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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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微笑みの貴公子と小鳥達

★この話は、60万HITの部屋にある「箱庭の小鳥達」がベースになっています。
先に「箱庭の小鳥達」を読んで下さい。






 ゼロとルルーシュがエリア11を治めるようになって、もうじき1年が経とうとしている。
 この一年の間に、色々な事があったが統治は上手くいっている。
「大きな問題もない」
「テロの動きもない」
 平和そのものだ。
 ゼロとルルーシュはお互いのおでこをくっ付けると、微笑みあった。
 そんな二人の平和を乱すように、執務室の扉がバタンと開いた。
 何事かと見れば、そこには万遍の笑みを浮かべる兄の姿。
「さあ、可愛い小鳥達。お兄ちゃんの胸に飛び込んでおいで」
 手を広げて佇む兄に、ゼロとルルーシュは呆れてしまう。
「嫌です」
「兄上。無理ですから」
 はははと力なく笑いながらも、一年前と変わらぬ兄の姿に安堵してしまう。
「そうか?慎み深い子達だね。遠慮なんかいらないのに」
 やれやれ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・兄上」
「さて、冗談はさておき」
『『冗談だったんだ。本気だとばかり思っていた』』
「先にお土産を渡そう。これだよ」
 これだと言って、シュナイゼルが広げたのは着物。
「何の冗談です」
「えっと、誰が着るんですか?」
 一見布の塊にも見えるが、この一年でエリア11の過去の文化も勉強した二人には着物だと分かった。
「これは冗談ではなく、君達へのお土産だよ。そして、着るのは君達だ」
 ちゃんと2枚用意したんだよ。
 ウキウキしながら、別の布を取り出す。
「いりません」
「えっと、ゴメンなさい」
『『というか、着たくない!』』
「似合うと思うよ。それに、このエリアには郷に入れば郷に従えという言葉があるそうだね。この機会に、異文化交流でも進めてみたらどうだい」
 これが第一歩だと。
 ニコニコしたまま、手に持った二枚の布を双子達に押し付けようとするが。
「間違っていますよ兄上。確かに着物は民族衣装かもしれませんが、兄上がお持ちの着物は女性が着る物です。私やルルーシュは男です。よって着ません」
「いくら兄上のお土産でも、女性物は着たくないです」
 ゼロが米神をピクピクさせながら言い。ルルーシュもやれやれと呆れている。
 この兄や父は、アリエスの離宮にいた頃から女性物の服(ドレスなど)を持ってくる。
 自分達の性別を、ちゃんと理解しているのだろうか?
「そうか、残念だね。絶対に似合うと思ったのに」
 でも、これはお土産だから受け取って欲しいなぁ。
 ニコニコしたまま、シュナイゼルは強引とも取れる態度で着物を渡してきた。
「「兄上」」
 呆れながらも、いつもの条件反射のように受け取ってしまった。
「気にしない、気にしない」
「「気にします」」
 まったく、この兄は。
「ああ、怒った顔も可愛いね」
「「・・・・・・・・・・」」
 何を言ってもダメだ。
 この兄には通じない。
 根本から何か違うのだろう。
「おや?どうしたんだい?」
「「何でもありません」」
 言いたい事は山のようにあるが、何を言ってもムダなのだろう。
 ハッキリ言って、傍迷惑そのもののような人。
 それでも嫌いになれないのは、この兄の自分達に向ける愛情が本物だからだろう。
「さて、何時までも遊んでいないで本題に入ろうか。君達が見たがっていた資料だよ」
 そういってシュナイゼルが差し出したのは一枚のディスク。
 中には、次期皇帝と名高いシュナイゼルの手腕の数々が収められているはずだ。
「「本当に良かったんですか?」」
 ダメ元で頼んだ事だった。
 いくら自分達を可愛がってくれていると言っても、所詮は義兄でしかない。本当に見せてくれるとは思わなかった。
「君達の頼みを断る訳がないよ」
「でも、」
「兄上」
 なんで、そんなに優しいのですか?
 そんな双子の問いに、シュナイゼルは微笑みで返す。
 
 
「私の可愛い小鳥達。大切で愛しい小鳥達。君達が君達である限り、私だけは味方だよ」
 愛情という名の鳥篭を用意しよう。
 私の元から飛び立たないように。
 双子達に知られぬように、シュナイゼルは細く微笑んだ。
 
 
 優しい兄。
 この人が自分たちの事を気にかけてくれる。
 それは、凄く嬉しかった。
 だからこそ、自分達にできる範囲内で、この兄を助けていきたい。
「ルルーシュ」
「ゼロ」
 2人は笑顔で見詰め合うと、シュナイゼルに向かって手を差し伸べた。
 その手が離れる事はないと思いながら。





★まんまのタイトル。シュナ兄様とゼロルルそのもの(笑)
もう少し増えたら、別部屋を作るかも。
 
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