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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 1.5

愛しき姫君 1.5「ゼロ・おまけ」



「ゼロ」

 
どうした?
 自分に良く似た少女が何かに気が付いたようにゼロに語りかけてきた。


「ナナリーとスザクの声が聞こえたように思えたの」


 首を傾げながら、ゼロの双子の妹であるルルーシュが言った。
 二卵性の双子でありながら、二人は育った今も良く似ている。


「そうか」


 ルルーシュに聞こえたというならば、本当に聞こえたのだろう。
 ルルーシュが自分に対して嘘や偽りなどを言うはずがないのだから。


「変じゃない?」


 ここには居ないのに?
 そう目が問えば、


「変じゃないさ。ルルーシュに聞こえたというならば、もう直ぐこの地にナナリーが来るかもしれないね」


 そう言いながら、ゼロはルルーシュを優しく抱きしめた。


「ゼロ」


 ゼロの抱擁は、7年前から変わらずルルーシュにとっては優しい時間だった。


「ナナリーがくるなら、準備をしなくちゃいけないね」


 黒の騎士団は、本格的に始動している。
 リーダーたる自分の地位も安定してきている。
 礎の準備は整っているが、まだ完璧ではない。


「私は・・・」


「ルルーシュ?」


 腕の中から聞こえてくる愛しい少女の声が優れない。


「私は、ゼロと暮らし始めてから弱くなった」


 ゼロと暮らすまでは、ナナリーを守るために張り詰めていた日常が、ゼロの存在で守る側から守られる側に変わった。


「ルルーシュ」


 甘やかしている事は気が付いていたが、ルルーシュが弱くなったとは思ってもみなかった。
 どうやら人よりも深く考える性格のせいで、悪い方へ思考が向いたらしい。


「私もゼロの役に立ちたいのに、今のままじゃ足手まといにしかならない」
 悲壮なルルーシュの叫びは、本心からのものだろう。


 ゼロの役に立ちたい。
 それがルルーシュの願い。
 

「ならば、一緒に戦おう」


 今まで、一度も黒の騎士団の活動にルルーシュを巻き込んだことは無かった。
 だが、これから先はブリタニアとの戦いも熾烈を極めてくる。
 なら、ルルーシュの頭脳は誰よりも自分の役に立つ。


 それに、ルルーシュを手元に置いておく大義名分ができるのだ。


「良いの?」


 ゼロと一緒の時間が増えるのは嬉しい。
 だけど、そのせいでゼロに負担がかかっては元も子もない。


「あぁ、ルルーシュの戦略が必要だ」


 その言葉に、ルルーシュは喜んだ。


「ゼロ。大好き」


 自分を優しく抱きしめているゼロを、ギュッと抱きしめ返した。


「私も愛してるよ」


 それは、何気ない兄妹の会話。


 この瞬間、黒の騎士団に無敗の軍師が加わったのだ。

 


 
☆この話では、ゼロよりルルーシュの方が頭が良い。
 ただ、ルルーシュの立てる作戦は甘さがあるので、ゼロが補足して完璧に仕上げてます。



 

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