諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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騎士と皇女
☆「あなただけを」の補足的話です。先に「あなただけを」をお読みください。
最近何かと話題の2人といえば、皇帝陛下が一番可愛がっていると噂のルルーシュ皇女様と皇帝陛下の騎士ジノ・ヴァインベルグだった。
なぜこの2人かといえば、ルルーシュ皇女がアリエスの離宮に勤める者か兄妹にしか向けないような優しい笑みをジノにも向けていることから話題になった。
傍から見れば微笑ましい2人なのだが、一部の関係者達の頭を悩ませていた。
「どう思う」
深刻な顔で聞いてくるのは、この国の皇帝陛下だ。
「どうと言われましてもねぇ」
「こればかりはルルーシュの気持ち次第かと」
律儀に答えるのは、自分の右腕とも言われているシュナイゼルとブリタニアの戦女神とも言われているコーネリアだ。
3人が居るのは謁見の間だが、皇帝の言葉により人払いがされているために他には誰も居ない。
広い空間に3人だけというのは寂しいが、3人とも真剣なので構っていられなかった。
「うむ」
皇帝にとってルルーシュは目の中に入れても痛くないほど可愛い娘だ。
他の娘達が可愛くないとは言わないが、ルルーシュは別格なのだ。
「ただ言える事がありますよ」
「なんだ?」
シュナイゼルは何処か確信している様子で、
「最近のルルーシュは楽しそうです」
そう言い切った。
「そうか」
「言われてみれば兄上の言う通りかもしれなせんね」
コーネリアから見ても人前で表情を出さないルルーシュが楽しそうにしている。
これは重要な事かもしれない。
「キーワードは、ジノ・ヴァインベルグでしょうね」
「ジノか。我が騎士だが」
「こうなったら、ルルーシュにあげてはどうですか?」
「だが、アレは」
若くて優秀で、将来が楽しみな人材だ。
だが、ルルーシュと比べるとなると、
「私も兄上に賛成です。いい加減な者がルルーシュの騎士となるくらいならジノ・ヴァインベルグの方がマシかと」
皇帝の騎士に対してマシ程度の認識しかないコーネリアだ。
「うむ」
「彼でしたら家柄も良かったと記憶しています。上手く行けばヴァインベルグ家もルルーシュの後見人になってくれるかもしれませんよ」
能力の割りに後見人が少ないのがネックなのだ。
「そうかも知れないが」
だが、娘を取られるかも知れない父親心は複雑だ。
「それに、へたな騎士をあの子に付けて悪い虫になったらどうするんですか」
「なにぃぃ!」
グワァっと見開いた目にシュナイゼルとコーネリアは一歩下がってしまった。
「あの子は魅力的ですからね、悪い虫が付きやすいと思いますよ」
「そうですね、私や兄上やクロヴィスが箱入りに育てたせいか純粋だし。騙されやすいかもしれませんよ」
「そ、それは!」
困る。
ダメだ。
皇帝の頭の中に嫌な想像が走り去る。
「「どうするんですか父上」」
あえて皇帝ではなく父と呼ぶ兄妹。
「ジノをルルーシュの騎士とする」
変な虫が付くくらいならジノほ方がマシというか、絶対的に安心できる。
その瞬間、シュナイゼルとコーネリアがニヤリと笑ったのを皇帝は知らない。
その一週間後。
謁見の間には皇帝陛下、シュナイゼル、コーネリア、そしてルルーシュとジノの5人の姿がある。
「我が騎士ジノ・ヴァインベルグよ」
「はい」
「そなたをルルーシュの騎士として任命する」
「ですが私は」
ハッキリ言えば嬉しい。
だが、皇帝の騎士という立場があるのに。
「勿論、ラウンズの仕事と兼任しても良い」
「それは、」
兼任しても良いということは、ルルーシュ様だけの騎士になっても良いよいう事だろうか?
だったらこれほど嬉しい事はない。
「これは命令ではなく、父親からのお願いだ。だからこそ、そなたには拒否権もある」
どうする?
その皇帝の言葉に、ジノは体が震えるほど歓喜した。
これでルルーシュ様の騎士になれる。
ルルーシュ様だけの騎士だ。
「喜んでルルーシュ様の騎士となります」
力強いジノの言葉に、隣で聞いていたルルーシュは花が綻ぶような笑みを浮かべた。
「ジノ」
嬉しい。
「それで、ラウンズの方だが」
皇帝としては続けて欲しかったのだが、
「勿論、辞めさせて頂きます。これからはルルーシュ様だけをお守りします」
「そ、そうか。お前は自慢の騎士だった。これからはルルーシュの為に尽くせ」
ガックリと肩を落としながらも、皇帝の威厳を保つために胸を張って言う。
「イエス、ユア マジェスティ」
これでジノはルルーシュだけの騎士。
「ジノ」
「ルルーシュ様」
見詰め合う2人は、どこまでも初々しい。
「私を守ってください」
「命に代えましても、お守りいたします」
それは騎士と皇女の誓約。
それを暖かく見守るシュナイゼルとコーネリア。
その背後で皇帝が娘を取られた父親の気分を味わっていた。
☆シュナイゼルとコーネリアはルルーシュの事を可愛がっているので、ルルーシュの幸せの為ならば何でもしてしまいます。
皇帝を脅すくらいなら簡単にやりそうな兄バカと姉バカです。
この設定で、もう1作品くらい書きたいかも。
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