諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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あなただけを
★ジノルルで騎士皇女設定。
皇帝はルルーシュの事を溺愛しています。ルルーシュも皇帝の事を父親として尊敬している。
ラウンズのジノにとって皇帝の言葉は絶対だった。
その皇帝に言われた内容に驚きを隠せない。
「ルルーシュ殿下の護衛ですか?」
ルルーシュ殿下の名前はジノでも知っている。
というか、軍人なら誰もが知っているだろう。
もっとも、名前よりも呼び名の方が有名な皇女殿下だが。
「そうだ。アレには騎士がおらん。近々騎士を持つことになるだろが、それまではお前が守れ」
「イエス、ユア マジェスティ」
ラウンズの自分には皇帝の言葉に絶対だ。
否定することはできない。
だが、1人になると考えてしまう。
「ルルーシュ殿下か」
名前ならば知っている。
功績も知っている。
だが、もっと有名なのは呼び名だ。
「黒の皇女様」
軍人ならば誰もが知っている名前。
天才的な策略と、完璧な作戦。
慈悲無き皇女で有名だ。
「それでも、作戦は完璧で冷酷非道と敵には恐れられている皇女様か」
味方としては心強い。
そして、それ以上に有名な事は、
「表に出ないか」
決して表に出ることの無い皇女様だ。
モニターで敵の動きを判断して、通信のみの指示。
それでも作戦は完璧だった。
だから、名前を知っているものの姿は知らない。
「会いたいような、会いたくないような」
不思議な気分だった。
それから一週間。
待ちに待ったルルーシュ殿下との邂逅の日
先に来ていたジンは頭を下げてルルーシュの事を待っていた。
程なくして開かれる扉。
近付いてくる足音は女性の物。
今日ここに来れるのはルルーシュ皇女のみ。
ならばルルーシュ皇女のものだろう。
だが、皇族の許可無く頭を上げることはできない。
皇帝の騎士としても例外ではない。
「お前がジノ?」
聞こえてきた声は高くも低くも無く、ジノには心地よかった。
「はい。皇帝陛下が騎士ジノ・ヴァインベルグ、皇帝陛下の命により参りました」
「そうか。表を上げよ」
「イエス、ユア ハイネス」
言葉と共に顔を上げたジノは時間が止まるのを感じた。
そこにいたのは、黒の皇女というよりは女神に近い美貌の女性。
「ジノ?」
ジッと見詰めたまま驚いているジノにルルーシュは訝しげに声を掛けたが、
「・・・・・・・・・・」
それでも返事は無い。
「どうかしたのか」
そこまで言われて、やっとジノも現実に帰ってきた。
「あ!いえ。申し訳ありません」
今まで容姿、立場、階級の全てによって寄って来る女性は後を絶たなかったが、ここまで綺麗な女性はいなかった。
それほどまでにルルーシュの美貌は際立っていた。
「大丈夫なのか?」
声には心配の色が混じっている。
冷酷非道と恐れられている皇女らしからぬ優しさに、噂は所詮噂でしかないということか。
「大丈夫です」
心配なさらいで下さいと言えば、初めて目の前の皇女殿下に笑みが零れた。
それは見るものの庇護を書き立てるような儚いもの。
ジノも例外なく惹き付けられる。
「そうか、暫くは私の護衛と陛下に聞いたが?」
前線に出ない自分に護衛が必要なのかは分からないが、陛下のご意思を無下にするわけにはいかない。
「はい。私も、そのように聞き及んでおります」
「そうか。先に言っておくが、私は戦場に行かない。基本的にアリエスの離宮から離れることは少ない」
「そうなのですか?」
なら、なんのための護衛?
「そうだ。だから、本来ならば護衛も必要ないのだが、陛下が指示したのならば暫くはアリエスの離宮に通って貰うことになるだろう」
期間は聞いていないが、ラウンズの仕事も考えれば長い時間ではないだろう。
「イエス、ユア ハイネス」
「何か質問はあるか?」
「ルルーシュ殿下は、なぜ戦場へ行かれないんですか?」
ごれは、誰もが思っていることだ。
決して戦場へ出ない皇女様。
兵士達にはそれが不満だった。
通信越しでない声を誰もだ思っている。
「兄上と姉上に止められているからだ」
本来ならば指揮官が戦場にいないのはマイナスにしかならないのに、兄姉に止めたれてはルルーシュに拒否権はない。
「なぜとお聞きしてお良いですか?」
これは聞いても良い事なのだろうか?
「構わない。私にも良く分からないのだが、私が姿を見せると作戦所ではなくなるらしい」
『らしい』とご自身で言われるということは正確には分かっていないのだろう。
「それは、そうでしょうね」
これだけ美しい人が居れば、作戦所ではないだろう。
指示を出した皇族の方に感謝だ。
「お前にも理由が分かるのか?」
ムッとした顔は、年相応で可愛らしい。
「まあ、たぶん。誰でも分かると思いますが」
容姿に関しては、才能以前の問題だし。
「私は分からないぞ!」
皆が納得していても、当人たる私が納得していないのであれば仕方ないのに。
ルルーシュが憤慨してジノを見ると、真剣な瞳とぶつかった。
「ルルーシュ殿下」
この人は天然なのだ。
全てが愛おしい。
「何だ」
「殿下の事は命に代えても守ります」
命令ではなくて、一人の男として。
「お前は皇帝陛下の騎士だろう」
ラウンズの1人としての言葉とは思えない。
「分かっています。ですが私は・・・・・」
あなただけを守りたかった。
皇帝陛下よりも先に会いたかった。
そうすれば、貴方の騎士に立候補できたのに。
「気持ちだけ受け取っておく」
「はい」
それ以上は何も言えない。
言う資格がないのだ。
この後、親バカな皇帝の言葉によりジノが皇帝陛下の騎士からルルーシュの騎士となった。
嬉しそうに微笑む黒の皇女の隣には、もとラウンズの騎士が寄り添うまで後僅か。
☆補足としては、日に日に可愛く綺麗になっていくルルーシュに変な虫が付く前に騎士を付けたくて皇帝が言い出した事から始まりました。
二人がお互いのことを認め合っていると聞きつけた皇帝が、変な輩がルルーシュの騎士になるくらいならと、自分が実力を認めているジノをルルーシュの騎士に推薦した。
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