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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 9

愛しき姫君 9「決別」



「なっ!怪我!!」
 ルルーシュの反応は予想通りだった。
 真っ青な顔が痛々しい。
「誰が!ゼロに傷を負わせたの?」
 ゼロに聞いても答えないだろうと分かっていたので、質問はカレンにだ。
「えっと、その・・・・」
 答えて良いのだろうか?
 グルグルと悩んでいたカレンだが、
「枢木スザクだ」
「え?」
 アッサリとゼロ自身が告白してしまった。
「スザク?」
 スザクって?
 どうしてスザクがゼロを?
「そうだ。どうせ黙っていてもカレンに聞き出すのだろう」
「当たり前です」
 ゼロの事だったら、どんな些細なことでも知りたい。
「ナナリーを連れて来ようと思ったんだ」
「ナナリー?」
 でも、それは・・・・・
「そうだ。だが失敗した」
「その時に負った傷です」
 ゼロの左腕を指差しながらカレンが言う。
「スザクがゼロに傷を負わせたのですね」
 そう、スザクが。
「そうなるな」
 頷くゼロに、ルルーシュの中で何かが切れた。
「そう、スザクが・・・・・・」
「「ルルーシュ?」」
 普段と違う様子に、ゼロとカレンが疑問の声を掛けるが、
「スザクね」
 ルルーシュの顔は、いつもの微笑みは消えておりお怒りのようだ。
「ルルーシュ。傷を負ったといっても、それ程酷くないんだが」
「ゼロ!あれだけ血を流していて酷くないな・・・」
「こら、カレン。黙っておけ!」
「あ!ゴメンなさい」
 ゼロがカレンの言葉を遮った時にはもう遅く、ルルーシュのコメカミがピクピクしている。
「ルルーシュ、そのだな・・・・」
「ゼロ!」
「な、何だ?」
 いやに迫力のあるルルーシュの顔に、ゼロの方は仮面の下の顔が引き攣っている。
「決めました!」
 もっと早く決めれば良かった。
 ゼロが怪我をして初めて気が付くなんて遅すぎる。
 いえ、今なら間に合うと信じたい。
「何をだ」
「ゼロが良い」
「何がだ?」
「ゼロが居れば良い」
「ルルーシュ?」
「スザクのことは、もうどうでも良い。ナナリーは、まだ少し未練があるけど、ゼロが傍に居てくれるなら諦められる」
「ルルーシュ!」
「ゼロが一番なの。ゼロが居れば他は良い」
 ナナリーに何か有れば悲しむだろう。
 でも、ゼロに何か有れば狂う。
 ゼロの居ない世界では生きていけない。
 この想いが兄妹の範囲を超えているなんてどうでも良い。
 自分の中で、ゼロが一番なのだ。
 今回のことでそれを再確認してしまった。
「私の傍に居るということは茨の道に進む事にあるぞ」
「構いません」
 それが自分達の道ならば。
「私と堕ちる覚悟があるのか?」
「どこまでも落ちます」
 ゼロと一緒ならば。
 自分は決めたのだゼロと共にあると。
「愛している。ルルーシュ」
「ゼロ」
 抱き合う二人に気付かれないようにカレンは、そっとその場を去った。


「お幸せに」
 カレンの小さな呟きは二人に届くことは無い。
 それで構わないのだ。
 ルルーシュが幸せならそれで良い。

 

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