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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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片翼の天使 13

 ルルーシュと約束した日の内に、スザクは藤堂の元を訪れた。
「お話があります」
 スザクの改まった態度に、藤堂も何かを察したのだろう、人払いをしてくれた。
 普段は何人もの人が集まる室内に、今はスザクと藤堂の二人しか居ない。
「話を聞こうか」
 静かな藤堂の声が部屋に響いた。
「はい」
 ピーンと張り詰めた空気。
 そんな中で、スザクは昼間のルルーシュとの会話を藤堂に聞かせた。
 突拍子もない話だ。信じてもらえないかもしれない。
 そう危惧したものの、藤堂は静かに話を聴いてくれていた。
 全て話し終えても、藤堂は一切喋ろうとはしない。
 ただ静かに目を閉じて、何かを考えているようだ。
 信じてもらえなかったのだろうか?
 藤堂という人は、安易に流される人物ではない。
 じっくりと真偽を考えているのだろう。
 だが、沈黙が辛い。
「藤堂さん。あの・・・・」
 信じてもらえませんか?
 喉元まで出掛かった言葉。
 だが、グッと堪えた。
 信じてもらえなければ、信じてもらえるまでルルーシュの人となりを語れば良い。
 それだけの話なのだ。
「分かった」
 スザクを一瞥した藤堂は、それだけ言うと再び黙り込んでしまった。
「やっぱり、信じてもらえませんよね?」
 話が大きすぎるのだから仕方がない。
「いや、そんな事はない。有り得る話だ」
「え?」
 有り得るって、何が?
「ここ最近、ブリタニアのお家騒動が発端と見られる混乱が、各地のエリアで起こっているらしい。内容は、スザク君が言った事に非常に良く似ている」
「そうなんですか?」
 知らなかった。
「表に出る前に揉み消されているからな。スザク君が知らなくても仕方がない」
「はあ」
 そうなんだ。
「俺も噂程度にしかしらないが、色々なエリアでテロが成功しているという話を聞いた」
「それじゃ!」
 テロが成功するなら、日本が帰ってくるかもしれない。
 微かな、だが確実な希望が開けたように思う。
「話は最後まで聞きなさい」
 目を輝かせているスザクを苦笑しながら藤堂は諌めた。
「はい」
 シュンとしながらも、藤堂の言葉を待っていると。
「テロは成功しているらしい。そのせいで、各エリアの総督は・・・・・・どれも高位継承権を持っている皇族だったらしいが、失脚しているようだ」
「やっぱり」
 藤堂の話は、ルルーシュに聞かされたことと同じだ。
 ならば、日本だって。
「スザク君。人の話は最後まで聞きなさい」
 厳しい藤堂の言葉に、またしてもシュンとしてしまった。
「すいません」
「だが、開放されたエリアは存在しない」
 キッパリとした藤堂の言葉。
 その言葉が、スザクの中で木霊する。
『開放されたエリアは存在しない』
 ならば、日本の開放は有り得ないのだろうか?
「どうして?」
 テロが成功したなら、エリアは帰ってくるのではないのか?
 大きな不安が、スザクの中に浸透していった。
「テロが成功した直後に、ブリタニア軍の介入があるようだ。だからこそ、すぐに沈静されてしまうらしい」
 だから正確な意味ではテロは成功していない。
 どのエリアのテログループだとて、目的はエリアの解放だったのだろう。
「そんな。それじゃ!」
 何の為のテロ活動なのだろう?
「テロが成功しても、エリアが開放されなければ失敗したのと同じ」
 日本に、同じ鉄を踏ませる訳にはいかない。
 だからこそ、慎重にならなければ。
 だが希望が無いわけではない。
 開放こそ失敗しているが、テロが成功したエリアの人権は回復している。
 以前ほど迫害されていないらしい。
「じゃあ、日本は帰ってこないのか」
 スザクがショックを隠しきれないでいると。
「いや、希望はある」
 藤堂の力強い声が聞こえた。
「え?」
 希望?
「ルルーシュ君といったか。君の同級生は」
「え?あ!はい」
「その子の話を聞こう」
 話は聞いてからでないと答えはでない。
 だが、どんなことをしても日本を奪回する。
 藤堂は力強くスザクの方を見た。
 
 
 全ての運命が動き出した。
 



★あと少しです。
一気に行きます!
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