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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 11

☆ココでなんですが、伊月の書くナナリーはブラックナナリーが基本です。(TV版のナナリーは苦手なので)ルルーシュ至上主義で「ルルーシュお兄様の為ならナイトメアでブリタニアと戦いますv」という子です。(拍手で心配してくださった方々は安心してください。ゼロ批判もルルーシュ批判もさせません)
それに、これからもナナリーの批判系の話は書く予定はありません。
それとスザクはTV版のウザクに近い予定です。なのでスザク好きの方はこれ以上読むことをお勧めできません(だって、当て馬としてスザクを出して欲しいと拍手で希望が有ったから(笑)そして、拍手で希望が有ったからゼロルルになりました(笑))
あと、申し訳ないのですがスザクのゼロ批判はあります(ゼロルルの当て馬として書く予定です)
それだけはゴメンなさい。


以上を踏まえてから下の本文をお読み下さい。






愛しき姫君 11「はじめまして」


 ルルーシュが一通り落ち着くのを見計らったゼロは、
「それよりもミレイはどうして居るんだ」
 自分たちの居住区にまでミレイが来ることは少ない。
「実は、ルルーシュ様にはご報告したのですが・・・・」
「ミレイ?」
 珍しく歯切れの悪いミレイに、ゼロが訝しげていると。
「ナナリーとスザクが学園に来るそうです」
 先ほど聞かされていたルルーシュが続きを話した。
「ナナリーが来るのか?」
 スザクのことは何気にスルーだ。
「はい。お二人は明日から正式にアッシュフォード学園へ通うことになります」
 先ほどの続きをミレイが話した。
「明日からですか」
「明日」
 ルルーシュには来るという事しか告げられなかったので、補足とばかりに言えば、
「ナナリー様は皇族という立場もありますし、防犯面や車椅子の問題もありますからクラブハウスの方で生活していただくことになります」
 それは仕方のないことだろう。
 目が見えるようになったとはいえ、足は一生動かないのだ。
 寮生活では色々と問題があるし、近隣に面しているこのアッシュフォード家では自分たち兄妹が暮らしている。
 出会わないという保障はない。
 3人が複雑な顔をしていると、
「ナナリーに会ってみたい」
 そう言い出したのはゼロだ。
 クラブハウスで暮らすということは、ルルーシュとの接点は増えるがゼロとの接点は皆無だ。
「ゼロ様?」
「・・・・・・・」
「一度、ナナリーと話してみたい」
 同じ妹なれど、ナナリーとの面識はない。
 ルルーシュの事は愛している。だが、だからといってナナリーに愛情がないわけではない。
 多分、妹としては大切に思える。
「分かりました。そのように手配します。ルルーシュ様も構いませんね?」
 前半はゼロに、後半はルルーシュに対しての言葉。
「任せる」
「お願いします」
 この事でルルーシュに出来ることは少ない。
 それよりもミレイに任せておいた方が良いのだろう。
「私が愛しているのはルルーシュだけだ」
「ゼロ・・・・」
 誰よりも大切な人。


 翌日、皇族が転校して来たことは学園中の話題の中心となっていた。
 そして、ミレイの行動は迅速だった。
 放課後になり、ナナリーはミレイに呼ばれ生徒会室へとやってきた。
 胸に有るのはルルーシュに会えるかも知れないという淡い期待。
 クロヴィスの話では、ルルーシュがこの学園で副会長をしているというのだ。
 だが、生徒会室の中に居るのはミレイ一人。
 期待していたルルーシュの姿はない。
「あの~」
 ナナリーが恐る恐る声を掛けると、それまで物思いに耽っていたミレイがニッコリと笑った。
「ナナリー皇女様。ようこそ我がアッシュフォード学園へ」
 ナナリーにとってミレイは初めて会う人物ではない。
 母が生きていた頃に一度だけだが会っていた。
「お久しぶりですミレイさん。そのような堅苦しい呼び方は辞めてください。できればナナリーと呼び捨てにしていただいても構いません」
「分かったは、だったらナナちゃんで良いかしら?」
 ニッコリと笑って言われる提案に、ナナリーは嬉しくなった。
「はい。嬉しいです」
 どこに行っても皇族として扱われることに嫌気が差していたのだ。
 自分は唯の一人の女の子に過ぎないのに。
 だから敬称なく呼ばれることは稀でとても嬉しかった。
「で、ナナちゃんにお願いがあるの。会って貰いたい人が居るんだけど・・・」
「私にですか?」
 お兄様かしら?
 だったら嬉しいのだけど。
「そうナナちゃんに」
「私が望んでいる人ですか?」
 自分の記憶が確かなら、ミレイは賢い少女だった。
 自分の言い回しで誰に会いたいのか気が付くだろう。
「う~ん。微妙かな」
 会わせたいのは兄。
 ナナリーが望んでいるのも兄。
 同じはずだけど、違う存在。
「微妙ですか?」
 何が微妙なのかしら?
「ただ一言だけ言えるなら、ナナちゃんに絶対に危害を加えない人よ」
 自分が提示できる言葉は少ない。
 それで、どこまで信用してもらえるのか。
「わかりました。ミレイさんがそこまで言われる方ならお会いします」
「良かった。それで一つだけお願いがあるの」
「何ですか?」
「後ろに居る枢木スザク君はこれから起こることに口出し無用でお願いしたいの」
 ミレイの言葉は、ナナリーの背後で車椅子を押していたスザクに向けてのものだ。
 ナナリーに向けていた優しい笑顔とは一転して、スザクに向ける表情は棘が含んでいる。
「僕ですか」
「そう。コレはナナちゃんの問題なの、貴方は絶対に口と手を出さないで貰いの」
「ですが・・・」
 自分はナナリーを守るのだ。
 そう約束している。
 だからミレイの言葉には素直に頷けなかった。
「分かりました。スザクさんには私からお願いします」
「ナナリー!」
 思ってもみなかったナナリーの言葉にスザクが動揺するが、
「ありがとうナナちゃん」
 どうやら女性二人の中では決定事項になってしまったようだ。
「分かりましたよ」
 コレでは食い下がれない。
 渋々スザクは認めるしかなかった。
「それで私に会わせたい方とは?」
 ナナリーの言葉に、奥の扉が開いた。


 扉から出てきた人に、ナナリーとスザクは言葉を失ってしまった。
 なぜならそれは、先日見たルルーシュにソックリの少年。
「「ルルーシュ」お兄様」
 確かに兄と呼ぶのなら先日の少女よりも、この目の前の少年の方がピッタリだ。
 だが、自分の兄は女性だったはずだ。
「誰ですか?」
 誰なのだろう、この人は?
 でも知っている?
「はじめましてナナリー」
 落ち着いた声はルルーシュに似ている。
 でも違う人?
「君は誰だ!」
 認めないルルーシュにソックリな人物など。
「枢木スザク君。貴方の発言は認めていないわ。先ほども言った様に、最後まで黙っていて」
 スザクはミレイの痛烈な言葉により黙るしかなかった。
「君は私の事を知らない。それは知らされていないからだ」
「誰に知らされていないと言うのですか?」
「ルルーシュやアッシュフォードに」
「ルルーシュお兄様!」
 目の前の人から出たルルーシュという名前に、ナナリーの動悸が激しくなる。
「ルルーシュは何時もナナリーの事を心配していた」
「ルルーシュお兄様がですか?」
 私の事を心配していた。
 それはナナリーにとって、一番重要な事実。
「そうだ」
 私が嫉妬するくらいに。
「それで、貴方の事をお聞きしても構いませんか?」
 ルルーシュお兄様にソックリな人。
 ルルーシュお兄様の傍に居る人。
 ルルーシュお兄様と・・・・・


 どんな関係ですか?


 聞くのが怖い。
 でも、聞かなくてはいけない。
「私の名前はゼロ。黒の騎士団の総帥にしてルルーシュの双子の兄」


「「!?」」


 襲撃が二人を襲った。 

 


☆次はルルーシュが出ます。希望を優先して合わせない様にしようかとも考えたのですが、ナナリーが傍に居た方が何かと良いかなと思って。ルルーシュは心の平穏を手に入れるし、ゼロは安心を手に入れる(だって、ゼロが居ない時にルルーシュを守るのはナナリーだと思っているから)

 ルルーシュが一番幸せになることを考えてこのシリーズは進みます。

  

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