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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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名前を呼んで(ルルーシュ視点)

☆ルルーシュの記憶が戻った後の話になります。
 別名、ロロ救済編




 偽りの愛情。
 偽りの生活。
 偽りの記憶。
 総てが作られたものだとしたら、これ程滑稽なことはないだろう。


 あぁ、世界は偽りの上に成り立っていた。


 だから真実を取り戻したとき、憎しみしか沸いて来ないと思っていた。


 なのに、


「兄さん」
 弱々しく縋り付いてくるロロに、本日何度目になるか分からないため息が出る。
「ロロ」
 困る。
 非常に困る。
「兄さん、あの・・、その・・・」
「ロロ」
 犬だ。
 日本犬をのイメージが強いスザクと違って、ロロは小型犬を思わせる。
 一言で言えば、可愛いのだ。
「僕のこと憎いよね?」
 下から見上げるその角度に、ルルーシュは一歩後ろへ下がってしまった。
「ロロ」
 先ほどから出るのは、ロロの名前ばかり。
 それ以外を口に仕様ものならば、変なことを口走りそうで拙いのだ。
「兄さんの気持ちは分かるよ。1年も騙されれば憎いに決まってる」
「いや、その」
 力説するロロには悪いが、内心ルルーシュは葛藤していた。
 初めこそ確かに憎んだ。
 ナナリーへ向けるはずだった愛情を赤の他人へ向けていたのだから。
 だが、1年は長い。
 憎しみよりも愛情が上回ってしまったのだ。
「それでも、兄さんの傍に居たいんだ」
 必死に縋り付いてくる姿は可愛い。
 本当に可愛い。
「ロロ」
 あぁ、ダメだ。
 どうして、この可愛い生き物を嫌いになれるだろ。
 いや、なれない!
「兄さん」
 ロロの目に、薄っすらと涙が溢れているのを見つけたルルーシュは、ハンカチを取り出すと優しく拭っていった。
「兄さん!?」
「バカだなロロは。俺がロロの事を嫌いになるはずがないだろ
「でも・・」
「「でも」じゃない。確かに、初めは憎んだよ」
「やっぱり」
 しゅんとしてしまったロロを、ルルーシュは慌てて抱きしめた。
「最後まで聞くんだ」
「兄さん」
「憎んだのは初めだけだよ。何でナナリーの代わりにロロが居るんだって思った。でも、1年は長い。時間が経てば経つだけ、この1年がどんなに大切だったか思い出せる」
「兄さん」
 ルルーシュの優しい言葉や態度に、ロロは今度こそ本格的に泣き出してしまった。
「ロロ。そんなに泣いたら目が溶けてしまうよ」
 せっかくの可愛い顔が台無しになってしまう。
 隣にロロが居て、ナナリーが居る。
 考えただけで顔が綻んでくる。
「兄さん。大好き」
 涙を止めることなくギュッとルルーシュに抱きついた。
「ああ、俺もロロの事が大好きだよ。だから、ロロと俺とナナリーの三人で優しい世界で暮らそう」
「うん」
 ルルーシュの言葉に、ロロは力いっぱい頷いた。
「その為に、二人でブリタニアをぶっ潰そう。そして、優しい世界を造るんだ」
「分かったよ、兄さん。邪魔な人間は僕が全員殺してあげる」
「ロロは良い子だな」
「そんな事無いよ。兄さんは優しいから」
 ニコニコと会話しているランベルージ兄弟だが、内容は黒い。
 だが、そんなことに気が付いていない兄弟達はお互いの事しか見えていなかった。


 この後、ギアスの力を使いまくった兄弟達の活躍によりブリタニアの歴史は終焉を迎えた。 





☆甘いかな?
 この二人は、過剰な兄弟愛を貫いて欲しい。

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