諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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手放せない
☆「守ってみせる」の続きというか、その後的な話です。
シュナイゼルにとって一番大切な存在は?と聞かれたら間違えなく「ルルーシュ」と答えられる。
7年もの間、離れ離れだった弟。
大切な存在だからこそ会わずに居たのだが、一度会ってしまったら手放せなくなってしまった。
もっとも悪友曰く、『初めから虎視眈々と狙っていたでしょ~』だった。
その言葉に心外だと思いながらも、自分の知らないところで皇帝がルルーシュに何かしたときはサクッと退位してもらおうと考えていたので、あながち間違えでは無いかもしれない。
「ずっと傍に居るよルルーシュ」
いや、離さないよ。
私の元に戻って来たのだ。
二度と手放すものか。
シュナイゼルが考えに耽っていると、控えめなノックの音が聞こえた。
「どうぞ」
その言葉と共に部屋に入ってきたのは、ルルーシュだった。
「どうしたんだい。ルルーシュ」
ルルーシュに対する態度は甘い。
声も甘い。
悪友が偶然見てしまったときなど、口をあんぐりと開けて驚いていた。
「シュナイゼル兄上に聞きたいことがあって」
「ルルが私に聞きたいこと?」
珍しいねと言いながら、自分の隣に座らせた。
向かい合わせより隣通しの方が距離が近くて良いからだ。
「次の作戦の事なんですが」
隣で上目使いに自分を見上げるルルーシュは凶悪なほどに可愛らしい。
「作戦の事でルルが私に聞くなんて、本当に珍しい」
知略に長けた黒の皇子として有名になりつつあるルルーシュのたてる作戦は何時も完璧だ。
味方の中から優し過ぎると言う声も聞こえるが、有能さには本物なので表立って騒ぐものはいない。
それこそ今までは私が口を挟むことなどなかった。
これが長兄やクロヴィス辺りならば、ダメ出しのダメ出しで3,4回はやり直させている。
「少し迷っていて」
不安そうに揺れるアメジストの瞳がシュナイゼルの庇護欲をそそる。
「私でルルの力になれるなら何でも言ってごらん」
可愛いルルーシュ。
手に入れて正解だった。
優しくルルーシュの髪を撫でながら続きを促す。
「ココなんですけど」
ルルーシュは持ってきた書類をシュナイゼルに見えるようにテーブルの上に広げると、自分の作戦を幾つか並べていった。
「ルルーシュはどれが正解だと思う?」
ルルーシュの話を聞く振りで、シュナイゼルはずっとルルーシュだけを見つめている。
「分かりません」
どの作戦が一番良いのか分からない。
少しでも自分達兄妹の後ろ盾になってくれたシュナイゼルの役に立ちたいのに。
実際に自分ができることは少ない。
「軍事上の作戦に正解はないよ。ただ、どれだけ少ない被害で最大の利益を得るかがポイントだよ」
「はい」
「ルルーシュの考える作戦はどれもこれも素晴らしい。ただ、被害を最小に考えすぎるために答えが纏まらないんだよ」
「それは・・・・・」
そうかもしれない。
少しでも犠牲者を出したくない。
無理だと分かっていても、1人でも2人でも良いから被害者を少なくしたいのだ。
それが一部の味方に悪影響を与えているのは知っている。
知っているのだが・・・・・
「非情になれとは言わない。ルルが優しい子だと私は知っているからね」
私のルルだし。
「でも、優しいだけじゃダメだと分かっているのです」
優しいだけではシュナイゼル兄上の役に立たない。
「だから私を頼りなさい」
「兄上?」
「私は年長者な分ルルーシュよりも悪事に手を染めている」
「兄上!」
シュナイゼルの言葉にルルーシュの顔が歪んだ。
「ああ、ルルがそんな顔をしなくても良いよ。事実なんだから。だから私がルルの作戦を補足しよう」
ルルーシュの優しすぎる作戦に、私が冷徹な補足を加えよう。
それで完璧になる。
優しすぎる黒の皇子を、完璧な魔人に仕立てよう。
いつか私が王として君臨するときに、隣に立つのに相応しい存在に。
「良いのですか?」
多忙な兄の手を煩わせてしまう。
それでもシュナイゼルに憧れているルルーシュには魅力的な話だった。
「勿論だよ」
私のルルを、私好みのルルに仕上げて見せよう。
手に入れたからには二度と手放せない。
いや、手放すつもりは無い。
「大好きだよ私のルル」
「僕も兄上のことが大好きです」
シュナイゼルは愛しいルルーシュを抱きしめる。
二度と手放さないと心に誓って。
☆ちょっとスランプかも。言葉が出てこないんです。
書きたいネタはまだ少し有るんですけど言葉が出てこないので断念。
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