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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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世界に一つだけの花

☆ロイルル リクエストから外れたためにボツった話。1期ネタです。
勿体無いので、アップしました。






 黒い騎士団の団員達の共通の敵。
 それはブリタニアではなく、最近新たに団員?の1人に加わった男。
 その名もロイド・アスプルンド。
 元はブリタニアに属していたにも関わらず、白兜と共に現れてゼロの騎士に納まった存在。
「あ~る~じ~様~」
 間の抜けた声に、団員達のピリピリ度が増した。
 カレンなどは、もの凄い形相になっている。
「ちょっと。もう我慢できない」
 あ!カレンが爆発した。
 元々時間の問題だと思っていたので、カレンの爆発自体は団員達の許容範囲内だ。
「何が~?」
 カレンが何を言いたいのか分かっているのだろう、ロイドの目が笑っている。
「アンタ、どうしてゼロの名前を呼ばないのよ」
 いつもゼロの傍に当たり前のように居て。
 カレンの言葉は、やっかみも篭っている。
「そうだ!名前ぐらい呼べよ!」
 玉城にしてもロイドは気に入らない。
 周りでは他の団員達もウンウンと頷いている。
「理由でもあるのか?」
 敢えて名前を言わないロイドに、団員を代表して聞くのは藤堂。
 周りの視線が痛いほど藤堂とロイドに集中している。
 だが、
「え~、だって。ねぇ?」
 やっぱりロイドの答えは要領を得ない。
「頭にきた!」
 やっぱりコイツは嫌いだ!
 堪忍袋の緒が切れたとばかりにカレンが掴みかかろうとするが、ロイドは難なくそれをかわしてしまう。
「危ないなぁ~」
 飄々とした動きに誤魔化されるが、ロイドには隙が無い。
「避けないでよ!」
「だって、避けないと危ないでしょ」
 怖い怖いと肩を竦めている姿すらカレンの気に障る。
「もー許さない!」
「やっちまえ、カレン」
 普段は無視する玉城の言葉も、この時のカレンにはありがたかった。
 こんな男がゼロの騎士だなんて認めない。
 今度は蹴りを入れようとするが、またしてもかわされてしまう。
「まあまあ。カレンもそのくらいで、ロイドもカレンを煽らないでくれ」
 仲裁に入るのは黒の騎士団一の苦労人でもある扇。
 いつもなら扇が出てこればカレンだとて怒りが収まるのだが、今日はそれでもダメだった。
「扇さんは黙ってて」
「だが」
「黙ってて!」
 ギロリとカレンに睨まれてしまい、扇も強く言えない。
「ああ。悪かった」
 スゴスゴと引き下がる扇は情けないが、カレンの迫力ある睨みの前には仕方が無いだろう。
 周りで見ていた団員達は哀れそうな目で扇の事を見ている。
「初めから気にいらなかったのよね。ゼロの名前は言わないわ、態度はデカイわ。ゼロが自分から騎士にしたことも許せない!」
 『『『『『最後のが一番の理由なんだろうな』』』』』
 周りに居たメンバーの一致した意見だった。
「名前を言わないのには~理由があるんだけどね~」
「ハッ。どんな理由よ。どうせ下らない理由なんでしょ!」
 カレンがヒートアップしている分、周りは冷静になれてしまった。
 冷静になれた分、ロイドの様子がいつもと違うことに気が付いてしまった。
 『『『『『おや?』』』』』
「僕が仕えるのは、あの方自身だ。だからゼロの名前では言わない」
「だから何よ!」
「君達が見ているのは、ゼロという偶像だ。でも僕が仕えたいのは偶像ではなくて、あの方自身」
 ゼロではない、ルルーシュ様に仕えたい。
「私はゼロが誰であろうと付いて行くわ」
「どうだか」
「仮面の下なんて関係ない。ゼロがゼロで有りさえすれば・・」
 構わない。
 そう続けて言おうとしたが、ロイドの鋭い声が遮った。
「途中で別人になっても構わないと」
「え?」
「そうだろ。仮面の下が分からない以上、途中で入れ替わっても分からない。その思想が同じで、同じように頭の切れる人間が身代わりになれば君達はゼロの中身が誰であっても構わない」
「それは・・・・・・」
 こう言われてしまえば何も言えない。
 否定したいのに、誰も否定できなかった。
「君達の忠誠なんて、所詮その程度しかないんだよ」
「違う。違う!」
 そんなことない。
 頭で否定しても、いざとなれば分からない。
 正体が分からないのだから。
 それに、別人になるなんて考えられない。
「僕はね、ゼロという偶像でなく、主自身に付いて来たんだ。だから、主が黒の騎士団から離れるならそれに付いていく」
「ゼロが黒の騎士団を裏切るって事かよ!」
 玉城の怒鳴り声に、
「違うよ。黒の騎士団が主を裏切るんだよ」
「まさか」
「そうだと良いね。じゃーね、主様が待っているから」
 バイバイと軽快に手を振りながら去って行くロイド。
 後に残されたメンバーは複雑な表情をしていた。


「ルルーシュ様」
 ゼロの部屋に入るなり、ロイドは喜びながらルルーシュに抱きついた。
「こら、その名前をココで言うな」
 口ではそう言うものの、ルルーシュの表情は明るい。
 自分に抱きついている男は、妹の次に弱いのだ。
「2人っきりに時にしか言いません」
 ロイドは一見軽そうに見えるが、一度言ったことは絶対に守る。
 それに関してはルルーシュも安心していた。
「そうだな」
「でも、本当は何時だってルルーシュ様の名前を連呼して叫びたいんですよ」
「叫ぶな」
 連呼されるだけでも恥ずかしいのに、おまけに叫ぶというのは余計に恥ずかしい。
「え~。ダメですか?」
「ダメだ」
 許可すれば叫ぶだろう男に、頭がクラクラしてきた。
「でも、僕が呼びたい名前はルルーシュ様なんです。ゼロじゃない」
「それは」
「分かっています。本来の名前や素性を出せないためのゼロだと。それでも、それは貴方自身の名前ではない」
「ロイド」
「僕にとって貴方は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアでもルルーシュ・ランペルージで構わない。どちらもルルーシュ様に間違えないのだから。でもゼロは違う」
「・・・・・・・・・」
「ゼロは黒の騎士団の偶像だ。ルルーシュ様自身ではない。最悪、別の人間がゼロの仮面を被っても黒の騎士団は成り立ちます」
 分かっているのでしょう。
 ロイドの目が語っている。
「ああ」
 そんなこと分かっていた。
 顔や姿を隠している以上、100%の信頼は有り得ない。
「僕は違います」
「ロイド?」
「僕が仕えるのはルルーシュ様です。ゼロも黒の騎士団も僕の居場所では有り得ない」
「そうか」
「そうです。だから、僕の手を離すことだけはしないで下さいね」
「・・・・・・分かった」
 だが、ロイドを危険な目に合わせたくない。
「いざとなったら、どんな手段を使ってもルルーシュ様の傍に行きます」
 ルルーシュ様の為ならば、どんな事だとてやって見せる。
「そうだな。お前は、そういう男だ」
「7年もの間、俺達兄妹の死を認めず。見つけた途端に軍を辞めて来てくれた」
「当たり前じゃないですか」
「土産が白兜というのには驚いたがな」
 白兜を持って現れたロイド。
 驚く反面、凄く嬉しかった。
「だってあれはルルーシュ様のために作った機体ですからね。でもいい加減にランスロットって呼んで下さいよ~」
 だってランスロットはルルーシュ様の為だけに作った機体だ。
 ルルーシュ様に呼ばれなければ意味が無い。
「そうだな、ランスロットは自慢の機体だ」
「嬉しいな。ルルーシュ様に言ってもらって」
 本当に嬉しそうなロイドの姿に、ルルーシュも嬉しくなってしまう。
「これからも頼むぞ、我が騎士ロイド」
「はい。ルルーシュ様」


 

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