諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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必然の再会
★「偶然の再会」の続きです。
次に会うのがゼロとしてだったら悲しすぎるというコメントがありましたので、ゼロの前にもう一度会ってもらう事にしました。
藤堂と再会してから一週間。
ルルーシュの生活は大きく変わりつつあった。
「ルルちゃん。また溜息!」
ここ一週間のルルーシュの溜息の数は底知れない。
初めの方こそ心配していたミレイだが、ここまで来ると鬱陶しいだけだった。
「はあ」
返事と共に返されるものまでが溜息だ。
「ちょっと。悩み事があるならお姉さんが聞いてあげるわよ?」
「・・・・・・結構です」
その間は何だと言いたいが、本当に心配なのだ。
「ルルちゃんたら、恋の悩みでもあるまいし・・・・って、え?嘘!マジで?」
ミレイの恋という言葉に、真っ赤になってしまったルルーシュ。
その顔が物語っていることは、
「/////何でもないです///////」
真っ赤になりながらの否定は、迫力がないというか見ていて微笑ましいというか可愛らしい。
「恋わずらいか」
むむむ、ここはこのミレイ様が力になるかどうか考え物ね。
ルルーシュ個人の事を考えれば応援してあげたい。
だが、ルルーシュの抱えている背景を考えれば、どうしても慎重にしなければならない。
「//////ち、違います////////」
「ルルちゃん。説得力がないから」
赤くなりながら言われてもねぇ。
「・・・・・・・・・」
ううう。
「さあ、キリキリ吐いてもらいましょうか」
ニッコリと笑いながら詰め寄るミレイにルルーシュは勝てた試しがなかった。
一方そのころ藤堂たちの間では、藤堂の不調が際立っていた。
それに見かねたというか、好奇心に駆られたのは朝比奈だ。
聞きたくてウズウズしていたのだが、等々我慢できなくなったらしい。
「中佐ってば、心のところおかしいですよ」
ここ一週間ばかり、注意散漫だ。
「そうか、すまない」
自粛していても、考えるのはルルーシュのことばかり。
「大丈夫ですか?」
「ああ。心配ない」
自分は追われている身だ。
いつまでもこの地に居るわけではない。
直ぐにでも離れることになるだろう。
そうすれば、偶然でも会える機会がなくなる。
分かっているのだが、辛いな。
「それにしても、まるで恋わずらいですね」
あはははと笑う朝比奈。
だが、
「うっ」
痛いところを突かれた藤堂には笑えない。
「もしかして、恋わずらいなのですか?」
それまで傍観していた千葉の言葉に、頷くことも否定することできない。
「え~。相手は誰ですか?」
「いや、その、お前達の知らない相手だ」
長く一緒に居るだけに、嘘や誤魔化しは通じない。
ならば、本当のことを言うまでだ。
「何時の間に?」
自分達に出会う時間など有っただろうか?
「この前に、別行動したときに会った」
「ああ、あの時ですか」
そういえば、そんなことも有ったな。
「次は何時会えるんですか?」
あの時から一週間は経つはずだ。
「ない」
「え?」
「次など無いさ」
あの時だけの偶然。
次などあるわけが無い。
「中佐」
藤堂の切ない顔に、誰も何も言えなくなってしまった。
だが、機転はその2日後に起こった。
「アッシュフォード学園?」
なぜブリアニア人の学校から手紙が届くんだ?
「さぁ?」
なぜでしょうね?
四聖剣のメンバーも首を傾げている。
アッシュフォード学園からの手紙は藤堂宛。
「開けてみるか」
開けなければ全てがナゾのままだ。
その手紙には、ただ来て欲しいとしか書かれていなかった。
「どうするんですか?」
「中佐?」
そう聞かれても困る。
何かの罠かも知れない。
だが、万が一の可能性。
学園=学生服のルルーシュの姿。
この手紙の裏に、ルルーシュが居て欲しいという願望。
「行ってみる」
可能性に掛けよう。
時間通りに門のところへ着くと、そこには1人の少女。
「始めまして、アッシュフォード学園生徒会会長のミレイ・アッシュフォードです」
「藤堂鏡志朗だ」
「お噂は、我が副会長から聞きましたわ」
「副会長?」
それは?
「ルルーシュ・ランペルージと言えばお分かりかしら?」
ミレイは鮮やかに笑いながらも、目が真剣だった。
ルルーシュから相手の事を聞きだした後の行動は素早い。
だが、この事は本人には内緒だ。
相手はイレブンの、それも戦犯。
慎重に行動しなければルルーシュが危険に晒されてしまう。
「たぶん」
名前には聞き覚えがある。
苗字が違うのは逃げているからだろう。
彼はブリタニアを憎んでいたから。
「ルルーシュは我が家の秘宝。どんな事からも守らなくてはいけない。だから、本来なら貴方と会わせたくなかった」
「そうだろうな」
「でも、哀しそうなルルちゃんは見たくない」
「・・・・・・・・・」
「だから、会ってください」
自分の目で確かめた上で、藤堂鏡志朗という男は信用するに当たる。
「承知」
通されたのは学園の隣にある場所。
「ここでルルーシュ達は暮らしているの」
通された場所は、とても綺麗に掃除されていた。
センスの良い家具。
どれもがルルーシュ達の事を思っての物あろう。
「直ぐに来るわ」
それだけ言うと、ミレイは部屋から去っていった。
1人で残された藤堂は、これからの事を考える。
自分にはやらなければならない事がある。
ルルーシュを巻き込む訳にはいかない。
しばらく考えていると、部屋に響くノックの音。
それと共に入ってきたのは、恋焦がれている少年。
「藤堂さん?」
会長命令でクラブハウスに戻ってこれば、そこには藤堂の姿。
脳裏にニヤリと笑う会長の姿が浮かんだ。
「私にはやらねばならない事がある」
唐突に喋りだす藤堂。
「・・・・・・・・」
「年も離れている」
「・・・・・・・・」
「迷惑だと分かっているが、自分の気持ちに嘘がつけない」
どうしてもルルーシュの事を諦めれないのだ。
「藤堂さん?」
何が言いたいのだろう?
「君が好きだ」
「え?」
「君を愛してしまった」
「・・・・・・///////////」
え?
ええ?
カーと顔が赤くなってしまった自覚がある。
一言で言えば『嬉しい』だ。
「君からの返事は今は聞かない」
「え?いや、その、聞いて欲しいんですが」
聞かないと言われても困ってしまう。
というか、聞いて欲しいし。
「ルルーシュ君?」
それは、期待して良いのだろうか?
「僕も・・・その・・・藤堂さんのことが・・・好きです」
///////////////
自分で言うのは恥ずかしい。
「そうか」
藤堂も照れているのだろう、顔が赤くなっている。
「あ!えって、これ、会長から上手くいったら開けなさいと」
渡された箱。
言われたときは何の事だか分からなかったが、今なら分かる。
会長には全てお見通しだったらしい。
「中身は?」
「さあ?」
会長のことだからとんでもない物かと身構えて開けてみれば、中には新品の携帯。
書かれている紙には、彼氏に渡してあげて2人の連絡用に使ってね。
「使って良いのだろうか?」
本来ならば携帯を持つことは許されていない。
だが、既に戦犯として追われるこの身には関係ないかもしれないが。
「使ってください。というか持って欲しいです」
これで気兼ねなくいつでも声が聞ける。
離れていても、この携帯が2人を繋いでくれるのだ。
「ならば遠慮なく使わせてもらおう」
携帯を握り締める藤堂の姿に、何度見てもカッコ良いと思ってしまう。
「藤堂さん」
「ルルーシュ君」
時代は変わる。
だが、2人の気持ちは変わらないだろう。
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