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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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来ちゃいましたv

 これは「我が君」の続きになります。




「こんにちわv」


 笑顔と共に黒の騎士団に来たのは、ヒョロっとしたブリタニア人。
「なっ、お前どこから」
 行き成り現れたブリタニア人に、幹部のメンバーに緊張が走る。
 今自分達が居るのは、幹部しか入れない部屋だ。
 そして、この後ゼロが来ることになっている。
「どこからって、ドアからですよぉ」
 アハハと笑っているブリタニア人は、全く緊張感が無いように笑っている。
「質問の趣旨に答えてもらおうか」
 今にも飛び掛りそうな幹部達を押し留める様に前に出たのは、藤堂だった。
「だ~か~ら~ですねぇ」
 めんどくさいなと思いつつロイドが答えようとすると、言葉を遮ったのは壁際に立っていたラクシャータだった。
「アンタもしかして、というかプリン伯爵よね」
 自分の記憶が正しければ、この目の前のフザケタ男は白兜の製作者でも有りブリタニアの軍人でもあった男だ。
「お久しぶりですねぇ~。ラクシャータ」
 それにしても、ちゃんと名前があるんだからプリンは酷いな。
 そんな風に呟いているブリタニア人の男は、この際無視して、
 幹部達はラクシャータの方を見た。
 これで、少しは話が進むかと期待できる。
「ラクシャータの知り合いか?」
 期待を込めるメンバーの代表として藤堂がラクシャータに問うた。
「プリン好きのプリン伯爵こと、ロイド・アスプルンド。で、ついでに白兜の製作者よ」
「って!、敵かよ!!」
 ラクシャータの言葉に激怒した玉城が詰め寄ろうとするものの、ロイドはヒョイっとかわしてしまう。
 技術者にとは思えないほど俊敏な動きだ。
「お前は」
 ロイドの動きに軍人としての勘が危険を告げた。
「何をやっているんだお前達は」
 そんな一触即発の緊張感を破ったのは、ようやく姿を現したゼロだった。
「わ~い。ようやく会えたv」
 ゼロの登場に、嬉しさを隠せないロイドは力いっぱい細い体に抱きついてしまった。
「ほあ」
 可愛らしい声で驚いているゼロは、自分に抱きついている男の正体をみて、仮面越しにすら驚いているのが分かる。


「ロイド!?」
 なんでお前が?


「来ちゃいましたv」
 心の声が聞こえたかのタイミングに驚きつつも、
「軍は?」
 この男は、過去にスザクの上司として軍の特派という組織に属していたはずだ。


「辞めちゃいましたv」


「辞めたて、そんな簡単に辞めれるのか?」
 貴族でも有り、要職に付いていた人間がそんなに簡単に辞めれるものなのか?
「というかぁ、正確には脱走兵という事になるのかなぁ?」
 どうなんでしょうねぇ。
 そう言いながらアハハと笑う男に、幹部達は本気で警戒するのがバカらしくなってきた。
「脱走兵?脱退届けは出してあるんだろうな」
 そんなゼロの言葉に、幹部達はこの天然さはゼロだと思ってしまう。
「まっさか。そんなめんどくさいもの僕が書くはずないじゃないですか」
「じゃぁ、何も言わずに出てきたのか?」
 それでは、脱走兵ではなく行方不明者なんじゃないか?
「いいえ。ランスロットと黒の騎士団に行きますって、書置きをしてきました」
「はぁ?というか、ランスロットって?」
 なんだそれは?
「えっと、枢木クンが乗っていた機体ですけど」
「白兜!?」
 白兜って、あの白兜だよな。
 ロイドは先ほど何と言った?


「えへぇ。持ってきちゃいましたv」


「持ってきた!?」
 白兜をか!?
「だってぇ、ランスロットは元々主の為に作ったんですよ。それに裏切りの騎士が乗っているのは気に入らなかったんですよね。それくらいなら自分が乗って主を守れば良いかなって思って」
 サラリと言うが、その中は聞きづてならない言葉が混じっていた。
「ちょっと待ちなさいよ。主って誰よ」
 ことゼロに関わるよ野生並みに勘の働くカレンが動いた。
「勿論ゼロです」
「何ですって!」
「ゼロ、今度こそ僕を貴方の騎士にして下さい」
「何言ってるのよ」
 自分こそゼロの騎士だと自負しているカレンには許せない言葉だ。
「僕は絶対に貴方を裏切らない。貴方の盾として剣として守って見せます」
「ロイド。だが・・・」
 思い出すのは、自分を売った親友の姿。
 どんなに信じていても人は裏切る生き物だ。
「僕は白の騎士とは違います。どこまでも貴方に付いて行きます」
「私は反対ですゼロ。こんな得体のしれない男は排除するべきです」
 自分以外のゼロの騎士なんて認めない。
「ロイド、私が進む道はブリタニアの破壊の上に成り立つ。お前は祖国を裏切ることが出来るか?」
 自分の手を取れば、待っているのは祖国に対する裏切り行為。
 それでも、自分の手を取ってくれるだろうか?
「関係ありません。僕の進むべき道は、貴方と共にあります」
 真剣なロイドの表情に、ルルーシュの方が折れるしかなかった。
 なぜなら、ルルーシュ自身がロイドを騎士にしたかったのだ。
「そうか」
 ルルーシュは大きく息を吐くと、カレンの方を見た。


「カレン、お前はゼロの騎士だ。だが、ロイドは私の騎士だ。認めてやってくれ」


 ゼロとルルーシュを区別しての言葉だった。
「それは、私だけがゼロの騎士ということですか?」
「そうだ」
 カレンはゼロの騎士。
 ロイドはルルーシュの騎士。
 同じでいて違う主をもつことを意味している。
「ならば認めます」
 カレンには一つにジレンマがあった。
 同じはずなのに、どうしてもゼロとルルーシュを区別してしまうのだ。
 なら、手薄になったルルーシュに騎士が付くことを反対する理由は自分にはない。
「ならば、ロイド・アスプルンド。汝を我が騎士として認めよう」
 その言葉は、ロイドが10年間待ち続けた言葉だった。


「イエス、ユア・ハイネス」


 その言葉は、神聖にして不可欠。
 その光景に、言葉もなく見つめていた。


 それは、最強の騎士が黒の騎士団に誕生した瞬間でもあった。




☆何気なく、まだ続きます。
 次はあの人がメインになります。さて、誰でしょう(笑)
 

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