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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 3

愛しき姫君 3「運命の扉」



 ナナリーがシュナイゼルを説得したのは、クロヴィスが怪我をしたと聞いてから2日後のことだった。
 この2日間、1時間と空けずにシュナイゼルに通信し説得したのだ。
 普段は大人しいナナリーの変貌に、初めは驚いていただけのシュナイゼルも最後は諦めて説得に応じた。
 というよりも、根負けしたのだ。
「気を付けて行っておいで」
 ナナリーを可愛がっているユーフェミアが知ったら、絶対に付いて行くと言い出すに決まっている。
 その事を心配したシュナイゼルは、根負けした1時間後にはエリア11行きの手はずを全て整えてくれた。
「はい。シュナイゼルお兄様」
 立場的なことを考えてユーフェミアを行かせたくなかったシュナイゼル。
 ルルーシュのことがあって、スザクと二人で行きたかったナナリー。
 気持ちは違ったが、結果は二人の望んだ通りになった。

 エリア11には、クロヴィスのお見舞いと言う名目のため、付いて早々に病院へ直行することになった。
「それに、クロヴィスお兄様に聞けば何か分かるかもしれない」
「そうだねナナリー」
 自分達が探している少女。
 クロヴィスが知っていると言う少女と同一人物である可能性が高い。
「なぜ?どうして?考えたらキリがなくて」
 大切な兄に会えるかもしれない。
 だが、別人かもしれない。

 そして、ゼロの存在。

 全てが不安でしかない。
 押しつぶされそうな気持ちを押さえつけて、ナナリーとスザクはクロヴィスの元へ向かった。
「え?入れないのですか?」
 クロヴィスの病室の近くまで来たのに、止められてしまった。
 継承権は低くても、ナナリーは仮にも皇族だ。
 その皇族のナナリーを合わせないとは、由々しき事態なのだが。
「入れない訳ではありません。ただ、クロヴィス殿下の命令で誰も入れるなと言われております」
 対応する軍人も、皇族であるナナリーがお見舞いに来る事は聞かされていなかったのだろう、困り果てている。
「誰かお見えになっているのですか?」
 ナナリーの素朴な疑問に、
「ただ今、ランペルージ御令嬢がお見えになられております」
「ランペルージ?」
 それはダレ?
「あの」
 それまで一歩下がったところで聞いていたスザクが始めて話に加わった。
「その、ランペルージ嬢の事を詳しく聞かせて頂きたいのですが」
 何かが引っかかるのだ。
 スザクの勘が告げている。
「ランペルージ御令嬢は、とても美しい方です。恐れ多くともクロヴィス殿下が想いを寄せている方であります」
「お兄様が?」
 では、その方が例の方なのでしょうか?
「ランペルージ嬢のフルネームを教えていただけますか?」
 お茶会の時は、名前まで出てこなかった。
「ルルーシュ・ランペルージ嬢であります」
「「え?」」
 二人の脳裏に過ぎったのは、懐かしい姿。
「そんな!」
 母に似た姿で、名前まで同じ?
 これは確信して良いのでしょうか?
「今すぐクロヴィスお兄様にお会いします」
「ですが、」
「コレは命令です」
 普段は命令と言う言葉を嫌うナナリーだが、今回ばかりは言ってられない。
 今しか機会が無いかもしれないのだ。
「イエス、ユア・ハイネス」
 そして、軍人であれば皇族の言葉に従うしかなかった。
「ナナリー」
 命令を嫌う彼女がココまで強く出ることに驚いたが、気持ちは痛いほど良く分かる。
 スザクとて同じ気持ちなのだ。

 そして、運命の扉が開かれた。


 

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