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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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片翼の天使 14

藤堂とルルーシュの話し合い。
双方だけでなく、スザクも緊張してしまう。
「貴殿は、それで日本が戻ると思うか?」
ルルーシュの話を聞き終わった藤堂の問い。それは、藤堂から話を聞いていたスザクも同じ思いだった。
『本当に日本が帰ってくるのか?』
自分のせいで失ってしまった日本。だからこそ、自分の手で取り戻したかったのだ。
「はい。必ず」
ルルーシュは藤堂の目を見据えて、キッパリと言い切った。その言葉に迷いはない。
「嘘はないようだな」
藤堂とて長い人生経験で、ある程度の嘘なら見抜ける自信がある。そして、この目の前の少年が嘘を言っているようには見えない。
「信じて欲しいとは言いません。若輩者の俺の言葉など信じてもらえないのは分かっています。だからこそ、自分の目で確かめて下さい」
自信があるからこそ言い切れるのだろう。ルルーシュに迷いを感じない。
「分かった。手を組もう」
目的の為の過程が同じならば、手を組んでも構わないだろう。
日本が帰って来ると言い切った、この少年の言葉を信じたい。
もし裏切られたとしても、それは自分に見る目がなかっただけのこと。自分1人が責任を取れば済む話なのだから。
「ありがとうございます」
日本を取り戻す自信はあったが、信じて貰うまでが大変だと思っていた。今までも、信じてもらうまでに一番時間が掛かったのだ。こうまで呆気なく信じてもらえたのは初めてだった。
それもこれも、全てはスザクのおかげだろう。
「ルルーシュ」
話が終わったところで、それまで傍らで二人の会話を聞いていたスザクが遠慮がちに声を掛けてきた。
「どうした?」
感謝の気持ちも込めて笑顔で返したら、スザクの顔が真っ赤になっている。
「/////反則だよ/////」
そんなに綺麗な笑顔を向けられてしまえば、何も言えないじゃないか!
それにしても、眼福って言うんだっけ?
本当に綺麗な笑顔だった。
鮮やかで、綺麗で、優しくて、それでいて消えてしまいそうなほど儚げな笑顔。
そこまで考えたとき、スザクは言い知れない恐怖に駆られた。
このままルルーシュが消えてしまいそうな恐怖。傍にいた時間は短くても、スザクにとってルルーシュは失えない存在になっていた。
そのルルーシュがいなくなってしまうかもしれない恐怖は、考えただけで恐ろしい。
赤くなっていた顔が、一瞬にして真っ青になった事でルルーシュは心配になってしまった。
「スザク」
声を掛けてもスザクからの返答はない。
どうしたのだろうと首を傾げていると。
「ルルーシュ」
復活したのか、鬼気迫る顔でスザクがガシッとルルーシュの両肩を掴んだ。
「どうしたんだ」
肩に手が食い込んで痛いのだが、それよりもスザクの様子の方が気になる。
「ルルーシュの傍に居たい。いや、絶対に居るから」
「え?」
「離れたくないんだ」
それは切ない程真剣な告白。
「スザク」
本心で言えるのなら、素直に嬉しいと言えば良い。
だが、この作戦が成功すれば日本から去る自分が言えるはずもない。
「ルルーシュの傍に居ても良いよね?」
どうしても手に力が入ってしまう。
聞くのが怖い。
「今だけならば」
だから、ルルーシュにはこうとしか答えられなかった。
スザクの未来は日本にあり、自分の未来はブリタニアにあるのだから。
「今だけじゃなくて、一生傍に居たいんだ」
真摯な想いが伝わる。
でも、だからこそ。
「ゴメン」
断るしかできない。
でもスザクの言葉は、純粋に嬉しかった。
「どうしてもダメなの?」
傍にいたいのに。
「ああ、ダメだ」
本当は傍にいて欲しい。
でも、スザクの未来を潰したくない。
だからこそ、傍にはいられないのだ。
それぞれの道を歩まねばならないから。
「分かったよ。でも、今は傍に居ても良いんだよね」
哀しそうなスザクの言葉に、締め付けられるような痛みを感じる。でも、仕方がないのだ。
だからこそ、今だけは傍にいたい。
「ああ」
 
『『今だけは傍に』』
 
二人の想いは一緒だった。




★サクサクと進みますよ。というか、進めないと終わらないのだ。
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