愛しさと せつなさと 心強さと

☆ジェレルル（世界を統一し、易しい世界を作った後。）
だったはずですが、易しいではなくて普通に優しい世界にのような気がします。ゴメンなさい。
本編終了後の設定です。
 

愛しさと せつなさと 心強さと

　全ての終焉を迎えることができた。
「よくやってくれた」
　表立った戦闘はスザクに任せたが、一番ルルーシュの傍に居てくれたのはジェレミアだ。
「はっ。皇帝陛下の為でしたら、このジェレミアどのようなことでも・・・・」
　長々と続きそうになる会話をルルーシュは止めると、
「もう良い。それに、今は皇帝ではない」
　そうなのだ。
　世界の統一後やった初めての事は、皇帝の座から降りることだった。
　多くの犠牲の上で成り立つ世界。
　そんな世界に、血塗られた自分は要らない。
　それは最初から考えていたことだった。
「ですが、」
　ルルーシュが作った世界なのに、自分が存在しては成らないという主。
「ジェレミア。できればお前も新しい世界の秩序のために働いて欲しいのだが」
　どこか諦めたようなルルーシュの言葉に、ジェレミアは自分の無力さに怒りが沸いてきた。
「私は何処までもルルーシュ様の傍におります！」
　二度と離れるつもりは無い。
「皇族の制度は廃止にしてある、お前が私に仕える理由は無いはずだが」
「関係ありません。私はルルーシュ様に使えたいのです。いいえ、ルルーシュ様の傍に居たい！」
　そうだ、ただ守るのではなくて傍に居たい。
　それだけだ。
「ジェレミア」
　良いのだろうか、望んでしまっても。
　本当は傍に居て欲しい。
　だけど、誰よりも　幸せになってもらいたい。
　ジェレミアの幸せに自分は邪魔にしかならない。
　なのに、望んでしまうのだ。
　傍に居てほしいと。
「ルルーシュ様。私は迷惑ですか？」
　哀しそうに沈む表情。
　そんな顔をさせたくなかった。
「そんなはずない！」
　迷惑どころか、本当は・・・・・
　傍に居て欲しいのだ。
　世界中の全てと縁を断っても構わない。
　そんな気持ちで世界を統一した。
　なのに、ジェレミアだけは望んでしまう。
　傍に居てほしいと。
　たった一つ、自分からは断ち切れない縁。
　それが、ジェレミアなのだ。
「でしたら、私を傍に置いてください」
　ルルーシュ様の傍が、私の居所なのだ。
「本当は、ジェレミアに傍に居て欲しかった」
「ルルーシュ様」
　ルルーシュの言葉に、ジェレミアは歓喜の笑みを浮かべた。
「でも、俺の傍に居ては幸せになれない」
「そんな事ありません！」
「だから、諦めようとしたんだ」
　それしか選択肢は無いと思っていた。
　だけど、新しい選択肢をジェレミア自身が示してくれた。
「ルルーシュ様！」
「だけど、本当は諦めたくなかった」
「それは！」
「一緒に居てくれるか？」
　不安そうに見上げる姿は、庇護欲を煽られる。
　この人は、自分が守らなくてはならない人だと。
「イエス、ユア　マジェスティ」
　私の皇帝陛下。
　たった一人の、私の皇帝陛下だ。
「もう、退いた。それに、皇族の制度も廃止にした。だから、別の言葉で聞きたい」
「はい。ルルーシュ様」
「２人で暮らすなら、小さい家が良い」
　大きいと、色々と面倒だ。
「そうですね。力仕事は私がします」
「そ、それは。確かに俺は体力が無いが」
　確かに力仕事は無理かもしれないが、ここで頷くにはプライドが邪魔をする。
「その代わり、家の中のことはルルーシュ様が仕切ってください。私は家事は苦手でして」
「そうだな。うん、家事に関してなら俺の方が向いている」
　胸を張って言うルルーシュの姿が微笑ましい。
「そうですね。私は、ルルーシュ様が居なくては生きていけません」
「・・・・・・・・」
「おこがましいと分かっていますが、２人で幸せになりたい」
「それは！俺だってそうだ。ジェレミアと・・・・・・」
　幸せな生活がしたい。
「私と一緒に暮らしてくれますか？」
「ああ、一緒に居る。もう、放してやらないぞ」
　一度手にしたものを手放すつもりは無い。
「はい。一生、ルルーシュ様のお傍に居ます」
　離れない。
　離れられないのだ。
「ジェレミアが居てくれるのならば」
　優しい世界になる気がする。
「ルルーシュ様」
「ジェレミア」
　２人の世界は、どこまでも優しい色を奏でていった。　





☆本編が終わる前に、この話だけは書きたかったの満足です。
タイトルは、書いていて普通に歌詞が浮かんできたので使いました。