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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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片翼の天使 12

「ルルーシュ」
 話の規模についていけないのだろう、スザクが情けない顔をしている。
 その顔を見ているだけで、緊張していた頬が緩む。
 ああ、こんなにもスザクの存在が大きいなんて。
 予想外だった。
 いや、気が付いていたが、敢えて無視してきた。
 だが、もう認めてしまおう。
 そして、スザクに故郷の日本を返してあげるのだ。
 だから、その為に協力を仰がないと。
「スザク」
「何?」
「俺には、とても大切な人がいる」
「……そっか」
 それは、衝撃的な言葉だった。
 ルルーシュに大切な人がいる。イコール好きな人とは言っていないが、スザクの心は鉛のように重い。
「その人を皇帝に地位に付けたいんだ」
「え?皇帝って、ブリタニアの?」
 それこそ、規模が大きすぎて付いていけないんですけど。
 スザクが困っていると。
「そう、ブリタニアの皇帝だ。その地位は、あの人にこそ相応しい」
 ウットリと思い出しているルルーシュの顔は、少しだが紅潮している。
 その事にムッとしながらも。
「へぇー、そう。それでルルーシュはどうしたいの?」
 声が冷たくなってしまうのは仕方があいだろう。
 ハッキリ言って、嫉妬しているのだ。
「後はクロヴィスが失脚すれば舞台が整うんだ」
 他の高位継承権の人物は味方に引き入れたり、事前に失脚して貰った。
 残すところはクロヴィス1人。
「それで、どうすやって?」
 失脚させると言うのだろう?
「この地はテロが盛んだ」
「そうだね」
 自分もまた、テログループの一員なのだ。
 スザクが知っている限りでも、両手の数以上のテロリストグループが存在していた。
「そのテロを成功させる」
「はぁ?」
 成功させるって?
 簡単に言ってくれるが、そんなに簡単にいくはずがない。
 その事は、身を持って知っている。
「大丈夫さ」
 自信満々なルルーシュの言葉に。
「その自信はどこから来るの?」
 呆れてしまう。
「そんなの、俺の経験だ」
 キッパリと胸を張って言い切るルルーシュはカッコイイ。
 カッコイイが。
「凄い自信だね」
「当たり前だ。今まで踏んできた場数が違うからな」
 そうは言うものの、スザクだとてテログループの一員として場数は踏んできたつもりだった。
 同じ年。決して負けているとは思えない。
「というかさ、ルルーシュってテロリストなの?」
 話を聞いていると、そうとしか捉えられないのだが。
「違う。ただ、あの人の障害になりそうな人物達は決まってエリアの統治者のなっている事が多いんだ。だから、そのエリアに赴いてテロを支援していただけだ」
「それって」
 テロリストと、どう違うんだろう?
 この綺麗な同級生は、どうも思考回路が自分と違うようだった。
 だけど。
「だから、このエリアで支援するテログループを探ったところスザクの所が一番適していた」
 他にも候補はあったのだが、藤堂以上にカリスマのあるリーダーはいなかった。
「はあ」
「どうしても藤堂と話がしたい。いきなりで無理だというのならば、今の話を伝えてからでも構わない。スザクにしか頼めないんだ」
「僕だけ?」
「そうだ、スザクだけだ」
 カレンとスザク。
 この二人のうち、どちらかと接触しなくてはと思ったとき頭に浮かんだのはスザクだ。
 初日に会った事も影響したかもしれない。
「分かったよ。僕には難しい話は分からない。だから藤堂さんに聞いてみる。返事はそれからになるけど、それでも良い?」
「ああ、構わない。宜しく頼む」
 これで可能性だけは出てきた。
 藤堂が話しに乗るか乗らないかは50/50だ。
「うん。でもあんまり期待しないでね」
 万が一ダメだったときは、ルルーシュを悲しませる事になるだろうから。
「分かった期待しておく」
 ニヤリと笑いながら言えば。
「だ~か~ら、期待しないでねって」
 頬を膨らませてスザクが呆れている。
「そうか?」
「もう、ルルーシュったら」
 2人は顔を見合わせると、どちらからともなく笑い出した。
 

 束の間の平和。
 この平和が続けは良い。




★今月中に終わらせたいから、集中連載です。
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