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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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囚われの姫君【前編】

☆星刻×ルルーシュ(19話派生で星刻に拾われて中華勢の一員になる)




囚われの姫君【前編】





 シュナイゼルが黒の騎士団に来た。
 その報告は、遠方に居る星刻の元にも届いた。
「シュナイゼルが?」
 嫌な名前を聞いた。
 ブリタニアの宰相であるシュナイゼル。
 天子様の結婚の首謀者でも有る人物だ。
 油断ならない敵。
「まあ、ゼロが居る限り大丈夫だと思うが」
 あのゼロが居るならば大丈夫だろう。
 ただ、先の戦いでの様子が気になる。
 万が一という場合も有るし。
「シュナイゼルの登場に、ゼロは何と言っている?」
 いくらおかしかったとはいえ、あのゼロだ。
 簡単には弱みを見せないと思うが・・・・
「それが、部屋から出ないそうで、ゼロ以外の幹部の方達で話を進めるそうです」
 報告してくれた兵士は、申し訳なさそうに言うのだが。
「バカな!」
 ゼロが居ないところで話を進めてみろ、相手の思う壺ではないか!
「極秘回線Aを起動させろ」
 それは、万が一の場合を考えて斑鳩の内部に取り付けられた監視モニターの一つだ。
 主要各所の映像と音声を拾える優れものだ。
 この事はゼロも了承済みだが、他の幹部達には知らされていない。
 自分に万が一の事が有った時のみ使えと、ゼロにも言われている。
 たぶん、それが今回のような時なのだろう。
「はい」
 キビキビと動く若い兵士は好感がもてる、後で取り立ててやろう。
 そう星刻が思っていると、映像が切り替わった。
 そこに映し出された映像に、星刻の表情が険しくなる。
「シュナイゼル」
 中央に映し出されているのは、憎い敵の姿。
 その場に居たならば、剣の錆にしてくれよう。
「あ、あの。星刻様」
 ギリギリと歯軋りをせんばかりにモニターを睨みつけている星刻の姿に、兵士が戸惑っているようだ。 
「悪かったな」
「いえ。ですが、私はココに居ても良いのでしょうか?」
 モニターに映っているのは幹部達。
 一般兵である自分が見ても良いものだろうか?
「そうだな。悪いが部屋の外に出てもらえるか?」
「はい」
 それだけ言うと、兵士は部屋から出て行った。
「使えるかもしれないな」
 動きも良いし、機転も利く。
 良い兵士になりそうだ。
 そう考えていた星刻だが、モニターの中の動きに意識を集中した。
 そこで繰り広げられる会話。
 シュナイゼルの言葉使いは巧みだった。
 相手に不信感を募らせて疑心暗鬼にさせる。
 相手がシュナイゼルでなかったら信じたかもしれない。
 だが相手は、あのシュナイゼルなのだ。
「どうして!」
 ダン!と机を叩く。
 相手には聞こえないと分かっていても、怒鳴りたくなってしまう。
「なぜだ。なぜシュナイゼルの言葉を信じる!」
 信じられる!
 敵の言葉を素直に信じていく仲間達の姿に唖然としてしまう。
「お前達が信じなくて、どうするのだ!」
 ゼロが日本人ではないことなど、黒の騎士団の誰もが知っていたはずだ。
 それを、
「シュナイゼルなんかの言葉に翻弄されるとは」
 確かにギアスという未知の力を提示されれば戸惑うかもしれない。
 だが、それがヤツの手だと思わないのか。
 現にゼロに反感を持ってしまっている。
 ギアスの力が絶対だというのであれば、なぜ反感を覚えるのか考えてもみろ。
 何もされていない証拠だと、どうして思えない。
「ゼロは、そんなに軽い存在なのか?」
 お前達にとっては。
 ならば、
「貰い受けよう」
 手放すというならば、売るというならば、俺が貰おう。
 あれほどの英知の塊を切り捨てる黒の騎士団など、もう無用なのかも知れない。
 自分とゼロさえ居れば、中華連邦は安泰だ。
 黒の騎士団に拘る必要も無い。
 恩義があるのは、ゼロであって黒の騎士団ではないのだから。
 決断すれば、後は実行するのみ。
「おい」
 部屋の外には、予想通りに若い兵士が立っていた。
「は、はい」
「神虎を出す。急いで準備をしろ」
「はい。どちらに向かわれるのですか?」
 その言葉に、星刻はニヤリと笑った。
「囚われの姫君を救いに行く」
 ゼロという姫君をな。
 胸の内だけで、そっと呟いた。
「了解しました」
 慌てて走っていく兵士を見守りながら、星刻の脳裏にはこれからの行動が目まぐるしく予想されていく。
「失敗は許されないな」
 チャンスは一度きりだろう。
「それでも、絶対にゼロは殺させない」
 何としても助け出す。
「それにしても、囚われの姫君か」
 自分で言いながらも笑ってしまう。
 素顔すら知らない反逆の皇子様。
 それがゼロの正体。
 だが、そんなことはゼロの成した偉業に比べれば些細な事だ。
 なのに、目先のことばかり考えてしまい気が付かない振りをする仲間達。
「いや、もう仲間でもないな」
 ゼロを切り捨てた者など仲間ではない。
 沸々と沸いてくる怒り。
「俺を怒らせたことを、後悔させてやろう」
 星刻の顔に、不敵な笑みが浮かんだ。



続く



☆ゴメンなさい。続きます。
後編で終わるか、中編が出来るか未定です。
というか、星ルルなのにルルーシュが出てきてない(泣)
次は絶対にルルーシュを出します。
 

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