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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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名前を呼んで(ロロ視点)

☆この話は。ルルーシュの記憶が戻る前の設定です。




「大好きだよ」
 そっと、自分を抱きしめる腕が優しい。
 今まで無縁だった 家族 という絆。
「兄さん」
 自分の声が甘さを含んでいることに気が付いたが、それすらも嬉しいと思えてします。
「ロロ」
 優しく名前を呼ばれることが嬉しい。
「僕なんかが弟でも良いの?」
 本当なら、血の繋がりのない偽りの弟。
 それが、自分に与えられた立場。
「なんか何て言うな。お前は俺の弟だよ」
 そういって、優しく微笑むのは血の繋がらない、本当なら赤の他人のルルーシュ。
 偽りの兄弟
 なのに目の前の綺麗な麗人は、血の繋がりよりも深い愛情を与えてくれた。それがどんなに凄い事なのかなんて、多分ルルーシュは・・・いや、兄は気が付いていない。
 実の妹だったナナリーへ与えていた無償の愛情が偽りの弟である僕に与えられている。
 

 この人が、本当の兄ならどんなに良かっただろう。


 考えてはいけないのに、どうしても考えてしまう。


「兄さん」
 ギュっと兄を抱きしめれば、優しい腕が返ってくる。
「どうした?今日はやけに甘えっ子だな」
 ロロを優しく抱きしめていた腕がはなれ、髪を優しく梳き始めた。
 優しく愛情溢れる動きに、ロロの感情が爆発しそうになった。
「兄さん」
 自分の役目を思い出さなければ、立つ事もままならないくらい頭がガンガンする。
「ロロ?」
 いつもと違う様子に、ルルーシュの眉間に皺が寄った。
「何でもない。何でもないんだ兄さん」
 役目を思い出せ。
 自分の存在意義を忘れるな。
 ああ、それでも


 縋りたいのかもしれない。


 兄弟という名の絆に。


 C.C.が現れれば終わってしまう絆。
 だが、まだ魔女は現れない。
 なら、今の自分の望みは。


 ただ一つ


「本当に大丈夫か?」
 心配そうな顔の兄に、精一杯微笑み返すと、
「名前を呼んで」
 唯一、自分のモノである名前。
「ロロ?」
「もっと呼んで」
 最後の瞬間まで忘れないように。
「ロロ」
「もっと・・」
「ロロ」
 ルルーシュが名前を呼ぶたびに、ロロの表情が明るくなっていく。
「大好き。兄さん」
「俺も大好きだよ。大切な弟だ」
 

 このとき僕は、この時が永遠に止まれば良いと本気で思ったんだ。




 予定よりのシリアスになってしまった(汗)
 どうしても6月6日にアップしたくて頑張ったのですが、見事に玉砕しました。
 このままではロロが可哀想なので、ルルーシュ視点で救済する予定です。

 

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