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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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心の絆

 藤堂鏡志朗及び四聖剣が黒の騎士団に参加する条件として、リーダーのゼロの正体を見せることだった。
 初めこそ渋っていたゼロだが、藤堂のみに正体を見せるということで四聖剣を納得させた。
 もっとも、頃合を見て藤堂には正体を明かす心算だったルルーシュとしては、その時期が早まっただけと自分に言い聞かせた。


「誰にも言うなよ」
 約束を守る為にゼロの私室に藤堂を呼ぶと、そう言いながらゼロの仮面を取り外した。


「君は?」


 仮面の下から現れたのは、日本人以上に艶やかな黒髪。
 有り得ないほどの美貌。
 そして、美しいアメジストアイズ。


 知っている?
 そう、藤堂にはこのコントラストに記憶があった。


「君は、ルルーシュ君?」


 記憶の中の彼は、まだ小さな子供だったが、子供ながらに美しい子だった。


「そうだ。今は、ルルーシュ・ランペルージと名乗っている」


「妹ぎみも無事なのか?」
 記憶の中の子供は、何よりも妹を大切にしていた。


「勿論だ。だから私、いや俺は弱者に優しい国を造りたい」
「そうか」
 子供の頃と変わらない。
 ブリタニアという国に翻弄された子供。


「俺の正体を知った今、もう一度問う。黒の騎士団に協力してくれるか?」


 これは一つの賭け。
 藤堂の気持ちに掛かっている。
 奇跡の藤堂やら、四聖剣の力は欲しいが、強制させたのではダメなのだ。
 だからこそ、自分の必要性をアピールしてから正体を晒したかった。
 彼らの・・藤堂の本気の協力が欲しいから。


「分かった。協力しよう」
 正体不明のリーダーには協力できないが、ブリタニアを憎むルルーシュという少年には協力できる。
「助かる」
 どうやら、賭けに勝ったらしい。
「それよりも、スザク君の事なのだが・・・」
 自分の処刑に携わった弟子。


「スザクは・・・」
 もう戻れないのだろうか?
 あの頃に。


「軍人だということを知らなかったのかい?」
 子供の頃の仲が良かった時代を知っているだけに、交流が無かったのだろうか?
「いえ、最近偶然出会って、今は同じ学園に通っています。軍人なのも知っていましたが、安全な部署に居ると聞かされていて・・・」
 白兜のパイロットなんて思ってもみなかった。
 スザクはナナリーの次に大切な存在だったのに。
「そうか。ルルーシュ君」
 ルルーシュの辛そうな顔が、全てを物語っている。
 こんな顔を見ていたくはない。


 藤堂は無意識にルルーシュの顔に手を伸ばすと、両手で包み込んだ。


「藤堂?」
 藤堂の行動に戸惑っているのか、細い体がビクリと揺れた。


「綺麗だ」
「え?」
「どうやら、嵌ったらしい」
 これも一目惚れと言うのだろうか?
 この子の、こんな顔を見たくない。
 笑ってくれたら、もっと可愛いだろうと思えば想いが暴走しそうだ。
 スザク君のルルーシュ君に対する執着をしっていたが、敵になった存在に遠慮はいらないだろう。
 本気で欲しいのだ。


 ルルーシュという少年が。


「はぁ?」
「ルルーシュ君」
 藤堂は、もう一度優しく呼びかけると、掠めるようなキスをした。
「///////なっ/////////」
「愛してる」
 言葉にしてみれば、何て短い。
 だが、自分の気持ちを表すのに、適している言葉が他に見つからないのだ。


「・・えっと、その・・」
 //////////////
 恥ずかしい。
 でも、嫌じゃない?
 というか、うっ嬉しいかも。


「急がないが、返事が欲しい」
 もっとも、断られても諦めるつもりは無い。
 

「俺も好き・・・です」
 声に出したら、凄くドキドキしてきた。
 だって、相手は藤堂さんだよ。
 こんなにカッコイイ人が俺なんかを好きだと言ってくれる。


「ルルーシュ君。私で良いのかい?」
 まさか、こんなに早く返事がもらえるとは思わなかった。
「藤堂さんそこ、俺で良いの?」
 こんなブリタニアの子供で・・・
「君が良い」
 君しか見えない。
「俺も、藤堂さんが良い」
 だって俺は、


「ルルーシュ君、愛してる」


 藤堂は名前を優しく呼ぶと、ルルーシュをギュッと抱きしめ、先ほどとは違い深い口付けを交わした。


「藤堂さんが、大好きです」


 だて俺は、七年前から藤堂さんのことが好きでした。
 その内に話そう。


 でも、今はこの優しい腕の中で安らぎを感じたい。 

  



☆初めはシリアスな話を考えていました。
 が、出来上がったのは甘甘。
 

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