諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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パンドラの箱 6
☆本編でアーニャの正体が少しだけ分かりましたが、この話のアーニャはルルーシュの妹で、ナナリーの双子の姉です。本編はスルーでお願いします。
パンドラの箱 6
「おかえり、私のアーニャ」
ゼロの部屋まで案内すると、ルルーシュが仮面を置いて待っていた。
「ルル兄様」
それまでの無表情が嘘のように、アーニャは嬉しそうにルルーシュに飛びつく。
「元気だったかい」
「はい。ルル兄様もお変わりなく美人で嬉しいです」
「いや、アーニャ。美人というのは男に使う言葉じゃないから。それより、アーニャの方が可愛いよ」
「ルルーシュなら美人で充分じゃない」
それ以外の言葉が当て嵌まらないのだから。
「ルル兄様は私に言われるのは嫌?」
「いや、アーニャなら、だが、クソ」
美人と呼ばれたくはないが、アーニャの言葉を否定したくない。
ルルーシュは内心葛藤していたが、
「ルル兄様は私の事嫌い?」
「そんな分けない!アーニャは誰よりも愛しい」
大切な妹なんだ。
ナナリーと同じだけ愛しい妹。
「なら私の言葉を否定しない?」
「勿論だ。アーニャの言葉は全部正しいに決まってる」
「・・・・・・・」
さすがシスコン。
言い切ったよ。
カレンが呆れていると、
「ルル兄様は美人。だから私が悪い虫から守る」
ギュッと抱きつかれながら愛しい妹に言われて、ルルーシュの方も満更ではなかった。
それでも、言わなくてはいけないことがある。
「アーニャは戦わなくても良いよ。アーニャの事は俺が守るから」
今まで守ってやることが出来なかったのだ。これからは今までの分も俺がアーニャを守る。
「大丈夫。それにルル兄様よりも私の方が強い」
「・・・・・・・・・」
そうかもしれないが、兄としては複雑だ。
「あははははは。そうよね、ルルーシュが前線で戦うよりアーニャが戦ったほうが早いわ」
今までは手強い敵だったが、いざ味方になれば心強い。
「カレン。煩いぞ」
そこまで笑わなくても。
「ルル兄様。ダメ?」
「うっ」
下からお願いモードで見詰めてくるアーニャは可愛い。
妹という欲目無しでも可愛い。
その可愛いアーニャからのお願いだ、ルルーシュとしては聞いてあげたいのだが、
「ルル兄様を守りたいの」
ダメ押し。
「分かった」
戦場に出て欲しくはなかったが、可愛い妹のおねだりに負けてしまった。
それに、自分が出るよりもアーニャが出たほうが戦力になるのは間違いない。
あの母の血を完全に受け継いだ妹なのだから。
「ルル兄様のことは私が守る」
これからはずっと、この綺麗で美人な兄を守る。
「期待しているよ、私のアーニャ」
「はい。ルル兄様の貞操は私が守ります」
「・・・・・・・・・」
誰だ、アーニャの教育をしたヤツは。
「よ。よかったじゃないルルーシュ。これで安泰よ」
これでルルーシュの貞操の危機は免れるけど、この兄妹は見ていて楽しいわ。
カレンの楽しみが一つ増えたのだった。
おまけ
「スザク死んで」
ランスロットを追いかけるモルドレッドの迫力は凄まじかった。
守るものができてからアーニャの戦い方が変わった。
ルルーシュのアドバイスもあり、モルドレッドの動きは格段に良くなったのだ。
「ちょ、ちょとアーニャ」
元同僚だが今は敵。スザクの方も躊躇はないのだが、戦力差がありありと伝わってくる。
ラウンズに居た頃、ここまでモルドレッドの動きは良くなかった。
どちらかといえば、大雑把な動きの方が多かったはずだ。
それが、
「死ね」
今では細かい精密な動きも加わり、スザクといえども避けるのが精一杯だった。
「わー。アーニャ」
情けないが、全く歯が立たない。
「ルル兄様の仇」
アーニャの殺気は本物だ。
「まだ死んでないから。落ち着いて」
スザクは冷や汗をダラダラと流しながら今日も戦場を逃げ回るのだった。
完結
☆これで終わりです。そのうち番外編的な話を書くかも知れませんが、この話はここで終わりです。
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