諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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君が特別になった瞬間【後編】
そんな遣り取りがあったのが数時間前。
「黒子?」
緑間の言葉に、黄瀬はハッとした様にコートの中で行われているミニゲームを見た。
「お前は、黒子のプレーを「ちゃんと」見た事があるか?」
「ないっスよ。ていうか、黒子って試合には出てないんじゃ?」
黄瀬自身、今まで何回かミニゲームをこなしてきたが、黒子が試合に出ていた事など一回もなかったように思う。
「フルにはないが、毎回出ているはずだぞ」
「え?」
嘘?
毎回?
緑間の言葉を疑うわけではないが、記憶にはない。
「だから、俺が来たのだよ」
「なんなんスか?」
「良く見ていると良い。黒子のプレーを」
緑間が指差した先には、確かに黒子がいた。
「・・・・・・アレが黒子」
驚きが隠せない。
まさか、黒子があんな動きをするなんて。
いや、動き自体は少ない。
「アレが黒子のスタイルなんなのだよ。アシストに特化した……アシスト(パス)だけでレギュラーを勝ち取った、黒子の実力だ」
「凄いっス」
目から鱗が落ちるとは、まさにこの事だろう。
目の前で起こっている事が信じられなかった。
「良く見ておくと良い。俺たちの仲間の動きを」
緑間が敢えて「仲間」の所を強調したのだが、黄瀬には聞こえていなかったようだ。
「本当に凄いっス」
魅入られたように黒子のプレーを見ている。
「まあ、良いのだよ」
自分の役目は果たしたようだから。
「黒子っち!」
自分の役目を終えた黒子がコートから出ると共に抱きついてきた大型犬。
「・・・・・・はぁ?」
気のせいでなかったら、呼び方が変わっているように聞こえた。
「凄いっス。感動したっス。カッコ良かったっス」
抱きついて、褒めまくる姿に戸惑いつつも。
「試合を見ていたんですか?」
黄瀬は普段からミニゲームを良く見ている。自分のプレーの参考にするためだ。
だが、黒子を認識した事はないはずだ。黄瀬はいつだってレベルの高い人間ばかりを目で追っている。そこに黒子の入り込む余地はない。
「見てたっス。緑間っちが教えてくれたんスよ」
ニコニコと黄瀬は嬉しそうだ。
「そうですか、緑間君ですか」
もっとも彼が、自発的にお節介を焼くなどとは考え辛い。緑間の後ろに、キャプテンの姿も見え隠れしている。
『余計な事を』
そう思うのだが、同時に嬉しかった。
本当は見て欲しかった。
認めて欲しかった。
でも、認めて貰えなかったら怖い。
だからこそ、今まで試合を見てもらう事に躊躇していたのだ。
「オレってばバカだから、今まで黒子っちの事に気が付かなかったっスけど、これからは絶対に見つけるっスよ」
絶対に見つけてみせるから。
黄瀬の瞳は真剣に訴えている。
「そうですか。お願いします」
絶対に本人には言わないが、黄瀬に見つけられるのは悪くない。
むしろ、気分が良い。
黄瀬が「っち」を付ける相手は、黄瀬自身が認めた相手。
だから、自分を呼ぶ名に「っち」が付いてきた時、黄瀬に認められたのだと嬉しかった。
「任せて。絶対に、絶対に見つけるっス」
全開の笑み。
「・・・・・・・・・」
完敗ですね。
これは、認めない訳にはいかない。
「黒子っち?」
「何でもありませんよ。ソレよりも、監督が呼んでいるようです」
遠くの方で監督が黄瀬を呼んでいる。
たぶん、今後の事を話し合うのだろう。
緑間がキャプテンの命(予想)を受けて黄瀬に接触したのは、レギュラー入りの話が出ていたからだろう。
黒子は影だが、光が影の存在を知らなければ意味がない。
その為の布石。
「みたいっスね。ちょっと行って来るっス」
「はい、どうぞ」
名残おしいのか、何度も黄瀬は振り返りながら監督の元へと向かっていく。
「はー。やっといきましたね。それにしても・・・・」
どうやら自分は、自分が思っている以上に黄瀬の事が好きらしい。
人の言動が気になるなんて、自分らしくないのに。
「やっぱり悔しいですね」
だから、
だから自分からは絶対に言わない。
「黄瀬君に言わせてみせます」
「覚悟して下さいね」
監督の元にいる黄瀬に向かって、黒子は微笑みながら呟いた。
おわり
☆別に黒子の片思いじゃないですよ。黄瀬も黒子の事が好きです。ただ、まだ気がついていないだけ。
今度は、黄瀬が自分の気持ちに気が付く話も書きたいかも。
おわり
☆別に黒子の片思いじゃないですよ。黄瀬も黒子の事が好きです。ただ、まだ気がついていないだけ。
今度は、黄瀬が自分の気持ちに気が付く話も書きたいかも。
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伊月 優
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