諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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プリンの友『再会編』
☆プリンの友『出会い編』の続きです。
ルルーシュが変な軍人に出会ってから一週間。
この一週間は平和に過ごせていた。
あの軍人の事をスザクに聞いたところ、困った顔をして『ランスロットとプリンをこよなく愛している人』という訳の分からない答えが返ってきた。
まあ、スザク曰く一般人には無害らしいので忘れるほうが良いのかも知れないが。
そんな事を考えながら租界を歩いていると、
「ルル君発見~!」
聞き覚えがあり、なおかつ聞きたくない声が聞こえてきた。
「ほあ?」
声のする方を振り返ろうとしたら、後ろから抱きしめられてしまった。
「わ~い。本物のルル君だv」
嬉しいなと言いつつ、抱きしめながら喜んでいる男に眩暈がする。
「ロイドさん。いい加減に離して下さい」
スザクから生粋の科学者と聞いていたが、腕の力強さが裏切っているように感じる。
「あ~!ルル君、僕の名前を覚えていてくれたんだ~。嬉しいな~v」
嬉しい嬉しいと言いながら、抱きしめる腕の強さが増した。
「ロイドさん!」
これ以上はヤバイ。
骨が痛いのだ。
「ご~め~ん~ね~」
ルルーシュの切羽詰まった声に、ようやくロイドは腕の力を抜いた。
抜きはしたが、抱きしめることは止めていない。
「いい加減に離して貰えませんか?」
男が男に抱き付かれている構図は、傍から見れば滑稽にしか映らないだろう。
そうルルーシュは考えていたが、実際は見目麗しい美少年と見た目だけは良い青年との抱擁シーンに、周りの女性達が頬を赤らめながらチラチラと見ていた。
「え~、折角のルル君なのに~」
勿体無いよ~。
「ロイドさん」
尚もルルーシュが強く言えば、
「はいはい~」
やっとロイドが腕を離してくれた。
「それじゃ・・」
「まった~!」
このままではヤバイと感じたルルーシュが逃げようとしたのだが、ロイドに止められてしまった。
「何か?」
「今~暇~?」
「忙しいです」
いやな予感がする。
「そっか、暇か~。ちょうど良いね。新しくできたお店にプリンを食べに行こう!」
「だから忙しいんですが」
プリンという言葉には惹かれるが、この人には関わりたくない。
危険信号がルルーシュの中で響くのだ。
「気にしない。気にしない。ここから近いらしいんだよね」
「だからロイドさん!」
流石にスザクの上司だけあって、人の話を聞かない人だ。
「そこの天使のプリンが絶品でさ~。一度食べに行きたかったんだよね~」
「天使のプリン!」
名前だけは聞いたことがある。
ルルーシュも以前から気になっていたプリンだ。
「そうそう。今から行こうと思っていたんだ。ルル君も行こ~」
「はい」
ルルーシュはプリンの誘惑に負けた。
新しくできた店というだけあって、店内は真新しい感じがした。
ただ店内は女性客が多くて、男2人で入ってきた自分達は浮いていた。
ウエイトレスも興味津々で近づいて来たが『天使のプリン2つ』のロイドの言葉に、早々に引き下がって行った。
「楽しみだね~」
「そうですね」
話題が話題を読んでいる天使のプリン。
この男と一緒というのは気に入らないが、1人で食べに来る勇気が無いので今食べなくては次の機会は未定だ。
「来た来た。来たよ~」
一番人気の品だけあり、注文してから出てくるまでの時間が短い。
「美味しそうですね」
ルルーシュも出てきた天使のプリンに釘付けだ。
「「いただきます」」
2人が声を合わせて合掌したあと、それぞれが一口目を口にした。
「美味しいよ~」
「美味しい」
前評判通りの味。
口に入れた途端に、解けるように広がっていく。
まさに絶品のプリンだ。
相手は気に入らないが、このプリンを食べれただけで良しとするか。
ルルーシュが自分中で結論付けていると、
「またプリンを食べに行こうね~」
ロイドの方は次回もあるようだった。
「それは・・・・」
断りたいが、一緒にプリンを食べてくれる相手は貴重かもしれない。
ルルーシュの中に迷いが生じてしまった。
「また連絡するからアドレス教えて~」
お願い~。と、クネクネする男は、自分と最も相容れない存在。
なのに、
「分かりました」
なぜ教えてしまったのだろう。
嬉しそうに自分の教えたアドレスをメモしているロイドに、ルルーシュの中で何かが変わろうとしている。
プリンを食べ終わり店を出ると、
「今度、連絡するね~」
ブンブンと大きく手を振りながらロイドは去って行った。
「今度か・・・」
ルルーシュの小さな呟きは、誰の耳にも届かなかった。
「今度会ったら、答えは出るだろうか?」
分かれる瞬間、もう一度会いたいと思ってしまった答えが。
☆某素敵サイト様でルルーシュの事を「ルル君」と呼んでいるロイドを見てから頭の中でルルーシュ=ルル君が離れませんでした(笑)
騎士ロイドでは出来ませんが、プリンの友のロイドなら言える!という訳で続きが生まれました(笑)
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