忍者ブログ

諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

[43]  [42]  [39]  [41]  [38]  [37]  [35]  [34]  [33]  [32]  [31

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ゼロの騎士

☆この話には流血表現があります。それに、スザクにも厳しいです。
 流血が苦手な人・スザク好きの人は読まないことをお勧めします。
 それでも良い方だけお進み下さい。





「待っている」
 非公式な通信から聞こえてきた声。
 それは、ロイドにとって待ちに待った言葉だった。
「アハ。ようやく行けるんだ」
 嬉しそうに呟くとロイドは、机の引き出しの中からある物を取り出した。
「ようやく使えるv」
 取り出したものを懐に仕舞うと、ランスロットの元へ向かった。
 ランスロットの元には、ちょうど都合よくスザクの姿。
「クルルギくん」
「ロイドさん?」
 ニコニコと嬉しそうに笑うロイドに、スザクは今までに無い違和感を覚えた。
「ねぇ、クルルギくん」
「何ですか?」
「前にランスロットのパーツを失敗したって言ったの覚えてる?」
「はい」
 それほど前のことじゃない。
「失敗したって思うのなら、正せば良いと思わないかい」
「そ、そうですね」
 何でだろう?
 目の前に居るのはロイドさんなのに、敵に会ったような気分をスザクは味わっていた。
「君にそう言って貰えて嬉しいよ」
「あ、あの・・・・」
 ロイドさん・・・
「だから死んでよ」
「え?」
 ロイドの言葉と共に放たれた一発の銃声。
「しぶとい子だね」
 ロイドが狙ったのは心臓だった。
 だが野生的な感覚で回避したスザクは。右腕から血を流しているだけだ。
「なんで、ですか・・・・」
 どうしてロイドさんが?
「君が邪魔だからだよ」
「邪魔?」
「そう、邪魔。僕の主を裏切った君がね」
「主?」
 ロイドさんに?
「そう僕の主。そうだね、君に分かりやすく言えば、黒の騎士団のゼロとでも言えば良いかな」
 だから死んでよ。
「ロイドさん!」
 2発目、3発目は目的通りの所に当たった。
 ロイドが残酷に見つめる先には、右足と脇腹から新たに血を流しているスザクの姿。
「どうしてゼロなんかに」
 普通の人間なら既に気を失っていてもおかしくない。
「ゼロなんかなんて、君が言う資格はないよ」
 僕の主に対する冒涜だ。
 4発目は左足に当たった。
「僕はゼロの騎士なんだ。主が呼んでいるんだ。行かなきゃいけないよね」
 ウットリと呟く姿は狂気すら滲み出ている。
 出血が酷く、スザクの意識は朦朧としてきた。
「・・・・・・・・」
 いくら体力バカでも、もう喋るだけの気力も無いのだろう。
 スザクの泣きそうな顔もロイドの感情を動かすことはできない。
「そこまでです。ロイドさん」
 止めを刺そうと銃を構えたところで、割って入ってきた声。
「セシルくん」
「もう止めて下さい」
 泣きそうなセシルの顔に、ロイドは銃を降ろした。
「セシル君まで出てきたら仕方ないな」
「ロイドさん」
「でもゴメンね。僕は主の下に行くから」
 そう言うとロイドはランスロットに飛び乗った。
「ロイドさん!」
「戦場で会おう」
 それだけ言うと、ロイドはランスロットと共に特派から去っていった。


 状況は黒の騎士団にとって最悪だった。
 なのに、リーダーたるゼロには余裕すら感じられる。
「ゼロ。このままでは全滅します」
 既に半数近い仲間達がやられている。
「大丈夫だ」
「何がですか?何か打開策でもあるのですか?」
 有るからこその余裕なのだろうか?
「ある」
 そう、打開策なら有る。
 もうじき私の騎士が来る。
「だったら早く!」
 このままでは全滅だ!
「まだだ」
「ゼロ!」
「もう少しだけ持たせろ」
 あと少し。
 あと少しで手に入れられる。
 私の騎士。
 だが、ゼロの予想よりも状況は差し迫っていた。
 もはや間に合わなかったのかと思ったとき、出現した白兜。
 黒の騎士団のメンバーの頭の中を敗北の文字が横切ったとき、聞こえてきたゼロの声。
「遅かったな」
 白兜に対する言葉に、
「「「「え?」」」」
 誰もが耳を疑った。
「ゼロ。来ましたよ」
 苦戦していた戦況が、たった一機のナイトメアにより覆った。
 それも、今まで敵対していたはずの白兜。
 ???????
「私の騎士だ」
 それほど大きな声ではなかったが、戦場にいる誰もが聞こえた。
 それは初めて耳にするゼロの嬉しそうな声。


 ランスロットで駆けつけたロイドは、ブリタニア兵を難なく薙ぎ棄てていくと当たり前のようにゼロの隣にたった。
「遅かったな」
「アハ。後始末に手間取っちゃいました」
 ちょっと失敗しちゃったけど、汚名はこれからいくらでも覆せる。
 傍に居られるのだから。
「これからは傍に居ろよ、我が騎士よ」
「イエス、ユア・ハイネス」
 この時を、ずっと夢見てきた。
 伸ばされた手を、二度と離すものか。




☆お題完結。
一応繋がっているはずですが、一度に書いていないので微妙に繋がっていなかったらゴメンなさい。
それにしても、単発で一番多いのがロイルルですね。

 

PR

SPよりも騎士になりたい HOME 愛しき姫君 7

カウンター

プロフィール

HN:
伊月 優
性別:
女性

活力になります

管理用

アクセス解析


ジオターゲティング

検索避け

忍者ブログ [PR]
Template by repe