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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 14

愛しき姫君 14「日本独立」


「お帰りルルーシュ」
 ブリタニアに戻ってきたルルーシュを出迎えたのは、二番目の兄のシュナイゼルだ。
「ただ今戻りましたシュナイゼルお兄様」
 皇族が着るドレスを着込んだルルーシュは、皇族として完璧な挨拶をした。
「やはり私のルルだね」
 立ち振る舞いや挨拶は完璧で、7年間も皇族から離れていたとは思えない。
「お褒めに預かり光栄です」
 笑顔で答えながらも、ルルーシュの心は冷めていた。
 ココにはゼロが居ない。
 7年間ずっと傍に居た存在がいない。
 これからゼロの計画が終わるまで会えないと思うと寂しくて仕方ない。
 だが、計画が成功すればこれから一生ゼロの傍に居られる。
 それだけをよりどころに、ルルーシュは笑顔の仮面を貼り付ける。
「クロヴィスが会ったのはルルだね」
 ココまでマリアンヌ様にソックリな少女が他に居るとは思えない。
「はい」
「そうか、悪いがクロヴィスには失恋して貰おう」
「そうですね」
 これでクロヴィスに言い寄られることは無くなるのだろう。
「それより今後の事だが」
「シュナイゼルお兄様にお任せします」
 この兄ならば上手く取り計らってくれるだろ。
「任せないさい。明日にでも、正式に私の妹として公表しよう」
「お願いします」
 私が皇族の一員へ戻ることは、ゼロの計画に第一歩なのだから。


 ルルーシュがブリタニアに帰って1ヶ月。
 その間にあった大きな出来事としては、行方不明だったルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが皇女としてブリタニア戻ってきたこと。
 そして、誰にも知られない小さな出来事としては、ゼロと皇帝との面談があった。
 その時に、ゼロの左目が赤く光ったことに誰も気が付かなかった。
 計画は順調に進んでいる。


 最愛の女性が実の妹だと知って倒れてしまったクロヴィス総督は全ての職務を放棄してしまった。
 そんなクロヴィスの代わりとして、新しい総督が来ることになった。
 エリア11の新しい総督は、ブリタニアに戻ってきたばかりの話題の皇女様だ。
 話だけが先行して、誰も顔を見たことのない皇女様。
 期待と不安がイレブンの中に浸透していったが、黒の騎士団のゼロが何も言わないので表だって騒ぐものは居なかった。
 

 そして、総督就任の挨拶。
 壇上に現れたのは息を呑むほど美しい少女。
 誰もが見とれていると、
「私がエリア11の新しい総督に任命された、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです。本来ならば就任の挨拶をするところですが、その前にエリア11の皆様に重大な発表がございます」
 その言葉に、ルルーシュの近くに居たものたちからざわめきが起こった。
 その動揺具合から、事前に知らなかったのだろうと思いながらも、エリア11にいる全ても人たちが画面に釘付けだ。


 そしてココ黒の騎士団の本部でも幹部を始め多くの団員がテレビに見入っていた。
「っていうか、ゼロはどこだよ」
 幹部達に絶対に見る事を強制しておきながら、肝心のゼロの姿が無い。
「ゼロは出ている」
「はぁ?」
 自分で見ろと言っておきながらか?
 団員達が不満げに呟いていると、
「「黙って見ていろ」」
 迫力満点の紅月兄妹の鋭い眼差しで団員達の口が開くことは無くなった。
「この演説が終われば、日本が戻ってくる」
 黙った団員達を前に、事前に聞かされていたカレンが真相の一部を語った。
「「「「「??????」」」」」
 何か知っていそうなカレンに聞きたいものの、口を開けば睨まれそうなので黙って画面を見入ることにした団員達だった。


「この国では、今まで多くの血が流れました。日本人のブリタニア人の血がたくさん流れました」
「「「ルルーシュ皇女!!」」」
 よりにもよって、テレビカメラが回っている前で日本人と言う言葉を皇女だ使うのは不味い。
 ルルーシュの周りを固めていた高官達が止めようとするが、ルルーシュの鋭い睨みで身動きが取れない。
 ルルーシュの中の皇族の血が、上に立つものだけが持ちえるオーラが、ブリタニア人の動きを止めるのだ。
「これ以上血が流れないためにも、私ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが宣言します。今日この時を以って日本の独立を認めます」
 それは大きな衝撃だった。
 一介の皇女が宣言するには大それたこと。
 だが、
「これは皇帝陛下もご存知です」
 それが意味するところは、
「皇帝陛下の名の下に日本の独立は認められました」
 それは、ブリタニア人ならば誰でも絶対に服従しなくてはならない言葉。
「独立したとはいえ、ブリタニアは日本と共存関係を結んでいきたいと思います。日本とブリタニアの友好関係の証として、私は日本の独立運動の先駆けとした黒の騎士団総帥ゼロの元に嫁ぎます」
 会場で成り行きを見守っていた者や、画面越しに見守っていた者。
 色々な場所で、色々な人々が見守っていたが、誰も言葉を発することはできなかった。
 そんな中、
「喜んで娶りましょう」
 いつの間にかゼロが壇上の上に上がっている。
 差し出される手はルルーシュへ向けてだ。
「ゼロ」
 そんなゼロにルルーシュの手が重なる。


 その瞬間に湧き上がる大きな拍手。
 この時、日本の独立とゼロとルルーシュの婚姻が国民に受け入れられたのだ。





☆これにて本編は終了です。
 ただ、後日談や番外編などは不定期に書いていきたいと思います。 

 

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