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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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楽園

 シュナイゼルにとって、数多くいる兄弟の中で特別なのは一人だけだった。
 どの兄弟にも公平と言われているシュナイゼルの、だた一人の特別。


「シュナイゼル兄上」
 嬉しそうの走りながら近付いて来るのは、シュナイゼルにとって特別な子供。
「走ったりしたら危ないよ」
 急いで自分の元に来てくれるのは嬉しいが、運動があまり得意ではない子供の走りは見ていて危ない。
「大丈夫です」
 そう言いながらも必死に叫びながら走ってくるのは、可愛い弟のルルーシュ。
「ほわっ!」
 だが、あと少しという所で懸念が現実と変わった。
「ルルーシュ!」
 見事に目の前で躓いたルルーシュを皇族とは思えない程の素早さでシュナイゼルは受け止めた。
 そのまま自然な流れで抱き上げても、子供は気が付いていない。
 一般的には知略に長けていると言われているシュナイゼルだが、実際は運動神経も長けている。
 ただし、その事実を知るものは少ない。
 意図的に隠しているのだ。
「あ、ありがとうございます」
 大丈夫と言いながらも転んだのが恥ずかしいのだろう、腕の中のルルーシュは真っ赤になっている。
「どういたしまして」
 いつまでも抱き上げていたいのだが、子供の機嫌を損ねる訳にはいかないので、そっと地面に下ろした。
「兄上、今日もチェスを教えて下さい」
 恥ずかしさを引きずりながらも、モジモジと上目遣いにシュナイゼルを見上げる姿は強烈に可愛い。
「あ、ああ。勿論だ」
 常にクールに徹するシュナイゼルすら、その可愛らしさに動揺を隠せないほどだ。
「嬉しいです」
 ニッコリと笑うルルーシュは、まさに地上に降りた天使のようだ。
「私も嬉しいよ」
 こんなに可愛いルルーシュと居られるのだから。
「シュナイゼル兄上が僕の兄上で本当に良かった」
 ルルーシュにとって、シュナイゼルは優しくて頼りになる兄だ。
 一番の自慢の兄。
「私もルルーシュの兄で良かったよ」
 ルルーシュの傍に居られるからね。
「いつまでも兄上と一緒に居たいです」
「勿論だよ」
 手放すつもりは無い。
 この弟は、一生私の傍に置いておくつもりだ。
「大好きです。シュナイゼル兄上」
「私も大好きだよ」


 それは、楽園が崩壊する一ヶ月前のできごとだった。
 



 自分がこれほど憎しみを持てるとは思わなかった。
「あの子が何をしたというんだ!」
 まだ7歳の少年。
 自分が一番気に入っていた子供。
 いや、そんな生易しい言葉では表せない。
 狂気染みた独占欲すら感じていた。
「ああ、だからか」
 父のやり方は分かっている。
 こうなることは分かっていた。


 だが、


 許せない。
 あの子を私から奪った存在が許せない。
「父上、貴方はやり方を間違えました」


 あの子が居ない世界など、優しいもので無くていい。
 あの子が居たからこそ、父の下で文句なく動けた。
 あの子に優しい世界を見せてあげるために。
 たとえそれが仮初の世界だとしても。


 あの子は居ない。


 ならば、優しい世界など要らない。


「私が世界の破壊者となろう」


 シュナイゼルの顔に浮かぶのは狂気の笑み。
 


☆拍手から移動です。
 私の中でシュナ様は、ルルーシュが殺されたことで黒くなったと確信しています。
 ルルーシュを殺した世界への復習がシュナ様の根源だと思いたい!


 

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