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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 1 

愛しき姫君 1「ゼロ」



 月に一度の茶会。
 それは、ここ数年のアリエスの離宮での恒例行事となっていた。
 参加するメンバーは同じなのだが、集う人間は皇位継承権の高い人間ばかりで、低位の者たちからすれば羨ましい限りだった。


「今回は、全員が参加ですわ」
 嬉しそうにユーフェミアが言えば、隣でコーネリアも頷いている。


 このお茶会の主催はナナリーなのだが、実際に呼んでいるのはユーフェミアなのだ。
 その為、メンバーが豪華になってしまった。


「そうだね、あとクロヴィスが来れば、直ぐにでも始めよう」
 本来なら、宰相という地位にあるシュナイゼルは誰よりも忙しい。その為か、このお茶会も3回に1回位の割合で参加できれば良い方だった。
「そうですわね。今回はシュナイゼルお兄様も参加できるのに、クロヴィスお兄様が遅れるなんて許せませんわ」
「そう言ってやるなユフィ。エリア11は色々と問題を抱えているからな」
 プンプンと怒っているユーフェミアを、コーネリアが優しく諭した。
「ゼロか」
 二人の事を見守っていたシュナイゼルがポツリと漏らした言葉に、傍で聞いていたスザクとナナリーがピクリと反応した。


 エリア11のテロリスト集団。
 黒の騎士団のリーダーゼロ。 
 彼の掲げる理想は、あまりのも似ているのだ。


 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという少女が掲げていた理想に。


 その事を知っているナナリーとスザクは、常々同じ結論に行き着いてします。
 ゼロとルルーシュが関係しているのではないかと。


 だからといってゼロ=ルルーシュとまでは結び付けられない。
 だが、ゼロの戦略は完璧なのだ。圧倒的に完璧な作戦。
 完璧主義者で、頭の良い彼女なら考えられるだろう。
 その事が、余計に二人を不安にする。


 二人が不安に駆られていると、最後の一人でもあるクロヴィスが遣って来た。
 その顔は、テロリストに悩まされているエリアの総督らしからぬ輝きに満ちていた。


「「「クロヴィス?」」お兄様?」
 あまりにも爽やかな様子に、流石に気になったのか、シュナイゼル、コーネリア、ユーフェミアの声がハモった。
「やぁ、遅れてしまって申し訳なかったね」
 悩める総督のはずだが?
 兄姉達が同じ事を考えていたのだが、当事者のクロヴィスだけが全く気が付いていない。
「エリアの方が忙しかったのかい」
 やはりというか、年の功というか、最初に復活したのはシュナイゼルだった。
「エリアの方ですか?確かに忙しいかも知れませんね。凶悪なテロリストが徘徊しているのですから。そうです、凶悪なテロリストがいるんです」
 キッパリと言い切る姿は、総督らしいか?
「なのに私は・・・・」
 『『この弟』』でもやはりエリアの事を心配するんだと、少しだけ見直したにも関わらず、


「私は彼女を連れて来れなかったんです」
 テロが活発に活動しているのに、彼女は一緒にブリタニアに来てくれなかったんです。
 

 大げさに嘆いているクロヴィスの姿に、
「「はぁ?」」
 彼女?
 シュナイゼルとコーネリアが固まってしまった。
「まぁ、クロヴィスお兄様に彼女ができたんですか?」
 ユーフェミアだけがニコニコと聞いて着てくれたことに気を良くしたクロヴィスは、聞いてもいない想い人との馴れ初めを話し始めた。


「素敵ですわ」
 運命の出会いなどに憧れているユーフェミアは、兄の話に夢中で聞き入ってる。

 だが、
 冷静に聞いていたシュナイゼルやコーネリア。そして、普段は鈍いと言われているスザク。そして、幼いナナリ
ーですら気が付いてしまった。


「片思いいだね」


 そして、一言で切り捨てたのは宰相閣下。
「違います。ただ彼女に別に想う相手が居るだけです」
 それを世間一般に片思いというのだが、クロヴィスには通じないようだった。
「クロヴィス。君の事を誤解していたようだ」
「兄上?」
「今までは、そこそこ出来る弟だと思っていたのだが考え直さないといけないようだ」
「な、なんでですか!」
「コーネリア」
 慌てるクロヴィスを尻目に、シュナイゼルはコーネリアと向き合った。
「はい」
「優秀な君が忙しいのは分かっているが、近い内にエリア11に総督として赴任してもらうことになりそうだ」
「な!!ダメです。そんなことなったら、彼女に逢えなくなってしまう」
 ここまで言われえも大切なのは彼女だと言い切るクロヴィスに、兄や姉の視線は冷たい。
「伊達や酔狂で総督という地位に居るわけではないのだよ」
 良く考えてみなさいとシュナイゼルは言うものの、
「ですが彼女に逢えば、シュナイゼル兄上やコーネリア姉上だって気に入ります。それに、ナナリーが絶対に喜びます」
「え?私ですか?」
 なぜココで私の名前が出るのだろうとナナリーが不思議そうにしていると、


「彼女は、マリアンヌ様に似ているんだ」


「え?」


 お母様に似ている?


 それは、
 

 まさか?


 だって、そんな。


「私とは少し年が離れているが、とてもシッカリした人でね」
「年が離れているとは、その女性は幾つなんだ?」
 マリアンヌに似ているということで、コーネリアも気になってしまった。
 なぜなら、コーネリアにとってマリアンヌは憧れの女性だ。
「今年で17歳にります」
「17歳だと。離れすぎているな」
「あら、そうとは限りませんわ。今時分、年の離れたカップルなんて珍しくありませんわ」
「だが、」
 リ姉妹の白熱する会話をよそに、少し離れた所で聞いていたスザクとナナリーは、今度こそ本気で固まってしまった。


 今年で17歳。
 お母様に似ている。
 エリア11。


 この符号が指すものは、たった一つ。


『お姉さま』


 なぜ自分の姉が男装して皇子として暮らしていたのか、聞いても教えてもらえなかった。
 『ゴメン。今は言えない』そう言われて、我慢してきた。
 『今』と付くからには、いつか教えてもらえるんだと思っていた。


 あの悲劇の瞬間まで。


 あぁ、生きていた。


 お姉さまが生きていた。


「クロヴィスお兄様」
 なら、私が取る行動は一つしかない。
「なんだいナナリー」
「私をエリア11に連れて行って下さい」
「それは・・」
 めったに望みを言わない妹の頼みは聞いてあげたいが、流石にこれは簡単には決められない。
「シュナイゼル兄上。どうしましょう?」
 困ったときの兄頼み。
「そうだね」
 そっと周りを見渡せば、兄弟達の希望に満ちた瞳とぶつかった。
「仕方ないね」
「連れて行ってもらえるんですか?」
 ナナリーが期待を込めてシュナイゼルを見上げれば。
「ただし条件がある」
「連れて行ってもらえるのでしたら、何でも聞きます」


「簡単なことだよ」


『私も行こう』


 シュナイゼルの言葉により、皇族ご一行様のエリア11行きが決定した。  

 


☆シリアスに見せていて、実はギャグです。
 でもって、肝心のゼロとルルーシュが出てかなかったのが悔しいので、おまけも書きます。
 凄く短い話になると思いますけど。




 

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