諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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101回目のプロポーズ
☆スザクが報われている数少ない話になると思います。
「ルルーシュ。好きだ!」
それは日常と化したスザクの叫び。
「そうか」
だが、ルルーシュの方は素っ気無かった。
「ルルーシュ、聞いてるの?」
「聞こえた」
「だったら・・・・・」
「何度言われても、答えは同じだ」
キッパリとしたルルーシュの言葉。
それでもスザクは、
「ルルーシュの事が好きなんだ」
「断る」
間髪入れずにルルーシュからは否定の言葉。
「はーい。81回目のお断り」
嬉しそうなミレイの言葉に、スザクはがっくりと頭が下がる。
「会長。毎回、毎回回数を言うのは止めても下さい」
会長の叫び声までが毎回の事だが、いい加減にして欲しい。
「え~。だったらスザク君に言ってよ」
「え?僕ですか?」
何で僕?
「そうよ。だって目の前で告白場面に遭遇すれば言いたくなるじゃない」
それも毎回断られているのにも関わらず、毎日のように告白しているのだ。
これは、数えるしかない!
「そんなの会長くらいです!」
「だって、楽しいじゃないの」
嬉しそうに言うミレイに、ルルーシュは呆れるばかりだった。
「楽しいって」
ガーンとショックを受けているスザクを尻目に、
「本当の事だもの」
「まあ、お前が毎回告白してこなければ言いだけなのだが」
2人のキッパリとした言い方に、
「会長もルルーシュも酷い」
そう叫ぶと、半泣きになりながらスザクは去って行った。
「あらら、泣かせちゃった」
「会長が酷いことを言うからですよ」
「え~私だけ。断るルルちゃんの方が悪いんじゃないの」
ニヤニヤとミレイは人の悪そうな笑みを浮かべている。
「断るのは当たり前だと思うのですが」
「どうして?」
「どうしてって」
それは?
男からの告白だから?
いや違う。
あんな場面を見てしまったからだ。
「だって、ルルちゃんてスザク君のこと好きでしょ?」
「え?」
どうして知ってるんだ!
カーとルルーシュの頬が赤く染まる。
「あらま。本当の顔に出やすい」
「//////からかわないで下さい////////」
「真っ赤になって言われてもねぇ」
可愛いだけなのに。
「ス、スザクには言わないで下さいよ」
こんなこと知られたくない。
「何でよ」
「何でって」
「何で好きな相手からの告白を断るの?」
それがミレイには分からなかった。
初めは照れ隠しかと思っていたのだが、ここまで続けば照れ隠しを超えている。
「それは・・・・」
「ここまで来て隠し事は無しだからね」
このミレイ様に嘘は通じないぞ。
「分かりました。本当の事を話しますよ」
仕方ないか、相手は会長なのだし。
ここで嘘を付いても仕方ないだろう。
それに、いちいち風潮する人でもないし。
「よし!」
「前に聞いてしまったんです」
言いながらルルーシュの表情が硬い。
あまり言いたくないような内容なのだろう。
「何を」
「クラスメイトとスザクが話しているのを」
「その内容って?」
それが断る理由なのだろうか?
「スザクが自分から告白して振られたことはないって」
「あら。でも、そうかも」
ルルーシュに告白しだす前のスザクは遊び人だった。
毎日のように違う女性と噂されていた。
もっとも、ルルーシュに告白しだしてからはピタリと聞かなくなったが。
それがいかにスザクが本気かを表していて、ミレイとしても応援したくなっていたのだが。
「女好きのスザクが俺に本気なわけないって思って」
「う~ん。でも、本気だと思うのだけど」
毎回スザクの告白シーンを見ているミレイは、軽く言いながらもスザクの瞳は真剣そのものだったと思える。
自分の執着を軽い言葉で誤魔化して言ってる。
それがミレイから見たスザクという人間だった。
「本気なのは俺も分かっています」
疑ったのは初めの数回だけだった。
毎日のような告白。
熱く注がれる視線。
誰よりも強い眼差し。
本気だと理解するのには十分だった。
「だったら何で断るの?」
「だって悔しいから」
「はぁ?」
悔しいから断るって、ルルちゃん何かが違うから。
教育を間違えたかしら?
立場は見守る親のようだ。
「これで頷きでもしたら俺の真剣な気持ちが伝わらないような気がして」
それが嫌だった。
「だったらルルちゃんから告白でもしたら?」
その方が話が早いでしょうに。
「それは嫌だ」
プライドが許さない。
「あっそ。じゃあ、どうするの?」
全くこの女王様は。
自分の事は棚上げで、ミレイは大きな溜息を付いた。
「それは・・・・」
「それは?」
「もしアイツが・・・・・」
そしてルルーシュが語った内容は驚くべきもの。
「ていうか、普通ありえないから」
いくらスザク君がKYでも、それはありえないだろう。
「分かってます」
「分かってルルちゃん」
「それでも、それくらいして貰えないと頷けない」
「はいはい。勝手にして」
こうなればミレイは傍観者と化すしかない。
後はスザクの意気込み次第。
その会話から数日が過ぎた。
毎日のようなスザクの告白大会は続いている。
最低一回。多い日などは数回にも渡る告白。
「ルルーシュが好きだ」
「断る」
「はい。見事100回目です」
カランコロンと軽快な音が背後から聞こえてきそうなミレイの言葉に、ガックリとスザクは落ち込んでしまう。
自分の気持ちが伝わらずに、とうとう100回目の告白らしい。
自分では数えていないが、毎回数えてくれるミレイの言葉なのだから正しいのだろう。
「いい加減にスザク君も諦めたら?」
このまま普通に告白していてもルルーシュが頷かないと知っている。
「諦めません。僕は本気でルルーシュが好きだから」
「あらそう。じゃあ頑張ってみれば」
今のままでは無駄だけど。
コッソリ心の中で付け加えて言ったのが通じたのかいないのか。
スザクはジッとルルーシュの事を見ている。
これは続けざまに告白だろうかと思っていると、
「ルルーシュ」
「何だ」
今日は2回か。
告白してくることを微塵も疑っていない。
「結婚してくれ!・・・・あ」
思わず本音が出てしまった。
自分のバカ。
プロポーズはお付き合いしてから3ヶ月目だと決めていたのに。
「あら?」
ミレイの目が輝いている。
なぜならルルーシュが嬉しそうに微笑んでいるのだ。
「良いぞ」
「え?」
「結婚してやっても良い」
「嘘!」
「なんだ、嘘の方が良かったのか?」
ルルーシュがニヤリと笑ったが、スザクは全開で頭を振った。
「ダメ。嘘は認めない!聞いたから。ちゃんと聞いたから。絶対に幸せにするから」
「ああ、期待している」
「うん」
嬉しそうな2人。
ミレイはそっと2人の傍から離れた。
『もしアイツが告白ではなくプロポーズでもしてきたら受けるさ。それくらい本気を見せてもらわないと』
数日前にした会話が蘇ってくる。
「お幸せに」
101回目の幸せにミレイはそっとエールを送った。
☆タイトルから思いついた話です。
急に浮かんだタイトル「101回目のプロポーズ」で書きたくなった話。
少ないけどスザク目当てに来てくれる方も居るらしいので、今回はスザクに頑張ってもらいました。
ちなみに101という数字には意味があったりします(笑)
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