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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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愛しき姫君 12

愛しき姫君 12「拒絶」


 二人が衝撃により言葉を失っていると、ゼロが入ってきた扉がまた開いた。
 そして入ってきた人物は、
「「ルルーシュ」お兄様」
 今度こそ、先日見かけたルルーシュだった。


 ルルーシュはゼロの隣に立つと、愛しい妹と幼馴染の姿を交互に見た。
「この間はゴメンなさい。まさかクロヴィスの所で会うとは思ってもみなかったの」
 驚いてしまって。
 そう呟くルルーシュは完全に女性そのものだ。
 幼い頃の大人を拒絶した痛々しい少年の姿は見られない。
「ルルーシュお兄様が無事で、それだけで良いのです」
 この間は少し寂しかったけど、それよりもルルーシュお兄様にお会いできたことの方が嬉しかった。
「ありがとうナナリー」
 嬉しそうにルルーシュが微笑むと、なぜかスザクとナナリーの顔が赤い。
「ルルーシュお兄様でなはくて、お姉さまと呼んだ方が良いですか?」
 こんなに綺麗な女性を兄と呼ぶのは間違いのような気がする。
「そうね。そしてゼロの事を兄と呼んであげて欲しいの」
 ダメかしら?
 哀しそうに微笑むルルーシュにナナリーはおもいっきり首を横に振った。
「ルルーシュお兄・・お姉さまが仰るなら、ゼロお兄様とお呼びします!」
 自分の中ではルルーシュが絶対だった。
 幼い頃からルルーシュがナナリーの全てだった。
 そのルルーシュが言うのなら、ナナリーは疑う事無く何でも受け入れる。


 だからこそルルーシュが姉で、ゼロが兄と言うこともすんなりと受け止められた。


「ありがとう」
 今度は心からのルルーシュの笑みにナナリーは自分の言葉が間違っていなかったと確信できた。
 だが、
「僕は認めない」
 割り込んできたのはスザクだ。
「「スザク」さん」
 ルルーシュとナナリーの間に割り込んできたスザクは、ゼロの方を睨んでいる。
「ゼロは間違っている」
 ミレイが咄嗟に止めるが間に合わなく、ゼロに対してのスザクの言葉は厳しい。
 だが、そんなスザクとは対照的にゼロの方には余裕すら感じられる。
 なぜなら、
「ゼロを批判する人間はいらない」
 キッとスザクを睨んだのはルルーシュだ。
「ルルーシュ?」
 自分の味方になってくれると思ったルルーシュの言葉にナゼ?と思ってしまう。
「ゼロの行動は私と共にある。ゼロを批判することは私を批判する事だと分かっているのスザク?」
「ゼロと君は違う!」
「同じよ。私達は常に一緒。ゼロの考えが私の理由。私の思いがゼロの行動」
 二人は常に一緒。
 特別な深い絆で結ばれている。
「そんな!」
「だからスザク。貴方はもう要らない」
「え?」
「ゼロを傷つける人間はいらない」
 居て欲しくない。
「ルルーシュ!」
「もう私の名前を呼ばないで。私はゼロと共に歩んで行きます」
「でも!」
「いらないの。だからナナリーも諦めてくれるかしら」
 何をとルルーシュは言わない。
 だがナナリーにはちゃんと伝わった。
「はい。スザクさんは要りません」
 スザクさんよりもルルーシュお姉さまの方が大切だから。
「ゴメンなさい」
「いいえ。構いません」
 この瞬間に、スザクはナナリーからも見放されたのだった。
「じゃあ、枢木スザク君の退学届けを作らないとね」
 ニッコリと微笑みながらもミレイのスザクに対する視線は厳しかった。
 発言するなと言っておいたにも関わらず、よりにもよってゼロ批判をしたことでミレイは静かに切れていた。
 こうなったミレイは最強だと知っているゼロとルルーシュは、後の事はミレイに任せて大丈夫だと確信している。
「そんな!僕は!!」
 ルルーシュの傍に居たいだけなのに。
「はい、はい。お邪魔虫は出て行きましょう。貴方の退学届けも作らないといけないし」
 ニッコリと笑ったままスザクを部屋の外へと引きずり出していく姿は、ルルーシュの最強の騎士。


 スザクを冷めた目で見つめていた3人は、その姿が見えなくなるとお互いに微笑んだ。
 生まれて初めて兄妹三人が揃ったのだ。
「ナナリー、ゼロはブリタニアと戦っています。勿論私もゼロと同じ考えです」
「ナナリーはどうしたい?」
 ルルーシュとゼロの言葉にナナリーはニッコリと笑った。
「ルルーシュお姉さまとゼロお兄様に付いて行きます。私に出来ることがあるのでしたら、何でもお手伝いします」
 守られるだけではなく、守りたかったのだ。
 その願いが叶うのならば、どんな事でもしてみせる。

「ならば、ナナリー・ヴィ・ブリタニアに頼みがある」
「何ですか?ゼロお兄様」
 一番はルルーシュお姉さまだけど、そんなルルーシュお姉さまを守ってきたゼロお兄様の言葉なら素直に聞ける。


「シュナイゼル・エル・ブリタニアと話がしたい」
「ゼロ!」
「ゼロお兄様?」
 ゼロの言葉は妹達にとって予想外だった。 


 宰相でもあるシュナイゼルとの会話は、同じ兄妹でも難しい。
 だが自分は可愛がられていることもあり、アリエスでのお茶会のこともあり個人的な連絡網を持っている。
 だから可能と言えば可能だ。
 だが、
「どうしてとお聞きしても構いませんか?」
 どういう理由で話したいかにもよる。
 宰相に何か有れば、ブリタニアの面子にかけて全面戦争になるだろう。
「私の立場をハッキリとしておきたいし、それに・・・」
「「それに?」」
 それに?
「今のままブリタニアと戦っても、多くの死者を出すだけだ。最終的には黒の騎士団が勝つが、それまでに多くの血が流れる」
「そうですね」
 哀しいが、それは事実だ。
 ルルーシュとしてもどうしようもない。
「はい。わかります」
 ルルーシュとナナリーはゼロの言葉に頷いた。
 戦争をしていれば、それは避けて通れないことだ。
「だから、戦わずに日本と言う国を独立させる」
「できるのですか?」
 そんなことが?
「ゼロ?」
 可能なの?
「ああ、できる。やってみせる。だからシュナイゼルと話す必要がある」
「分かりました。シュナイゼルお兄様に連絡します」




☆ここまでお付き合いありがとうございます。
『愛しき姫君』の本編は、たぶん後2,3話で終わる予定です。(ただし続きは全く手付かずですので、多少前後するかも知れません。書いてみないと分からないので(汗))
 ただ今月中には終わらせます。

 

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