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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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偶然の出会い

☆ テレビシリーズよりも前に会っていたらという捏造です。





 その出会いは偶然だった。


 藤堂達はブリタニア軍に見つからないように移動いていたのだが、その日は偶然に見つかってしまい四聖剣と逸れてしまったのだ。
 一人で動くことを余儀なくされた藤堂だが、特に不安は無かった。
 それは自分に自信がある為だけではなく、他のメンバーのことを信頼しているからだった。


 警戒を怠らないように気配を殺しながらの移動だったが、スムーズにゲットーにまで辿り着けた。
「さて、どうするか」
 万が一の場合の為に待ち合わせの場所と時間は決めてあるが、少し時間が早い。
 さてどうするかと辺りを見回せば、人影が見えたので咄嗟に身を隠し警戒する。
「日本人・・いや、ブリタニア人か」
 初めに目に留まったのが黒髪だったので日本人かとも思ったが、よく見れば肌の色が白すぎる。
「それに、学生?」
 着ている服装が学生服の少年だった。
 

 ゲットーにブリタニアの学生?


 それがいかに違和感があるか藤堂にだって分かる。
 ココは日本人居住区シンジュクゲットーなのだ。
 違和感を隠せない藤堂が、ジッと少年を観察していると。
 不意に少年と視線が合った。
「なっ!」
 藤堂は隠れているので、少年の方からは姿は見えないはずだ。
 だが、それよりも藤堂が驚いたのは少年の顔に見覚えが合ったからだ。


「ルルーシュ君」


 記憶に間違いがないのなら、いや間違えるはずもないか。
 それほど印象深い少年だったのだから。
 7年振りに見たが、その鮮やかな瞳の色は健在だった。
 このまま素通りさせた方が良いと頭では思うものの、無意識のうちに体が少年の前に出てしまった。


「誰だ」


 急に現れた藤堂に、ルルーシュは警戒心を剥き出しに鋭く睨み付ける。 
 だが、その次の瞬間には相手が誰だか分かり、驚きで声が出ない。


「生きていたんだな」


 藤堂の優しい言葉に驚きが隠せない。
「藤堂?」
 自分の記憶が間違えないのなら、目の前の男は藤堂鏡志朗だ。
 『奇跡の藤堂』とも呼ばれている男。
 そして、自分の正体を知っている男でもある。
 名前を言ってしまったことが悔やまれる。
 言わなければ他人で押し通したのに。


「良かった」
 生きていて・・


 藤堂の呟きに、ルルーシュは固まってしまった。
「え?」
 『良かった?』
 そんなはず無い。
 自分が生きていて良い筈が無い。
「君たちが、どんなに辛い目に遭っていたか知っているからこそ、死んだと聞いたときは自分の無力さに吐き気がした」
 本当に、生きていて良かった。
 当時の情勢からすれば、複雑な立場にあった兄弟。
 自分達の敵の子供達。
 憎しみすら覚える立場にいる子供達だったが、実際の姿を見て、妹を必死に守る姿に庇護欲さえ沸いてきた。
「気休めは止めてください」
 そんな言葉は聴きたくない。
「気休めじゃない!本当に・・・」
「藤堂さん」
 必死な藤堂の言葉に、ルルーシュも嘘が無いことがわかった。
「なんだ?」
「ありがとうございます」
 確かにあの頃、藤堂だけは他の大人達と違って、真っ直ぐ自分達に手を差し伸べてくれた。


 唯一、心を許せた大人。


「お礼を言われることをした覚えは無いが、それよりも、もっと顔をよく見せてくれないか」
 そう言いながら藤堂はルルーシュの顔に優しく手をかけると、そっと上に持ち上げた。
「藤堂さん・・・」
 困るというよりは、この体勢で見詰め合うのは恥ずかしいのだが。
「綺麗になった」
 改めて良く見れば、ルルーシュは美人という言葉がピッタリ当てはまるような美人だ。
「嬉しくないです」
 自分は男なのに、どうして皆は『美人』とか『綺麗』とか『可愛い』(これはココ数年であまり言われなくなったが)とかで人の事を評価するんだ?
「そうか?だが、他に言葉が思いつかないんだが」
 本当にルルーシュ君は綺麗だ。
 今までこれ程綺麗な子は見たことが無い。
 子供の時から綺麗な子供だと思っていたが、ココまで美人になるとは思っても見なかった。
 スザク君が執着していた理由が分かった気がする。
「それよりも、なんでゲットーになんか居るんだ?」
 ブリタニア人であるルルーシュがゲットーに居るのは不味い。
 いつ何があるか分からない。
「ブリタニアの現状を焼き付けておく為です」
 そして、ブリタニアへの憎しみを確認するため。
 いつかブリタニアをぶっ潰す。
 その為の憎しみを忘れないため。
「危険だ」
 ココにはブリタニア人を憎む日本人も多く居る。
「分かっています」
 それでも・・・・
「君に何かあれば妹君も悲しむ」
「!?」
「もう二度とココには来てはいけない」
 そう諭しながらも藤堂の心は寂しさで締め付けられるようだった。
 ルルーシュと離れたくないと思ってしまったのだ。
 人種も違えば、年齢だって離れている。
 それに、自分は戦犯だ。
 傍にあればそれだけルルーシュの危険が増す。
「藤堂さん」
 一方ルルーシュの方も藤堂と離れたくなかった。
 日本に送られてから辛い事が多かったが、藤堂とだけは良い思い出しかない。
 その時から想いを寄せていた。
「ルルーシュ君」
 そうか、自分はルルーシュ君の事が好きなんだ。
 すんなりと認められた気持ち。
 だが、気が付いたからといってどうすることもできない。


 お互いに同じ想いを抱いていると二人とも気が付いていない。


「藤堂さん。もしもう一度会えたら言いたいことがあります」
 不安定な今の状況では言えない。
 でも、もしまた会えたら言いたい。
 貴方が好きだと。
 迷惑かも知れないけど、知って貰いたいから。
 生涯に一度くらい自分の心に正直になろう。


「ああ、そうだな。次に会えたら俺も言いたいことだある」
 日本という国を取り戻して会いに行こう。
 俺も日本男児だ。玉砕覚悟で想いを告げるのも悪くない。


 お互いに同じように想い合いながらも、このときは別れた。 
『『次に会ったときには・・・・』』
 2人の気持ちは同じ。


 次の会合まであと少し。




☆メモ帳に放置されていたのを発掘。
藤ルルの更新は久しぶりのような気がする。

 

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