忍者ブログ

諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

[291]  [290]  [289]  [288]  [287]  [286]  [197]  [285]  [284]  [283]  [282

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ウエディングドレスは誰が着る

注意・ルルーシュは皇族として暮らしています。
    兄弟・姉妹に愛(溺愛)されています。それを踏まえてGO!



「ねえ、ルルーシュ。お願いがあるんだけど」
 うふふふと、何時もの妖艶な笑みを浮かべながら近寄ってきたギネヴィアに、ルルーシュは嫌な予感を覚えた。
「嫌です」
 だからこそ、即座に否定の言葉が出たところで何もおかしくなかった。
「あら?まだ何も言っていないわよ」
 うふふふ。
 どこまでも真意を図れない笑み。
「姉上のお願い事は、何時だって迷惑な事ばかりだったと記憶しています」
 悪意がある訳ではない。だからこそ、傍迷惑なのだ。
「そうだったかしら?覚えがないわ。でも、今回は特別なのよ」
 だからね。
 そこには否定を許さない迫力な笑みがあった。
「・・・・・・断りたいんですが」
 できれば、全力で回避したい。
「だめよ。私が決めたんですもの。ルルーシュに否定権がある訳ないじゃない」
 うふふふと、笑顔で言い切る姉は、どこまでも皇族そのものの傲慢さを振りかざしている。
 だが、この姉の事は嫌いではないのだ。
「はあー。それで、今回は何ですか?」
 大きな溜息を付きながらも、既に諦めている。
 この姉に勝てた試しはないのだから。
「お嫁さんに来て頂戴」
 だが、この言葉は予想外だった。
「・・・・・・誰がですか?」
 誰が嫁?
 とうとう嫁ぐ気にでもなったのだろうか?行き遅れているからな。
 ルルーシュが密かに酷い事を考えていると。
「私じゃないわよ」
 少々ギネヴィアの目が釣りあがっている。
 気にしていたらしい。
「だったら、誰・・・」
 誰のと言おうとした時、ギネヴィアの目が妖しく光った。
 この姉の、この目はヤバイ。
 冷や汗がタラリと溢れる中、ルルーシュは密かに脱出経路を頭の中で確認していく。
 早く逃げねば。
 そう思ったが、時既に遅し。
「勿論、貴方よ」
 他に誰がいると言うのよ。
 そう妖艶に微笑む姉に、今日は厄日かもしれないと本気で思った。
「嫁ぐとしたら、まず初めにギネヴィア姉上でしょう。その後にコーネリア姉上。そして、数年後にユーフェミアです。ナナリーに関して言えば、俺の目にかなう相手が見つかるまでは嫁がせませんし。他の妹達は、好きな時に勝手に嫁いでくれて構いませんし。それよりも、肝心な事を言わせてもらえば、男の俺が誰に嫁ぐというのですか!」
 というか、最後の一言が一番重要だろう。
「あら、嫁ぎ先は決まっているわよ」
「誰ですか!」
 そんな物好きというか、酔狂な人物は。
 ココで上がった名前は、即ブラックリスト行きが確定だ。
「私の所よ」
 うふふふと、何時も以上に嬉しそうなギネヴィアなのだが。
「・・・・・・え?」
 は?
 幻聴か?幻聴なのか!
「私の所に嫁いで来なさい」
 どうやら幻聴ではないらしい。
「えっと、姉上が俺の元に嫁ぐのではなくて?俺が?」
 反対じゃないのか?
 いや、そもそも姉弟で結婚というのも間違っているぞ!
「そうよ。貴方が私の元に嫁ぐのよ」
 傲慢とも言える言い方がだ、ギネヴィアはシレッとしている。
「どうして?」
 というか、なぜ?
「だって、お父様が早く結婚しろと煩いのよ」
 それは仕方がないだろう。世間一般的に見ても婚期が遅れているのは明らかだ。
「それで、何で俺なんですか?」
 他にも適任者はいるだろう。
 形だけで済ませたければ、ギネヴィアに張り付いている取り巻きの中から見繕えば良いだけの話なのだ。
 弟である自分が、何で嫁なんだ?
「私だって女よ。結婚はしたいわ」
「そうですか、だったら適当な人物を言い包めてください」
 自分に害がなければ相手は誰だって構わない。
「でもね。ココからが重要なのよ」
 うふふふふ。
「弟を嫁に欲しいと望む位には重要なんですか?」
「そうよ。だって、私に純白のウエディングドレスが似合うと思う?」
 ほら、重要でしょう。
 うふふふふと笑いながら、ギネヴィアが目を細めている。
「・・・・・・・・・・・」
 この姉の純白の花嫁衣裳。
 ダメだ。想像が付かない。
 ナナリーやユーフェミアは、純白のウエディングドレスを着たら可憐な花嫁になるだろう。コーネリア姉上に関しては、純白のドレスではなくタキシードを着そうだが、それはそれで似合いそうだからアリだろう。
 だが!
 言われてみれば、確かにこの姉に白は無理だ。
「だから、私の変わりにルルーシュがウエディングドレスを着てちょうだい。そして、結婚式をするのよ」
 素敵でしょう。
 ウットリとしている表情は、式の様子でも思い浮かべているのだろう。
「・・・・・・嫌です」
 何とか口から出たのは、シンプルな言葉。
 混乱しすぎて、それ以外の言葉が出てこなかったのだ。
「どうして?絶対に似合うと思うの。白のウエディングドレスを着たルルーシュと、黒のドレスを纏った私。最高だと思わない」
「思いません」
 確かにこの姉は、白よりも黒色の方が似合うだろう。
 だからと言って、弟である自分に白のウエディングドレスを着せようとすること事態が間違っている。
「でも、お父様は賛成してくださったわ。マリアンヌに似た貴方のウエディングドレス姿が見てみたいんですって」
 だから、これは決定事項なのよ。
「あのクソジジイ」
 言葉遣いが悪くなってしまったが、これくらいは許されるだろう。
「でもね、ルルーシュ。私は貴方だから話を進めているの。他の男は嫌だし、女なんて以ての外だわ。貴方が良いの。いいえ違うわ、貴方しかいないの。愛しているわ、私のルルーシュ」
「姉上」
 ルルーシュだとて、この姉の事は嫌いではない。
 それどころか、初恋の相手でもあるし、未だに淡い恋心すら抱いているのだ。
「どうしても嫌?」
 ルルーシュがどうしてもと言うのならば諦めるけど?
 下を向いてしまった姉に、ルルーシュの方が慌ててしまった。
 この姉にしては、珍しく弱気な発言だ。
「分かりました」
 他ならぬ、姉上が相手ですからね。
 苦笑しながらルルーシュが言えば、下を向いたままのギネヴィアの口の端が僅かに上がった。
 ルルーシュから見えない位置で親指を立てていた事に、最後まで気付く事はなかった。
 
 
 結婚式の当日、悔しがる妹達や弟達に勝ち誇った目を向けるギネヴィアの姿があった。




☆インテで姉上のご要望があったので、書いてみました。
お隣さんに(笑)捧げます。
 
PR

彼?彼女?【前編】 HOME 60万HIT記念

カウンター

プロフィール

HN:
伊月 優
性別:
女性

活力になります

管理用

アクセス解析


ジオターゲティング

検索避け

忍者ブログ [PR]
Template by repe