諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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愛しき姫君 その後2
☆ゼロにょたルルの「愛しき姫君のその後2」です。先に「愛しき姫君」シリーズからお読み下さい。
久しぶりの休日をゼロとルルーシュは自宅で満喫していた。
合衆国日本の予想以上の成功は喜ばし反面、ゼロとルルーシュの忙しい生活となっていた。
表だって計画を発表するゼロと、裏で色々と計画を立てるルルーシュ。
2人が居るからこその成功ともいえる。
そんな忙しい2人の休日は、無粋なチャイムの音と共に敗れ去った。
「クロヴィスお兄様?」
仕方なしにルルーシュが玄関の扉を開けると、そこに居たのは兄の1人であるクロヴィスであった。
「久しぶりだねルルーシュ」
最後に見たときよりも、ゲッソリと痩せてしまっているために表情に覇気が無い。
「えっと、どうしてこちらに?」
せっかくの休みだったのに。
兄に会えたことよりも、ゼロとの時間が減ってしまうことの方がルルーシュには重大だった。
「ルルーシュに会いにね」
はははと笑う姿も弱々しい。
クロヴィスがここまで弱ってしまったのには訳がある。
最愛の女性と思った相手が、実の妹だったのだ。
葛藤の末に妹として愛おしもうと思った矢先での結婚。
ショックに次ぐショックで、とうとう倒れてしまったのだ。
あれから1年弱、ようやく落ち着いて周りを見る余裕が生まれてきた。
「そうですか」
できれば帰って欲しいのだが、わざわざ来たのだからお茶くらいは出さないといけないのだろうか?
ルルーシュが色々と考えていると、
「上がって貰えばいい」
来客のために仮面を付けたゼロが現れた。
「ゼロ」
2人きりの時は素顔で過すものの、今回のように来客があれば素顔を隠すしかなかった。
「クロヴィス殿下、狭い家で申し訳ないが宜しければお上がりください」
恭しい態度で、ゼロはクロヴィスをリビングへと案内した。
「お兄様。紅茶で宜しいですか?」
来てしまったものは仕方ない。
できるだけ早く用件を済ませて帰って貰おう。
「ああ、ルルーシュが入れてくれるのかい?」
「ええ。この家にメイドは置いておりませんから」
「それでは、掃除などは?」
「私がします。ゼロも手伝ってくれますし」
嬉しそうに言う妹の姿に、クロヴィスの頬が引き攣る。
「そ、そうかい」
話には聞いていたが、妹の姿は恋する少女そのものだった。
政略結婚とは名ばかりの、この2人が恋愛結婚なのは一部では有名だった。
「はい。ゼロが居てくれるだけで家事も楽ですわ」
「し、幸せそう・・・だね・・・・」
はははと力ないクロヴィスの声に、
「勿論ですわ、お兄様」
「・・・・・・・・・」
ニッコリと嬉しそうに笑うルルーシュに、とうとうクロヴィスは黙り込んでしまった。
「お兄様?」
「クロヴィス殿下。ご気分での悪いのですか?」
「い、いや。その」
分かっていながらも聞いてくるゼロが憎いと思うが、愛しい妹の前では何も言えない。
「無理なさらないほうが良いですわ。お兄様には私のように支えてくれる方がいらっしゃらないのだし」
「ル、ルルーシュ」
その通りなのだが、そこまでハッキリ言わなくても良いのに。
「やはり、お顔の色が優れませんわ。もうお帰りになられたら?」
「そうだね・・・・・」
ここに居ても傷が抉られるようだ。
そのままヨタヨタしながらクロヴィスは去って行った。
「事前に連絡して頂ければ、もっと優しくできたのに」
今日は滅多にない二人の休みの日なのだ。
クロヴィスだとて邪魔をされたくない。
「そうだね。今度は公務の日に来ていただこう」
公務であればここまで邪険に扱うことは無いだろう。
「それよりも、今日は2人っきりでゆっくり過しましょう」
その為の休みなのだから。
「そうだな。今日は一日は、来客が来ても無視しよう」
「ええ。そうしましょう」
2人の間には、誰も入ることはできないのだから。
☆今回の被害者はクロヴィス様です。
次の被害者はウザ・・・スザクです。今月中には書きたいな。
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