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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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私の皇帝陛下

☆アンケート一位記念 アニャルル第一弾。
 21話後の捏造です。






 アーニャは、なぜそこで目を覚ましたのか分からなかった。
 途中から途切れた記憶。
 ただ分かっていることは、今まで忘れていたことを思い出したというだけ。
「ルルーシュ様」
 自分が誰に憧れて、
 誰に近付きたくて、
 力を手に入れたかという事。
「でも」
 いない。
 ルルーシュ様が居ない。
 半壊した学園に、ルルーシュ様の姿が無い。
 今考えれば、色々と矛盾したことが多かった。
 なぜルルーシュ様はランペルージの姓を名乗っていたかとか。
 なぜナナリー様でなくて、ロロという名の弟が居たかとか。
「矛盾だらけ」
 多分、答えを知っているのは同じラウンズのスザクだけ。
 そのスザクも皇帝を殺しに行ったまま帰ってこないらしい。
「ルルーシュ様」
 こんなに焦がれているのに、
 こんなにお会いしたいのに、
 どこにも居ない。
 月日だけが過ぎ去っていく。
 守りたいのは唯一人。
 唯一の主が居ない。
「ルルーシュ様」
 アーニャの寂しそうな声だけが響く。


 記憶を取り戻してから一ヶ月。
 この間も、失っていた記憶を少しづつ思い出していた。
 記憶喪失ではなくて、記憶の改竄。
 皇帝によって記憶をすり変えられていた。
 皇帝の騎士ということにすら腹が立つ。
「ルルーシュ様の記憶を奪った男」
 アーニャにとって皇帝は敵でしかなかった。
 だから、シュナイゼルの元に居るのかもしれない。
 憎い皇帝を討とうとしている男の元に。
 そんな折に、皇帝が表に出るという情報が流れてきた。
 それは一ヶ月ぶりのこと。
 誰もが固唾を呑んで見守っているさなか、アーニャは画面を睨み付ける事しかできなかった。
 そこに現れるのが、自分からルルーシュ様の記憶を奪った男であることを確信して。
 だが現れたのは、 
「うそ」
 忘れるはずの無い姿。
 心から望んだ主。
「あぁぁ。ルルーシュ様」
 嬉しさのあまり名前を叫んでしまった。
 自分のキャラではない。
 それでも、叫ばずにはいられなかった。
「私は皇帝の騎士。ルルーシュ様は皇帝」
 周りが認めなくても構わない。
 私がルルーシュ様を認めるのだから。
 ルルーシュ様の隣にスザクが居たのが気になるけど、そんなのは無視すればいい。
「私が守る」
 ルルーシュ様を。
 私の皇帝陛下を。


 アーニャの行動は素早かった。
 ルルーシュの演説が終わると共に、モルドレッドで駆けつけた。
「皇帝陛下」
 ラウンズという地位が、ルルーシュの元まで障害なく辿り着かせてくれた。
「アーニャか」
 目を細めて見詰める姿に、歓喜が全身を迸る。
 ルルーシュ様を庇う様に立っているスザクの姿が気に入らないが、今はルルーシュ様のほうが大事だった。
「私の主」
「ほう、私の事を主というか」
「勿論です。我が皇帝陛下」
「くくく、面白い。お前以外のラウンズはシュナイゼルに着くらしいぞ」
 それでもお前は私に付くか?
 瞳が物語っている。
「私は、幼い時からルルーシュ様にお使えしたかった」
 それだけが望みだったのに。
 捻じ曲げられた記憶。
 それが私の道を踏み外すことになった。
 それでも、皇帝の騎士として今はココにいる。
 ルルーシュ皇帝の前に。
「アーニャ?」
「私ことアーニャ・アールストレイムは陛下の剣となり盾となり御身をお守りします」
「信じよう」
「良いのかい、ルルーシュ」
 スザクの馴れ馴れしい呼び方にもアーニャは気に入らなかった。
「スザク、邪魔」
 せっかくルルーシュ様といるのに、スザクの存在が邪魔。
「スザク、悪いがアーニャと2人きりにして欲しい」
「でも、ルルーシュ」
「大丈夫だ」
「邪魔」
 ルルーシュの言葉に仕方なさそうにして部屋を出ようとしていたが、アーニャの言葉に思わず睨み付けで部屋から出て行った。
「言いすぎだアーニャ」
「嘘は言ってない」
「そうか」
「全部思いだした」
 改竄されていたことは、全て思い出した。
 ただ、それでも抜け落ちている記憶があるが、それは些細なことだ。
 ルルーシュ様の記憶がある。
 それ以上に大切なことなど無いのだから。
「皇帝のギアスか」
「ルルーシュ様の事を忘れていた」
 行儀見習いとしてアリエスに上がったものの、当時は引っ込み思案で憧れのルルーシュ殿下の前に出ることができなかった。
 それでも柱の影から見詰めている日々。
 ルルーシュ殿下の騎士になりたくて、密かに体も鍛え始めた。
 そんな涙ぐましい努力を知ってくれたマリアンヌ皇妃に貰ったルルーシュ殿下の写真。
 一生の宝物。
「私は・・俺は、ブリタニアを潰すために皇帝になった」
「ルルーシュ様?」
「俺に付いて来ても、最後のラウンズにしかならないぞ」
 アーニャはまだ幼い。
 ラウンズ以外の道も進める。
「関係ない。私はルルーシュ様に仕えたい」
「アーニャ」
「ルルーシュ様を守りたい」
 ルルーシュ様が私の全てなのだから。
「良いのか?」
 こんな俺で。
「ルルーシュ様が良い。他はいらない」
 必要ない。
「そうか」
 ルルーシュは大きく息を吐くと、アーニャの事を優しく見詰めた。
「お守りします」
 この命に掛けて。
「ありがとう、アーニャ。我が騎士よ」
 ルルーシュが嬉しそうに笑った。
 それは親しい者にのみ見せる笑み。
「イエス、ユア マジェスティ」






☆アーニャの立ち位置が良く分からないので、完璧なる捏造です。
当サイトで一番人気(アンケート結果より)らしいアニャルル。
でも、最近真面目に終わるのが無理なようなので、下に「おまけ」があります。


 


「スザクはいらない」
「ちょっと、アーニャ」
 少しでも気を抜けばアーニャに殺されそうになるスザク。
 どうしてもルルーシュの一番になりたいアーニャは、事あるごとにスザクを殺そうとしていた。
「死んで」
「味方だから」
 必死で逃げるものの、体力以外の基礎データはほぼ互角。
「逃げるな」
「逃げないと死ぬから」
 必死だ。
 そんな2人を暖かく見詰めるルルーシュ。
「ルルーシュも見てないで止めて!」
 チョッとどころでなく不味い。
 このままでは、本当に殺される。
「良い訓練だ」
「命がけの訓練なんていらないから」
「私がルルーシュ様の一番になるの」
 だから死んで。
 滲ませる殺気は本物。
「2人とも頑張れよ」
「ルルーシュ!」
「死ね」 
 アーニャが襲い掛かってスザクが逃げる。
 それが皇帝の間の風物詩。
「俺の一番はアーニャなんだがな」
 ルルーシュの呟きは2人に届かない。
 スザクは運命共同体だ。順番の対象にはいない。
 だからこそ、ルルーシュの一番はアーニャになる。
 いつかアーニャに言おう。
「驚くだろうな」
 ふふふと笑いながらルルーシュは、アーニャとスザクを見詰めていた。 


 
 
 

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