咄嗟に身を隠した。
そっと物陰に隠れながら様子を伺えば、一人の軍人が徘徊していた。
「ココはアジトに近いのに」
今居る場所からアジトの入り口までは100メートルも無い。
万が一にも気付かれたらヤバイ。
「一人なら何とかなる」
そう自分に言い聞かせると、音を立てずに軍人の背後に忍び寄った。
「ゴメンなさい」
そう言って、呆気ないほど簡単に沈めたとき、
「はい。そこまで」
自分の背後から聞こえてきた声。
「え?」
一瞬、何が起こったのか理解できなかったが、背中に当たる銃の感触が現実に引き戻される。
「おっかないお嬢ちゃんだな」
背中に当たる銃の感触が強くなった。
「・・・・・・・・・」
「こんなヤツでも、訓練された軍人だぜ。それを一瞬で沈めるなんて、本当におっかないな」
小娘にやられた同僚が許せないのだろ、言葉に棘がある。
「・・・・・・・・・」
こんな所で死にたくない。
でも、下手に騒いで黒の騎士に迷惑を掛けるのも嫌だ。
「お嬢ちゃんには、色々と聞きたいことがあるんだが、話してくれるかな」
冷たい言葉は否定を許さない響きがあった。
「誰が!」
言ってたまるか。
兄の迷惑にだけは絶対になりたくない。
「そっか。じゃあ、見せしめに死んでよ」
話さないのならいらない。
そう言いながら背後の軍人が銃を撃とうとした瞬間、
「ぐえっ」
無様な声と共に崩れ落ちた。
「え?」
何が起こったのか理解しようと、カレンが振り向けば、
「こんにちわ」
ニコニコと笑っているのは自分が通うアッシュフォード学園の副会長。
ルルーシュ・ランペルージその人だった。
「ランペルージ副会長?」
なんでココに?
というか、その手にあるスタンガンは何に使われたの?
カレンの理解を超えていた。
ルルーシュがゲットーに居たのは偶然ではなかった。
影ながら黒の騎士団に貢献しているルルーシュは、時間があればゲットーまで来ているのだ。
もっとも、過保護なゼロには内緒だった。
そして、目の前で起こっていることに目が釘付けとなってしまった。
カレンの動きは、その名前が示すように可憐なものだった。
無駄な動きが無く、流れるような動作。
それを見たときに、ルルーシュの中にこの人しかいないという思いが浮かんだ。
だから、軍人などに殺させる訳にはいかなかった。
自分の鞄の中には、護身用のスタンガン。
考える必要は無い。
「ゼロの為に貴方が必要なの」
だからどんな事をしても助けてみせる。
足元に転がる二人の軍人。
一人はカレンが。
もう一人はルルーシュが沈めた人達。
さぁ、手に入れましょう大切な人を守るための駒。
いいえ、大切な仲間。
「カレンさんて強いのね」
学園の男子生徒達に言わせれば、天使の微笑みと言われる柔らかな笑顔。
そんな笑顔で言われても、場所と手に持っているの物が合わないんですが副会長。
「はぁ」
結局カレンが言えたのは、その一言だけだった。
「役に立ちたいとは思わない?」
普段浮かべている顔ではなく、真剣な本物の表情。
「誰の?」
アッシュフォード学園の副会長ルルーシュ・ランペルージ。
目の前の少女の正体。
間違えじゃないはずなのに、全然違う人物に見える。
貴方は誰?
「黒の騎士団」
副会長から出たのは、予想外の言葉。
「え?」
何を知っているの?
事と次第によっては、カレンは無事に帰す訳にはいかないと悟った。
「いいえ、違うわ」
カレンが緊張して次の言葉をまっていたのだが、ルルーシュの方はお構いないだ。
「は?」
「ゼロ」
黒の騎士団なんて名目でしかない。
大切なのはゼロ一人。
「ゼロ?」
ゼロ?って、黒の騎士団のリーダーの?
私達の指導者の?
「そう、ゼロの騎士になって欲しいの」
ダメ?
上目使いに聞いてくる姿は、男でなくてもクルものがある。
なまじ元が整いすぎているだけに、効力は絶対だ。
カレンも例外ではない。
「うっ」
この人ヤバ過ぎ。
無自覚なタラシだ。
「前から思っていたの。ゼロには騎士が必要だって」
そして先ほど確信した。
ゼロの騎士はカレンしかいないと。
「な、なんで、副会長がゼロのこと知っているのよ」
ゼロに対する口調が親しい間柄を示している。
「私にとって大切な人」
そう言う姿は、絶対的な決意に溢れている。
どれだけゼロが大切か物語っていた。
「それって・・・・」
続きを聞きたいような聞きたくないような。
複雑だった。
「だから、さっきのカレンさんの動きを見たとき思ったの。貴方しかいないと」
大切なゼロを守れる存在は。
「私?」
それは、私を必要としてくれるの?
私が必要だというの?
「そう、カレンさんが良い」
「・・・・・・・・」
正直に言えば嬉しい。
私を私として認められた。
「ダメかしら?」
カレンには、どうしても仲間になって欲しいのに。
「私が必要なのは、副会長?それとも、ゼロ?」
ゼロの役に立つのは良い。
兄の傍に近付けれるから。
でも、ルルーシュにも必要とされたいと思ってしまったのだ。
「ルルーシュで良いわ。カレンさんが必要なのは、ゼロであり、私でもあるの。それじゃダメ?」
「良いわ。私のこともカレンと呼び捨てにして」
ゼロとルルーシュの役に立ちたい。
ゼロの正体が分からなくても、ルルーシュがココまで信用する人物なのだ。
私も信じよう。
ルルーシュが信じる限り。
「これから宜しく、カレン」
「こちらこそ」
ココに、黒の騎士団ゼロの騎士が誕生した。
後日、黒の騎士団に届けられたナイトメアは、ルルーシュが発案してラクシャータが作り上げたもの。
カレンを意識して造られた機体に、カレンの想いは強くなった。
☆カレンはゼロの騎士です。
そして、ナオトさんは生きています。ただし、本編には出てきません。忙しい人だから(笑)番外編で出てくるかも知れませんが、今所は未定です。
あと補足ですが、この話のカレンは、ゼロの隣にルルーシュが居るのが嫌なのではなくて、ルルーシュの隣にゼロが居るのが複雑なんです。
ゼロは尊敬。ルルーシュには・・・・
複雑な乙女心なカレンさんです。
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